ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

金城一紀「友が、消えた」(角川書店)

待ちに待った金城さん最新作。なんとなんと、13年ぶりの新作だそうな。

ちょっと前に読んだアンソロジーに収録されていた『対話篇』の短編久しぶりに

再読して、新作読みたいなぁと思っていたところだったので、図書館の新着情報

の中に本書の書名を見つけた時はかなり興奮しました。

良かった、筆折られてなくって、と嬉しかった。どんな作品でも、新作が読める

のはめちゃくちゃ嬉しいと思っていたので、読むのをとてもとても楽しみにして

いました。しかも今回書き下ろしだそうですし。やっと作家活動される気に

なったってことですから(連載してたものがやっとまとまった、とかだと大分

昔に書かれた可能性もあるから)。

それが、まさか、まさかのゾンビーズの新作だったとは・・・!!!!!いや、

実は途中まで気づいてなかったんですけどもね。でも、みなかた(南方)って

名前、なーんとなく聞き覚えがある・・・?と思って。でも、他のメンバー

全然出て来ないし、あれ?みたいな状態でずっと読み進めて行きました。でも、

高校時代にめちゃくちゃやってたとか親友が亡くなったとか、すごい強い友人が

いるとか、ヒントはあちらこちらに散りばめられていたので、やっぱりそうだと

途中から確信が持てました(遅)。

ただ、南方は大学生になっていて、他のメンバーとも全くコンタクトを取って

いないので、ゾンビーズシリーズっていうよりは、新シリーズ始動って感覚が

近いのかなと思いましたね。いや、始動って、私が勝手にそうだといいなと思ってる

だけですけど(いや、そうであってくれ)。

というわけで、今回は南方一人で依頼人のお願いに応える形。依頼人とは何の

関係もなく(ただ同じ大学に通っているってだけ)、報酬がもらえるわけでもない

けれども、何とか困った人の力になろうと最大限奮闘するのが、ゾンビーズ

メンバーならではですね。

なんか、雰囲気大分変わっていて、随分ハードボイルドよりになっていましたけど。

南方って、こんなに強かったっけ?他のメンバーとの約束の為に、必死で強く

なろうとした結果なんだろうなぁ・・・。

高校生だった彼らの、無鉄砲な若さとバカバカしいほどの無邪気さが失われて

しまったのは、少し残念だったけれど。

南方は今回、たった一人でも誰かを助けることが出来た。それでも、まだ彼らとの

約束は果たせたとは云えないんだろうな。きっとみんな、それぞれが約束を果たす

為に、それぞれの道で奮闘しているんだと思う。きっと彼らが再会する時が

いつか来るはず。スンシンやアギーはどうしているのかな。そしてわれらが山下

君は。それぞれのその後もぜひ読んでみたいけど、南方だけでも大学内での

依頼が耐えなそうだから、続きはいくらでも書けそうに思えるな。

依頼人の結城のキャラも良かったですね。南方のいい友達になれそうだけど、

どうなんだろう。でも、彼の消えた友のやったことは許しがたかった。消えざる

を得なかった理由には、自業自得としか思えなかったです。今後はちゃんと

罪と償って両親を泣かせないようにして欲しいですね。

南方の鍛錬の師匠たちのキャラも良かったですね。みんな強すぎ・・・。りつは

今後ヒロインっぽい扱いになりそう。絶対南方のこと好きだよね(笑)。

最後の、恭子さんが語った彼女の過去に関しては、最近芸能界で起きたN君事件を

彷彿とさせられて、なんともいえない気持ちになりましたね。昔から芸能界って

そういうところだってことは、まことしやかに噂されて来たけれどね。

 

いやー、とにもかくにも、新作が読めたことだけでもう、大満足だった。

ま、欲を言えば、メンバーフル出場の作品が読みたかったけれども。

一作目からめっちゃ読み返したくなりました。

ギョーザ大好きーー!愛してるぞ山下ーーー!って叫びたいーーー!!!

やっぱりこのシリーズは、青春小説の輝ける金字塔の一つだと思うな。