ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

「ミステリなスイーツ 甘い謎解きアンソロジー」(双葉文庫)

この豪華な寄稿作家で、テーマが「スイーツ」となれば、読むしかありませんよね。

という訳で、結構な予約数がいたので大分待ちましたが、ようやく手にすることが

できました・・・が、蓋を開けてみたら・・・

 

全部既読

 

でした・・・えぇ。そんなことある!?って思いました・・・^^;;

今まで、いろんなアンソロジー読んで来たけど、寄稿作全部が既読だったのって、

さすがに初めてかも。全部読んでたとわかった瞬間(その時点で三作目の

畠中さんを読んでいた)、もう返しちゃおうかな、とも思ったけれど、まぁ、

全部が全部読んだの昔だし、再読しちゃえ!と結局全部読み切りました(笑)。

懐かしい作品ばかりだったので、懐かしいキャラたちに再会できたのも嬉しかった

ですしね。

せっかく読んだので、全部再読だけど、一応軽くそれぞれに感想を。

 

坂木司『和菓子のアン』

そうそう、アンちゃんの最初はこんな感じだった~、と懐かしかったです。立花

さんとは、最初の頃ってこんな険悪な感じだったんだっけ、とびっくり。あと、

椿店長の裏の顔もすっかり忘れていて、二重にびっくりだった(笑)。

 

友井羊『チョコレートが出てこない』

『スイーツレシピで謎解きを』収録の一作。この吃音の主人公と、保健室の美少女

のキャラ、どっかで読んだなぁと自分の記事検索したところ、思い出しました。

これ、めっちゃ好きな作品だったんだよね。美少女のツンデレなところがたまらなく

好みで。真雪君のキャラは、ザ・漫画のヒーロー!って感じですね。ま、スイーツ

蘊蓄部分は変な子だけどw

 

畠中恵『チョコレイト甘し』

アイスクリン強し』の中の一作。自分には何の落ち度もないのに、せっかく

パーティのために作ったたくさんの料理を、ならず者たちにダメにされてしまう

真次郎が気の毒でならなかった。出て来るお料理は、明治の人々にはどれもが

新鮮だったでしょうね。沙羅さんの不機嫌の理由に気づかないニブさには困った

ものですけどね。最後、みんなで協力して、真次郎の為に新たに料理を作り直そう

と奮闘する場面には胸が熱くなりました。

 

柚木麻子『3時のアッコちゃん』

アッコさん、久々に会えて嬉しい。やっぱり、柚木さんの作品の中では、この

シリーズが一番好きかも。会社の会議で出張お茶会というのもなかなかすごい

イデアだと思いました。三智子が、アッコさんの影響で、少しづつ強くなって

成長して行くのがわかるところがいいですね。アッコさんって、ほんと、

改めて不思議で魅力的な女性だなぁと思わされましたね。

 

若竹七海『不審なプリン事件』

『御子柴君の甘味と捜査』からの一作。なぜか長野県警から東京に行かされる度に

おみやげのスイーツを買って行かされる哀れな御子柴君。結構理不尽な目に遭う

ことも多くて、ちょっと気の毒なんですよね。若竹さんらしく細やかなな伏線が

効いてますね。でも、ちょっと複雑なので、毎回頭が混乱するのですが(アホ)。

最後に出て来た小林警部補がいい味出してますね。ちょこっと出て来てすべてを

持って行くっていう美味しい役どころでね(笑)。