ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

あ行の作家

碧野圭「菜の花食堂のささやかな事件簿<4> 裏切りのジャム」(だいわ文庫)

シリーズ第四弾。今回も、食に関する様々な謎を前にして、菜の花食堂の靖子先生の 鋭い推理が冴え渡ります。ほのぼのした靖子先生ですが、今回菜の花食堂を貶める ことをした人物に対して、かなりの怒りを持って立ち向かいます。靖子先生の意外 な一面が伺え…

伊岡瞬「仮面」(角川書店)

テレビで活躍する作家で人気評論家の三条公彦。読字障害を持ちながら、アメリカ 留学後にその経験を本にし、じわじわと人気が広がり、そのルックスも相まって、 最近は幅広い層に人気を博していた。三条の秘書として雇われた菊井早紀は、謎 めいた三条の過去…

相沢沙呼「invert 城塚翡翠倒叙集」(講談社)

城塚翡翠シリーズとでも呼べば良いのでしょうか。シリーズ二作目です。前作の 衝撃から、一体どんな作品になるのかな、と思ってましたが、こちらもなかなかの 良作でした。中編が三作入ってまして、すべてが倒叙ミステリとなっております。 倒叙ミステリらし…

今村昌弘「兇人邸の殺人」(東京創元社)

シリーズ第三弾。神紅大学ミステリ愛好会の二人、葉村譲と剣崎比留子は、斑目 機関の研究材料を集める製薬関連企業・成島グループの子会社社長・成島陶次 から依頼を受けて、生ける廃墟と呼ばれる廃墟テーマパーク『馬越ドリームシティ』 に赴くことに。園内…

秋川滝美「ヒソップ亭2 湯けむり食事処」(講談社)

素泊まり温泉旅館の中の食事処『ヒソップ亭』を舞台にしたシリーズ第二弾。 せっかく前作で、章一人が切り盛りしていたヒソップ亭に、安曇という働き者の 料理人が加わったというのに、世間の自粛ムードの波はヒソップ亭にも 押し寄せて来ることに。そのうえ…

芦沢央「神の悪手」(新潮社)

最近注目されている芦沢さんの新作。将棋の世界が舞台。それだけに、専門用語が ばんばん出て来て、将棋に疎い私には何が何やらさっぱりな部分も多かった。 将棋について詳しい人ならもっと楽しめるのでしょうが・・・。特に、将棋の 対局のシーンはほとんど…

恩田陸「薔薇のなかの蛇」(講談社)

実に17年ぶりの理瀬シリーズ。この日をどれだけ待っていたことか・・・!!! もう、もう、読んでいる間中興奮しっぱなし。私が一番読みたかった恩田さん らしいゴシックミステリの王道をそのまんま行くような内容。そう、私が求める 恩田陸はこれなのよ!…

青山美智子「猫のお告げは樹の下で」(宝島社文庫)

最近お気に入りの青山さん。とても気に入った『お探し物は図書室まで』に出て来る 小町さんが出て来ると聴いて読んでみたいと思っていた作品。確かに小町さんらしき 人は出て来ましたが、図書室に勤める前の前職での登場でした。『お探し物~』の 中でも、前…

大崎梢「めぐりんと私。」(東京創元社)

本バスめぐりんシリーズ(と勝手に命名しているけれど、正しいシリーズ名は謎) 第二弾。地方の種川市をめぐる移動図書館『めぐりん』号は、バスの運転手テルさん と司書のウメちゃんと三千冊の本を載せて各地をめぐります。彼らの元には、 本にまつわる様々…

青山美智子「鎌倉うずまき案内所」(宝島社)

奇しくも青山さん二連チャンとなりました。たまたま回って来たタイミングが 重なったってだけなんですけどもね。 鎌倉を舞台に繰り広げられるファンタジっくな作品。面白いのは、一作ごとに 時代が過去に遡って行く点。登場人物もかなり緻密にリンクしている…

青山美智子「木曜日にはココアを」(宝島社)

最近お気に入りの青山さん。本書は度々新聞で取り上げられていて、話題になって いた作品で、気になってました。前の作品で脇役だった登場人物が次の作品の 主役になるという、主役のリレー形式で綴られる連作短編集。最後の一作が冒頭の 一作に繋がるという…

朱野帰子「わたし、定時で帰ります。ライジング」(新潮社)

シリーズ第三弾。図らずも管理職に就いてしまった結衣は、生活の為にわざと残業する 部下に悩まされる。残業をしなければ生活が出来ないと訴える部下の気持ちも汲んで あげたい結衣は、残業せずに業務を遂行したら給料を上げるよう、会社に訴えかける ことを…

大倉崇裕「冬華」(祥伝社)

大倉さんの山岳ミステリー最新作。以前に出て来た便利屋の倉持と、元自衛隊 特殊部隊の深江のコンビが活躍するシリーズ。ただ、今回は深江の出番は極端に 少ないです。というのも、前作の終わりで倉持に誘われて便利屋稼業を一緒に やることになり、倉持と一…

秋川滝美「居酒屋ぼったくり おかわり!2」(アルファポリス)

居酒屋ぼったくりのスピンオフ第二弾。前半は美音と馨の両親が今のぼったくり の前身となるお店を今の場所に開店する時のお話や、彼らが不慮の事故で亡くなり、 美音と馨がそのお店を引き継ぐかどうか悩み、常連客に判定してもらうお話、 要の学生時代の友人…

太田忠司「和菓子迷宮をぐるぐると」(ポプラ社)

久しぶりの太田さん最新刊。面白いタイトルに興味を引かれたので借りてみました。 理由あってあんこが苦手だった超理系男子の大学生が、ある日突然和菓子の美味しさ を知って衝撃を受け、和菓子職人を目指すお話。 いやー、これ好きだー。和菓子をテーマにし…

