ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

あ行の作家

芦沢央「夜の道標」(中央公論新社)

芦沢さんの作品は読んだり読まなかったりなんですけれど、これは何となく良さそう だなと思って予約してありました。回って来るまで結構かかったなぁ。記事を 書くにあたってネット検索してたら、本書が作家十周年の記念作品だそうで。 ここ最近人気になった…

安壇美緒「ラブカは静かに弓を持つ」(集英社)

王様のブランチで紹介されていて、面白そうだなぁと思って予約していた作品。 その後本屋大賞にもノミネートされました。 なるほど、なるほど、話題になるのも頷ける作品でしたねぇ。とても面白かった。 少し前に、音楽教室の著作権問題が話題になったのを覚…

伊藤調「ミュゲ書房」(KADOKAWA)

ブログ友達のおんだなみさん、わぐまさんがオススメされていた作品。書店が 舞台でブロ友さんのオススメとあらば、読まない訳にはいきませんよね。北海道 で老舗の書店を営んでいた祖父が亡くなり、理由あってその経営を引き継いだ 元編集者の青年の物語。 …

青山美智子 絵/ U-ku「ユア・プレゼント Red」(PHP研究所)

この間は表紙がブルーの『マイ・プレゼント』の方を読んだのですが、こちらは 赤バージョン。今回も美しい色彩の水彩画と詩のような優しい文章が心地良い 素敵な作品でした。画集気分で眺めるだけでも楽しいです。今回は赤が基調に なっているので、前回の青…

一穂ミチ「光のとこにいてね」(文藝春秋)

『スモールワールズ』で有名になった一穂さんの最新長編作。本屋大賞にも直木賞 にもノミネートされて話題になっているようですね。『スモール~』がなかなか 良かったので、新刊出てすぐに予約しておいて良かったです。そうじゃなきゃ、 読めるの何年か後と…

青柳碧人「名探偵の生まれる夜 大正謎百景」(角川書店)

青柳さん最新作。面白い趣向の作品を次々と生み出す青柳さん。今回も、大正時代に 活躍した実在の人物を登場させ、様々な謎を解き明かすという、また違った切り口の 大正浪漫ミステリー集でした。 登場するのは、教科書に登場するような有名人ばかり。どこま…

秋川滝美「ひとり旅日和 福招き!」(角川書店)

シリーズ第4弾。今回の旅は長野、名古屋(愛知)、東京でのお土産宴会を 挟んで、高知・愛媛、宮崎・鹿児島と、ひとり旅としてはなかなかの移動距離。 日和がだんだんとひとり旅慣れしていくのがわかりますね。ただし、今回は間の 東京お土産宴会を挟んだこ…

恩田陸「なんとかしなくちゃ。 星雲編 1970-1993」(文藝春秋)

恩田さんの最新作。といっても、予約してから大分経ってようやく回って来たって 感じでしたけど(昨年11月の新刊)。最近は予約に乗り遅れてばかりだなぁ。 ちょっと、今までの恩田さんにはないタイプの作品で、斬新な内容でしたねぇ。 主人公の梯結子のキ…

青柳碧人「赤ずきん、ピノキオ拾って死体と出会う。」(双葉社)

童話シリーズ最新作。前に登場した名探偵の赤ずきんちゃんが再び登場。まさか、 赤ずきんだけが独り歩きしてシリーズ化するとは・・・(笑)。まぁ、確かに なかなか面白いキャラクターだったので納得出来なくもないですが。今回の赤ずきん は、森の奥に住む…

阿津川辰海/斜線堂有紀「あなたへの挑戦状」(講談社)

新進気鋭のミステリ作家二人による豪華な共作ミステリー。タイトルから、読者 への挑戦状が入ったミステリーなんだろうな、と期待しながら読みました。 確かに付属でカードに書かれた『あなたへの挑戦状』が入っていました(二通)。 図書館本ですが、ちゃん…

青山美智子「いつもの木曜日」(宝島社)

『木曜日にはココアを』に繋がる、前日譚を集めた掌編集。絵本のような体裁で、 本文も3~5ページ程度しかないので、トータルで30分くらいで読めます。 この間読んだ青山さんのもそんな感じでしたけど^^;予約本ラッシュだった から、さくっと気を抜い…

奥田英朗「リバー」(集英社)

奥田さんの最新作。648ページの長編。いやぁ、読んでも読んでも終わらなくて、 一週間くらいかかったかなぁ。面白くない訳じゃないので挫折とかは全くなかった けれど、犯人逮捕までがとにかく長くて長くて。同じ事件を複数の人物の視点から 語られる為、…

池井戸潤「ハヤブサ消防団」(集英社)

池井戸さんの最新刊。470ページ超えのなかなかの長編。まぁ、今読んでる作品 は600ページ超えなので、更に分厚いのですが^^;いつもの池井戸作品に比べる と、情景描写とか状況説明が多いせいか、ちょっと読むのに時間がかかってしまい ました。のど…

歌野晶午「首切り島の一夜」(講談社)

歌野さん最新作。タイトルから本格ミステリ色がぷんぷん漂っていたので、非常に 期待して読みました。孤島の宿で四十年ぶりに行われる同窓会を巡る群像ミステリー。 一章ごとに、そこに集まった七人を一人づつ取り上げて、同じ一夜をどう過ごしたか が綴られ…

青山美智子 絵・U-ku 「マイ・プレゼント」(PHP研究所)

詩のような掌編のような、青山さんの短い文章に、『赤と青とエスキース』でも カバー絵を担当されたU-kuさんが挿絵を添えた、まさにプレゼントに相応しい 一作。2~30分もあれば全部読めちゃいますが、文章も絵もとっても素敵でした。 U-kuさんは新進気鋭…

