ミステリ読書録

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成田名璃子「今日は心のおそうじ日和2 心を見せない小説家と自分がわからない私」)メディアワークス文庫

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シリーズ二作目。有名作家の住み込み家政婦として雇われた主人公が、掃除を

通して心の整理をして行く物語。

お掃除することで、心を整理し、憂いを取り払って行く、という設定が面白いです。

一時期大ブームになった、こんまりさん(近藤麻理恵さん)みたい。私も、テレビで

こんまりさんのお掃除術を見て、洋服の立てる収納術は実践しているので、かなり

影響されました。そういえば、単発ドラマにもなってましたっけ。その後アメリ

で大ブレークしたんですよね。今ではあちらでの方がスター扱いみたいですけど。

基本的に、私はお掃除が苦手なので、涼子みたいな掃除テクニックが身についたら

いいのになぁとは思いますね。相方が掃除大好き人間なので、もっぱら任せちゃって

ますけど(特に、年末の大掃除はほとんど相方がやっているw)。いや、もちろん、

普通に掃除機とかはほぼ毎日かけますよ?でも性格が大雑把なので、細かい部分の

掃除とかは苦手。整理整頓もダメだし。でも、一度やるって決めたら、結構徹底的に

やるタイプではありますけど(そのやるって決めるまでが長いのだけど^^;)。

今回、涼子の雇い主の山岡周三郎の家に、突然弟子入り志願の若い女性がやって来て、

なんだかんだで居座り続け、涼子の家事や心を乱しまくることに。先生や娘の美空

は彼女のことを受け入れているようだけど、涼子は彼女の言動にもやもやしっぱなし。

自分の居場所が失われて行くことに焦りを感じる中で、涼子自身に見合い話が

持ち込まれることに。自分は先生の家を出て再婚するべきなのか――悩む涼子が

出した答えとは。

弟子入り希望の結菜の言動は、私から見てもイラッとするものばかりでした。先生や

娘の美空が、彼女と好意的に接しているのが不思議で仕方なかったです。まぁ、

それにはきちんと裏があった訳なのですけれど。

先生を崇拝する、編集者の川谷さんの存在が救いでしたね。いつでも涼子の味方に

なってくれて。結菜の正体を暴く協力もしてくれたしね。でも、結果として、

結菜とも、涼子の掃除術のおかげで打ち解けられて良かったと思います。なんの

わだかまりもない状態で出会っていたら、二人はとても気の合う友達になれたの

ではないかな。これからなれる可能性もあるでしょうしね。

先生への想いを涼子自身が認めないものだから、なかなか二人の関係が近づかなくて

やきもきしますね。もう、ほとんど認めているようなものって気もしますが。

次作では、二人の距離がもう一歩近づくといいなと思います。