伊吹有喜「犬がいた季節」(双葉社)

本屋大賞第三位に輝いた作品。伊吹さんの作品は以前一冊だけ読んだことがあって (調べたところ『四十九日のレシピ』という作品でした)、その時好印象だったの だけれど、なんとなくその後手に取ることなく今に至ってしまってました。今回、 巷の評価が良さ…

碧野圭「書店員と二つの罪」(PHP研究所)

『書店ガール』の碧野さん最新作。タイトルから今回も書店ものだと喜んでいたの だけれど、『書店ガール』シリーズとは全く雰囲気が変わって、猟奇殺人事件 を扱った重めのミステリー。碧野さんがこういう作品を書かれるとは、かなり 意表をつかれた思いがし…

青山美智子「ただいま神様当番」(宝島社)

少し前に読んだ『お探し物は図書室まで』がとても良かったので、出版当時 評判良さそうだったこちらも借りてみました。 うん、うん。良かった。めっちゃ癒やされ系のお話でしたね~。ある日突然腕に 『神様当番』という文字が記され、神様のお願いを叶えてあ…

顎木あくみ「わたしの幸せな結婚」(富士見L文庫)

スマホのコミックアプリの広告でこの漫画版の画像が出ていて、面白そうだと 思っていたところ、小説版が図書館に入荷されたので借りてみました。 小説が先なのか漫画が先なのかはよくわからないのですが。よく行くコミック レンタルショップで漫画版が置いて…

歌野晶午「誘拐リフレイン 舞田ひとみの推理ノート」(角川文庫)

久しぶりにひとみちゃんの新作だ!と喜び勇んで借りたのだけど、読み始めて なんとなく嫌な予感がして、奥付みたら、昔に読んだ『コモリと子守』の文庫 バージョンであることが判明。タイトル変えすぎだよ!^^;普段だったらこの 時点で読むのを辞めるので…

遠藤彩見「みんなで一人旅」(集英社文庫)

コロナ禍で旅行に行けない今、ついつい旅にまつわる作品に手が出てしまいます。 まぁ、この手の本読むと、もっと旅行に行きたい熱が高まって困ってしまうところも あるのだけれど(苦笑)。先日読んだ秋川滝美さんの『ひとり旅日和』や、加藤 シゲアキ氏のエ…

奥田英朗「コロナと潜水服」(光文社)

奥田さんの最新短編集。やー、これはいい短編集でしたね。この手の、何気ない 日常を描いた奥田さんの短編集はホントに面白い。タイトルから、コロナ禍の 日本を舞台にした作品だとは思ってたんですが、そのテーマで書かれたものは 表題作のみでした。まぁ、…

秋川滝美「ひとり旅日和 縁結び!」(角川書店)

人見知りで引っ込み思案の主人公・日和が、ひとり旅に目覚めていろいろな場所に 旅に出ることで、成長していくシリーズ、第二弾。 前作の始めと終わりを比較した時も、主人公の日和は随分成長したなぁと思って いましたが、今回は更に旅がステップアップして…

乾くるみ「カラット探偵事務所の事件簿3」(PHP文芸文庫)

とっても久しぶりのカラット探偵事務所シリーズ第三弾。前作から8年が経っての 続編刊行。当然ながら、前二作のことなどきれいさーーーっぱり忘れていました とも。主役二人のキャラすら全く覚えていなかったという・・・どういうこと?^^; とはいえ、今…

恩田陸「日曜日は青い蜥蜴」(筑摩書房)

恩田さん久々のエッセイ集。今回は、ほとんどが本に関して書かれたものを まとめたもの。このタイトル、なんとなく覚えがあるなぁと思ってたら、 『土曜日は灰色の馬』のタイトル構成を踏襲したものだそうで(あとがきで判明)。 曜日+動物で、今後出るエッ…

相沢沙呼「教室に並んだ背表紙」(集英社)

『Medium』で一躍人気作家に躍り出た感のある相沢さんの最新作。本書は 中学校の図書室を舞台に繰り広げられる、青春ミステリー。学校の中で行き場を 失った少女たちが、優しい司書のいる図書室で過ごす中で、自分の居場所を見つけて 行く優しい読み心…

青山美智子「お探し物は図書室まで」(ポプラ社)

王様のブランチで紹介されていた本。図書室が舞台ってだけでも読みたくなる のだけれど、内容もとても面白そうだったので予約してみました。はじめましての 作家さんだったのだけど、この方、話題になっていた『木曜日にはココアを』の 作家さんなのですね。…

内田英治「ミッドナイトスワン」(文春文庫)

映画のレビューを読んでいたら、原作小説も絶対読んだほうが良い、というコメント が多数あったので、借りてみました。確かに、映画では描き切れなかった細かい 部分や、登場人物の微妙な心情の機微など、かなり詳しく描かれていて、相互補完 の関係になって…

大崎梢「もしかしてひょっとして」(光文社)

大崎さん新刊。タイトル通り、「もしかして、ひょっとして」と思える出来事を 主人公たちが振り返り、真実に迫る話ばかりを集めた短編集。五作目に収録されて いる『かもしれない』だけアンソロジーで既読でした。各作品にリンクは全く ないですが、どのお話…

大山誠一郎「ワトソン力」(光文社)

なぜか、そばにいる人間に飛躍的な探偵能力を与えてしまう能力を持つ警視庁 捜査一課の和戸。彼は密かに自分のその能力を『ワトソン力』と呼んでいた。 和戸の行く先々ではなぜか難事件が起き、その度にその場に居合わせた人物が、 彼のワトソン力を借りて事…