ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

友井羊「スープ屋しずくの謎解き朝ごはん 朝食フェスと決意のグヤーシュ」(宝島社文庫)

シリーズ第7弾。コンスタントに続きが出てくれて、ファンとしては嬉しい限り。

今回は、会社主催の朝食フェスの責任者となった理恵が、フェス開催の為に奔走

するお話。目当てのお店に出店依頼したり、会場探しをしたり、当日は責任者

としてフェス会場全体の監視をしたりと、とにかく忙しい。そんな忙しい理恵を

美味しいスープ料理で癒やし、問題が勃発すると解決のアドバイスをしてくれる

のが、スープ屋しずくの店主・麻野。理恵の前に立ちはだかる様々な問題を、

聡明な頭脳と知識で解決してくれるのです。

今回は、朝食フェスに出店するお店に問題が起きるケースが多かったのですが、

そのお店の問題を解決した麻野が、そこで知り合った店主から料理についての

アドバイスをもらって自分の料理に生かすことで、麻野の料理の腕もステップアップ

させているところに、彼の飽くなき食への追求が感じられて微笑ましかったです。

その道のプロの技を、貪欲に自分の料理に生かそうとする姿勢が素晴らしいですね。

麻野は本当に料理が好きなんだと思います。あれだけの技術を持っていながら、

常に向上心を忘れない。料理人の鑑ですよね。

そんな麻野のスープは、当然ながら今回も、どれもこの上なく美味しそうでした。

スペイン雑炊のカルドソとか、チェコのきのこスープとか、どれも食べたことが

ないので味の想像が出来ず、めちゃくちゃ食べてみたくなりました。

ラストに出て来た、理恵がある決意とともに口にしたハンガリーのグヤーシュは、

本場でも食べたことがあるし、その味を思い出したくて自宅で作ったことも

あります。本場の美味しさには叶わないまでも、それなりの味は再現出来ました。

今は、ネット検索すれば、ほとんどの料理のレシピが無数に出て来るから、

とても便利な世の中ですよね。本場の味を再現するレシピもたくさんありますしね。

でも、やっぱり、麻野さんが作ったグヤーシュが食べてみたい~~~。ハンガリー

料理が食べられるお店なんて、なかなか近くにはないだろうしねぇ。スープ屋

しずくに行くと、いろんな国の料理が出て来て、麻野さんの料理の知識の広さに

驚かされます。こういうお店が近くにあったら、本当に通いたくなってしまう

だろうなぁ。まぁ、理恵のように頻繁に朝食食べに通うような財布の余裕はない

けれど・・・^^;朝からこんなに食べたら、仕事中眠くなったりしないのかな?

とちょっと疑問に思ったりはしますけどね(朝食のパンは食べ放題)。スープと

パンくらいならちょうどいい感じなのかしらん。

さて、ラストの理恵の決意は、次巻でどうなるでしょうか。実行に移されたら、

麻野との関係にも変化が訪れそうです。ま、もう麻野の方も態度に出ちゃってる

感じはひしひしとしますけどね。楽しみ、楽しみ。