ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

原田ひ香「三千円の使いかた」(中公文庫)

奇しくも、原田さん二連発となりました。たまたま回って来た時期が被った

だけなんですけどね^^;本書は、出た当初からとても話題になっていて、その後

映像化もされて更に人気が出て、ずっと気になりつつも、予約が多くて手が出せ

なかった作品。めでたく文庫化されたのを機に早々に予約し、やっと回って来た

次第。しかし、うちの相方も読みたいというので、他の予約本優先で読んでいたら、

なかなか手元に戻って来なくて、あわや読めずに返す羽目になるのでは、と

ヒヤヒヤさせられました^^;結局、相方夜勤の時に置いて行ってくれたので、

2日で一気に読んじゃいましたが(結局、相方は読み終われずに返却期限が来て

終了w)。

御厨家の女性四人を中心に繰り広げられる、お金にまつわる悲喜こもごものお話。

四人四様、どの世代のお金の話もめっちゃリアリティあって、すごく面白かった

です。確かに、これは話題になるわ~と思いながら読んでました。次女の美帆、

祖母の琴子、長女の真帆、母親の智子、あとは一話琴子の若い園芸友達の安生

の視点で、それぞれ綴られて行きます。

美帆、真帆の年代は通って来たし、智子の年代は、今の自分とほぼ重なっている

ので、まさに今直面する問題(まぁ、子供のいるなしの違いはとても大きいの

ですが)が描かれていて、いろいろと考えされられちゃいましたねぇ。貯金の

話って、なかなか外では出来ないから、他の人がどれくらいの貯金額とか、

興味津々で読んじゃいました。友達同士どころか、兄妹姉妹間でさえ、なかなか

貯金とかお金の話って出来ないですもんね。

タイトルから、いろんな人の三千円の使い方のエピソードが出て来るのかと思った

のだけど、内容は全然違ってました^^;人によって、三千円の価値って全然

違いますよね。三千円が高いか安いか、という基準なんかも。節約している主婦の

真帆は、セレブな男性と婚約した友達との価値観のズレに苦しみます。その友人は、

婚約者の親が用意してくれたタワーマンションに住み、婚約指輪は1.2カラット

ティファニー。一方、自分は毎日かつかつの生活で貯金の為に節約の日々。婚約

指輪はもらわなかったし、真帆が持っているダイヤモンドといえば、学生時代に

当時付き合っていた夫からもらった小さな三連のネックレスだけ。どうしたって、

比べてしまう・・・と。私個人からすれば、タワーマンションなんて住みたいとも

思わないし、1.2カラットのダイヤの指輪なんて、ダイヤがデカすぎてどこに

つけてくんだって感じで欲しいとも思わないし、それよりも、穏やかで真帆の

ことを思ってくれる優しい旦那がいる方がいいと思いましたけどね。案の定、

その友人の結婚には、暗雲が立ち込めることになりますしね。どうしたって、

他人の芝生は青く見えちゃうんですよね。

しかし、真帆の家の月の収支が書かれてるんですが、手取りの割に住居費多すぎ

では?とツッコミたくなりました。手取り二十三万のうち、家賃八万八千円は

高すぎないか?今の世の中なら仕方ないのかなぁ。夫の会社から住宅手当みたいな

ものが出てるならまだわかるのだけど。そういうことは書かれていなかったような。

でも、それでも貯金が月六万出来ているならまだマシな方なのかな(まったく貯金が

出来ずに火の車って家庭もあるだろうから)。

智子の話は、先に述べたように自分と一番年代が近いので、リアリティ満載でした。

そろそろ、老後の資金の心配をする時期ですからねぇ。そして、次から次へと

出てくる身体の不調のことも。お金も大事だけど、最近は何よりも大事なのは

健康であることだと痛感する日々なので・・・。もともと物欲はあんまりない方

だったのだけど、最近は更に自分のことにお金を使わなくなっている気がするなぁ。

いや、使うとしたら、健康に対する投資の方というか。サプリメントとか

健康グッズとかね。智子と大きく違うのは、子供のことでお金を使うことが

ないって点ですね。夫婦ふたりだけだから、子供の養育費のこととか考えないで

いいのはありがたい。でも、だからこそ、老境に差し掛かった時に、いろいろと

困ることも出てきそうだなぁと戦々恐々としてしまうのですが。だから、七十代

の琴子さんの生き方には、ちょっと憧れはありますね。のんびりと一人暮らし

だけど、近くに親族がいて、何かあれば駆けつけてもらえるし。七十三歳で、

新しく仕事を始めるというバイタリティもすごい。ボケ防止には、そうやって

何かを始めることが一番いいのでしょうね・・・自分に出来るとは思えないけど

^^;;でも、一千万の現金を、金利目当てであっちこっちの銀行に移す行動には

かなりドン引きしましたけどね(その年齢の女性が現金持ち歩くの怖いよ!)。

でも、夫が先に亡くなったとしたら、やっぱりどうにかしてお金を稼がないと

行けなくなるのかなぁ・・・そう考えると、やっぱり貯金とか資産運用とか

大事なんだろうな、と改めて考えさせられました。

最後の、美帆の彼氏の奨学金の話も、親としてのあり方みたいなものを考えさせられ

ましたね。うちの親は普通に大学費用は出してくれたから、私は随分恵まれて

いたんだなぁ・・・改めて、感謝の念を覚えました。最終的には、琴子さんの

提案で上手く収まるところに収まって良かったです。琴子さん、一番安定して利益が

出る金利で貯金を運用したことになるのかな(苦笑)。

我が家は携帯・ネット関係の固定費がやたらと高いからなぁ。そこは見直しが

必要かな・・・。無駄遣いはもともとあんまりしない方だけど、今後も身を

引き締めて、老後の為にも、今から貯金頑張ろうと戒められた作品でした。