織守きょうや「学園の魔王様と村人Aの事件簿」(角川書店)

最近人気の織守きょうやさんの学園ミステリー。話題になっている『花束は毒』 が人気で読めそうにもないので、予約の少なそうなこちらから手をつけてみました。 予約本が立て込んでいる時だったのだけど、一話読んでみたら面白かったので、 全部読み通してし…

秋川滝美「居酒屋ぼったくり おかわり!3」(アルファポリス)

居酒屋ぼったくり おかわり!シリーズ第三弾。今回は、妹の馨と夫の哲君夫婦の お話が中心。美音さんと要さん夫婦の新婚いちゃいちゃシーンもちょいちょい 挟まってますが(笑)。お互いに尊敬し合って、ラブラブなので、当てられっぱなし でした^^; 反面…

相沢沙呼「invertⅡ 覗き窓の死角」(講談社)

城塚翡翠シリーズ第三弾。invertシリーズ第二弾とも言うのかな?二作収録されて いまして、どちらも倒叙ミステリ。まぁ、一作目は少しひねってあるので、厳密に 倒叙ミステリって言っていいのか微妙なところではありますが。 ドラマ化スタートに合わせて新作…

朝井リョウ「そして誰もゆとらなくなった」(文藝春秋)

朝井さんの最新エッセイ。三部作のラストだそう。一作目まだ読めてないけど、 前作がとても面白かったので、読むの楽しみにしてました。 いやー、もう、お腹痛くなるくらい笑いました。朝井さん、なんでこんなに 面白い経験ばっかりしてるんですか!?ビロウ…

歌田年「紙鑑定士の事件ファイル 偽りの刃の断罪」(宝島社)

個人的に一作目が面白かったので、二作目も手にとってみました。今回は中編が 三作入った中編集。前作で紙鑑定士渡部のバディとして活躍したプラモデル造形家 の土生井に代わり、今回のバディはフィギュア作家の團。土生井のキャラも好き だったので、大幅に…

秋吉理香子「終活中毒」(実業之日本社)

秋吉さん新作。以前に読んだ『婚活中毒』に続いて、今回のテーマは終活。四人の 終活話が収録されています。どれも面白かった。救いのないオチ、心温まるオチ、 グッと来るオチ、ほろっとさせてくれるオチ・・・同じ終活をテーマにしていても、 読後感がどれ…

朝倉秋成「俺ではない炎上」(双葉社)

話題になっている『六人の嘘つきな大学生』が、あまりにも予約数が多いので 借りられない為、二作目のこちらから読むことになりました。 SNS上で自分のアカウントを乗っとられ、『女子大生殺害犯』として 炎上し、実名も顔写真も世間にさらされ、逃亡せざる…

大山誠一郎「時計屋探偵の冒険 アリバイ崩し承ります2」(実業之日本社)

アリバイ崩しに特化したミステリ短編集、シリーズ第二弾です。前作が面白かった ので、読むのを楽しみにしていました。浜辺美波ちゃん主演でドラマ化もされました よね。キャラクターが原作と大幅に違っていて、違和感めっちゃありましたけど^^; (なぜか…

宇佐見りん「くるまの娘」(河出書房新社)

『推し、燃ゆ』で芥川賞を受賞された宇佐美さんの受賞後一作目。実は『推し~』 は読んでません。予約多くって諦めたのもあるし、他のブロガーさんの感想読んで たら、自分好みっぽくないなぁと思ったから。本書は、王様のブランチで取り上げ られていて、気…

青柳碧人「ナゾトキ・ジパング」(小学館)

青柳さん最新刊。素行も悪く成績は振るわないが学生からの人望が厚い秀次は、 春から精南大学男子寮の寮長となった。そんな秀次は、所属するゼミの雄島教授 の陰謀で、この春からアメリカからの留学生、ケビン・マクリーガルと同室になり、 世話を任された。…

飴村行「空を切り裂いた」(新潮社)

久々飴村さん。そういえば、粘膜シリーズを多分、二作くらい読み逃しているん ですよね・・・出版当時図書館に入ってくれなくって。今は入っているのかな?? まぁ、買ってもいいんですけどね。文庫だし。 で、最近さっぱり新刊出さないなぁと心配していたと…

伊坂幸太郎「マイクロスパイ・アンサンブル」(幻冬舎)

伊坂さんの新刊。二つの世界が交互に描かれる、最近の伊坂作品では割合多い 構成の作品。 もともと、猪苗代湖で毎年開催されていた『オハラ☆ブレイク』という音楽と アートのイベントで配られる小冊子に寄稿されていた作品だそうな。それを一つに まとめて、…

乙一「さよならに反する現象」(角川書店)

作家生活25周年を記念して刊行された作品集。5作の短編が収録されています。 ホラーよりの作品が多かったかな?とはいえ、あまり怖くはなかったですが。 全体的にちょっと物足りなさを感じる作品が多かったなぁ。天才乙一の片鱗は あるものの、どうも食い…

一穂ミチ「砂嵐に星屑」(幻冬舎)

テレビ局を舞台に繰り広げられる春夏秋冬、4つの物語集。 一作目の『<春>資料室の幽霊』は、社内不倫の末、東京から大阪に異動になった 四十代の女子アナウンサー邑子の物語。異動で古巣の大阪に戻って来たが、社内 では腫れ物扱いで居心地が悪い。すると…

彩瀬まる「新しい星」(文藝春秋)

彩瀬さんの最新作。ここ何作か遠ざかっていた彩瀬作品ですが、本書は巷の評判が よろしいようなので予約してありました。確かテレビでも紹介されていたような。 大学の合気道部で仲間だった四人――青子、茅乃、玄也、卓馬を軸にした、 喪失と再生の物語。一話…