ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

青柳碧人「令和忍法帖」(文藝春秋)

青柳さんの新作。令和の時代に密かに警察から密命を受けて活躍する忍者たちを

描いた連作集。最近フジテレビかけると、しょっ中映画『アンダーニンジャ』

のCM観るんですよね。内容全然知らないんだけど、あれに出て来る忍者たちも

こんな感じなのかな~とか思いながら読んでました(全く見当外れだったら

ゴメンナサイ^^;)。

まぁ、こっちは警察の組織に組み込まれているって設定なんですけど。忍者

流行りなのかなぁ?忍者カフェだか居酒屋が流行ってるとかテレビで観たことあるし

(外国人観光客に人気らしい←わかりみ)。

出て来る忍者たちは、普段は普通の会社員だったり、イタリアンの料理人だったり、

キャバクラ嬢だったり、小学生だったりと、それぞれに平和で平凡な日常を過ごして

います。ただ、ひと度警察から事件の連絡が入ると、持ち前の忍者技能を駆使して、

事件解決に奔走する。それもそのはず、彼らは警視庁警備企画課初犯罪対策係、

通称マルニン所属の甲賀忍者なのです。司令塔の白神蝶三郎は、事件の性質を

踏まえて、その任務に相応しい忍者を選んで司令を送る。手足に微細な毛が生えて

いることで、どんなところも上ることが出来る木陰良則。相手の懐からものを

抜き取る「懐中殺」の使い手・雲川セイラ。どんな毒を接種しても死なない

特殊体質を持つ赤味敦彦。卓越した手裏剣の使い手であり、くノ一の一ノ坂はるみ、

長時間の潜水術に長けている小岩瀬新八。最強の忍者集団が、特殊技術を駆使

して事件を解決に導いて行く。

それぞれに個性的なキャラで、なかなか面白かったです。青柳さんだから、ちゃんと

ミステリ的な要素も組み込まれているし。普段は全く接点のない彼らですが、

事件を通して協力し合う場面なども多く、甲賀忍者の生き残り同士の絆の強さ

も感じられるところが良かったですね。まぁ、ちょいちょいツッコミ所もありました

けどね。日本銀行の地下にあんなモノが隠されているとかね。んなバカな!って

言いたくなりましたよ^^;三億円事件の背後に忍者が関わっていたとかね。

でもまぁ、そのトンデモ設定が逆にエンタメ性を高くしていて、面白かったです

けどね。最後の敵は、長く甲賀忍者の宿敵である伊賀忍者軍団。セイラを拉致した

人物の正体には驚かされましたね。でも、最後は収まるところに収まって良かった。

セイラの、片目が赤いという設定に、八雲かよ!とツッコミたくなっちゃった(わかる

人だけわかってくださいw)。しかし、小学生でスリの名手って設定どうなのよ。

もっと他の技能を与えてあげてほしかった^^;

今までの青柳作品とはまた違った読み心地で、新境地って感じがしましたね。ミステリ

よりはエンタメ色の強い一作って感じだったかな。