平山さんの最新作。平山さんの作品は、毎作図書館に入荷される訳ではないので、
入った時はとても嬉しい。最近『ダイナー』が映画化されて話題になったりも
したせいかな、とも思うんですけれども。
相変わらずぶっ飛んでましたね~~~。のっけから、獣姦モノですもんね・・・。
しかも、トンデモないシーンから始まるし。平山ワールド全開で、一作目
からファンサービス満載(平山ファンにとってのサービスです。悪しからず)。
どの作品も壊れっぷりがすごくて、頭がくらくらしました(笑)。
では、各作品の感想を。
『GangBangTheChimpanzee』
動物園で、主人公がチンパンジーに犯される話。っておい!どんな状況なんだよ!
とツッコミ入れたくなること必至。チンパンジーに○られちゃった後の主人公
(神羽狆一(じんばちんいち←なんちゅー名前だ^^;))のその後が結構
いろいろ悲惨。勤めてる会社の態度とか、加害者のチンパンジーの動物園の
園長の開き直りとか。そして衝撃のラスト。人生の最後がこんなだったら
イヤ過ぎる(><)。
『あむんぜん』
中学の同級生、あむんぜんはなぜか学校から長髪を認められていた。その理由は、
小さい頃に自動車事故に遭った際に、頭が<へんてこな感じ>になったのを
本人がいたく気にしているかららしい。俺とあっくんは、その<へんてこな感じ>
の頭を見てみようと画策する。すると、とんでもないモノが隠されていたのだ―ー。
主人公があむんぜんと脳大陸発見を試みるシーンは、正直読むのがキツかったです。
でも、こんなトンデモない設定を考えつくこと自体、平山さんの天才っぷりが
際立っている作品だと思う。ラスト、主人公のピンチにとんでもない場所から
現れたあむんぜんに唖然。最後に友達を救ってあげたかったのかな。一人ぼっち
になってしまうあむんぜんのお父さんの今後が気になりました。
『千々石ミゲルと殺し屋バイブ』
これは中盤以降のお話の展開は好きなんですけど、いかんせん、冒頭からの
数ページを読むのがキツくてキツくて。もう、生理的に文字を追うのが無理で。
読んでてまじで吐きそうになりました・・・。チチヨが、借金取りたちに迫られ
た○ンゲロ、最後までやらなくて(できなくて)ほっとしました。っていうか、
無理でしょっ。鬼畜すぎでしょっ。こういうモノを好むマニアがいるというのは
知らない訳ではないけれど、正直ほんとに理解できません。気持ち悪すぎて、
気が遠くなりかけました。
体を洗いまくったタカの末路には面食らわされました。んなバカな。チチヨと
の関係がよくなっていただけに、ラストは切なかった。
『あんにゅい野郎のおぬるい壁』
これも生理的にキツいお話だったなぁ。集めた大量の尿を鍋で煮沸して、最後に
残ったシャブの結晶を取り出す、という。そんなことが可能なの?と疑問に
思ったのですが、最後に案の定の結果が。ヒロシ少年と主人公の関係が良かった
です。ヒロシが健気なのが何ともやるせなくて。ラストシーンのオチが一作目と
ほぼ丸被り。動物が違うからいいのか?(←全然よくない)
『報恩捜査官夕鶴』
鶴の恩返しがベースになってるんですが、中身は全く似て非なる作品ですね^^;
主人公は警察官のよひょう・・・四票。アメリカから来たFBIの捜査官で、
とんでもなく長い名前の女性(読み上げるのに二時間半ほどかかる!)、通称
おつう(短っ)に惚れこまれ、なぜか夫婦になることに。おつうは、四票が
担当する難事件を瞬く間に解決してしまう。しかし、おつうは事件現場で
推理する姿を絶対他人には見られたくないと言う。四票はその通りにして
やるのだが、ある事件の際、周りの捜査官たちがおつうが隠れたブルーシート
の中に監視カメラを仕掛けて、彼女が何をしているのか見てしまう。すると、
彼女がとんでもない行動に・・・!
おつうが隠れてしていた行為には唖然。き、気持ち悪っ・・・!!これも、
生理的に受け付けるのは難しいタイプの作品ですね・・・。
終盤の展開はもう、何が何だか。破綻っぷりが凄まじかったです。結局、おつう
って何者だったんでしょうか・・・。
『ヲタポリス』
ひたすらアイドルオタクの話。平山さんって、ヲタ要素もあるんですかね?^^;
主人公のサブローが入れあげているアイドル、ヤブサカ69のキャラがなかなか
すごい。言葉遣いとか歌詞とか、こんなの現代アイドルが一言でも話したり
歌ったりしたら、炎上、炎上また炎上の嵐になること請け合い。まぁ、平山
ワールドではこんなの可愛いものでしょうけど(苦笑)。ちなみに、彼女たちの
歌う曲のタイトルの例は以下。
『ばばあ!道ゆずれよ!』
『正直に云うよ!またがってこい!』
『別格!枕モンスター』
・・・こんなアイドル嫌だーーーー!!!
オタク用語満載で、正直何言ってんのか理解不能でした。というわけで、話も
ほぼ理解不能。理解するのを放棄しました。終わり。
最低で最悪で醜悪な物語ばかりなんだけど、やっぱり平山夢明は凄い、と
思ってしまう作品集でもありました。
読者を選ぶ取り扱い注意作品なのは間違いありません。
読まれる場合は自己責任でお願いしますw