ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

倉知淳「猫の耳に甘い唄を」(祥伝社)

倉知さん最新作。タイトルから、猫ミステリーなのかな、と想像して、読むのを

楽しみにしていました・・・が、読めども読めども、猫が全く出て来ない。と

なると、このタイトルの猫は、もしや登場人物の中に猫丸先輩がいるのでは

・・・とか、変に深読みしそうにすら、なってしまった。

・・・が、しかーし!結局、最後まで読んでも、猫はどこにも出て来ませんでした。

当然ながら、猫丸先輩も出て来ません!(そりゃそうだろw)。では、なぜこの

タイトルなのか?・・・その答えは、最後の1ページに言及がありますので、

そちらをご確認下さいませ。なんだよ、もーーー(脱力)。絶対、この意味深な

タイトルに意味があると思ってたのになぁ。

冒頭に、作者によるある注意書きがあります。まぁ、そこを読んだとしても、

このトリックを正確に読み取れる人は、なかなかいないんじゃないかなぁ・・・。

いや、逆に、ミステリ好きなら気づく人も多いのかな?私は、素直に読み進めて

しまったけれど。<犯人の書いた文書>の意味を完全に読み間違えていたなぁ。

ただ、出て来る殺人事件の犯人の候補は、だいたいの人が二択に絞れるんじゃ

ないかな。終盤のどんでん返し部分は二転三転するけれど、さほどの驚きは

なかったな。その前の、<犯人の書いた文書>の真相がわかった時の方が驚いたかも。

とはいえ、そこも割とミステリではよくある手法ではあるので、作者が意図した

ほどの衝撃があったと言われると・・・うーん・・・って感じではありましたけど。

最後の最後にもう一度くらいひっくり返されるのかも?とドキドキしながら最終

ページをめくりましたが・・・さすがにそれはなかったですね。違う意味で、

ラストで脱力させられたところはありましたけど^^;犯人逮捕時の光景を

脳内イメージすると・・・めっちゃシュールです。作中のキャラクターからは

ちょっとイメージ出来なかったなぁ。

作中で、度々主人公の冷泉の部屋が寒いという表記が出て来るので、絶対そこは

伏線だろうと思って読んではいたのですが、その理由は、思っていたのとは全く

違っていました。え、寒かったのって、そういう理由!?って驚かされました。

そこは完全に作者のミスリードに嵌まってたって感じでしたねぇ。

倉知さんだし、全体的にもう一捻りほしかったなぁ。メインで出て来る登場人物も、

主人公の冷泉にしてもアシスタントの久高にしても、どっちも好感持てなかったしね。

確かに、作品自体に仕掛けは施されているけれど、思ったほどの衝撃もなく、

なんだか肩透かしな印象は否めなかったな。出版社の帯の煽りもちょっと大げさ

過ぎたのではないかなぁ。

内容と全く関係ないけど、タイトルと表紙の猫ちゃんのメルヘンっぽい絵が一番

好きだったかも(苦笑)。猫好きさんが期待して買ったら、かなりがっかりするんじゃ

ないだろうか・・・^^;