ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

我孫子武丸「監禁探偵」(実業之日本社)

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我孫子さん最新作。すごいタイトルと表紙で、手にとった瞬間かなり面食らわせ

られました。シュールすぎ^^;

ネット検索してたら、映画化されていて、コミックスもすでに出ているらしい。

一体いつ映画が公開されていたのやら。全然知らなかったです。三話で構成

されています。第一話は、ミステリアスな少女を自宅で監禁することになって

しまった変態盗撮男が主人公、第二話は事故で記憶を失ってしまった少女の

看護を担当することになった研修医が主人公。最終話である第三話は、その

両方が登場し、謎の美少女アカネの正体に迫ります。謎の多い美少女アカネ

のキャラがなかなか良いですね。第一話がタイトル通り監禁された美少女が

殺人事件の謎解きをするというお話だったので、てっきりその後のお話も

同じような流れで続いて行くのかと思ったのですが、三話がそれぞれに

繋がって最後の作品に発展していく、連作形式の構成でした。ただ、個人的

には、第一話のような一話単独で謎解きが楽しめる作品の方が好みでは

ありましたけど。タイトルの『監禁探偵』も、第一話が一番内容にマッチして

ましたしね。第二話は病院に入院しただけだから監禁された訳ではないし、

第三話は監禁されてはいるけど探偵活動はしていないですからねぇ。しかも、

アカネの正体がわかる第三話に関しては、ちょっと消化不良の面が多くて

すっきりしたとは言い難かったし。最後の監禁シーンは、想像するだけで

気が遠くなりかけました^^;アカネの気が狂わなくて良かったです・・・。

第一話の主人公亮太は、最初出て来た時は、無職で盗撮癖のある気持ち悪い

変態としか思えず嫌悪感しか覚えなかったのですが、三話で再登場した時は、

ちゃんとやりたい仕事も見つけて、アカネを助ける為にいろいろ動き回る逞しさ

も身につけていて、随分印象が変わりました。二話の主人公伸一とのコンビも

良かったですね。伸一はもともと常識人だから、三話でもあまり印象は

変わらなかったけど。職業も性格も全然違う二人なのに、アカネを捜し出すという

利害が一致したせいか、自然と信頼関係が結ばれて行くところが良かったです。

タイトルや表紙を受けて、最初読み始めた時は、女性が読む作品じゃないかも

・・・とちょっとドン引きしていたのだけど、ぐいぐい引き込まれて、最後には

きっちりミステリとして読ませる作品になっているところはさすがだな、と

思いました。

まぁ、電車の中でカバーしないで読む勇気はないですけどね・・・^^;;