
加藤さん最新作。いろんな人の視点から語られる群像小説。いや、実は一話目
読んでる時点では、一話目の主人公あやが多重人格者で、彼女の他の人格がひとり
づつ出て来て彼女について語って行くとか、そっち系の小説かな、と思ったん
ですよね。みちるの存在が彼女の他人格かと思ったんで。でも、二話目三話目と
進むうちに、思ってたのと全く違う話になったから、かなり戸惑いながら読んで
ました。登場人物は重複してるんだけど、読んでも読んでも、どうにも物語の
方向性が見えてこなくて、一体自分は何を読まされているんだろう、と首を
かしげるばかりでした。中盤以降、どうやらキーパーソンはあやではなくて、
まりなの方だった、と気づいたんですけども。ただ、まりなのキャラも、一話
ごとにブレがあって。なんか、全然掴めないキャラクターって感じでした。
一体彼女は何がしたかったんだろう?愛について考えて、何で経営のオンライン
サロン?だいたい、愛と経営のオンラインサロンって何だよ。両立すんのか、それ。
もう、いちいち行動がツッコミ所満載すぎて。同じオンラインサロンに出入り
してたってだけで共感覚えて、メッセージくれた仙台の女の子に会いに行っちゃうし。
行った結果、散々な目に遭ったしね。そもそも、一話目でのあやの前での言動も
わけわからなかったしね。行動が突飛過ぎて、全然ついていけなかったです。
あやの大事なみちるを燃やしただけでも、かなりの犯罪行為だし。群像形式なので
一話ごとに主人公が変わるのですが、誰ひとりとして共感できる登場人物が
いなかったのも痛かったですね。誰にも共感できず、リアリティも感じられず、
一体加藤さんはどうしちゃったんだ、と思いましたね。話がとっ散らかりすぎ。
愛について書きたかったみたいだけど、申し訳ないけど、全然伝わって来なかった。
あやがぬいぐるみのみちると話せるって設定は一体何だったんだ。なんか、
いろいろ消化不良のもやもやが残った感じ。
加藤さんの小説はそれほど読んでる訳じゃないけど、今までで一番理解出来なかった
し、私には合わない作品だと思いました。
ラストも衝撃な展開になって行くんだけど、なんか唐突感あったしね。最後は
無理矢理まりなに愛を信じさせる展開に持って行ったって感じ。心配してくれる人
がいて良かったね、みたいな。
ちなみに、ミアキスというのは犬と猫とかいろんな動物の祖先で、『動物の母』
という意味があるらしい。そこから進化して行って、今の動物たちに繋がるそう。
そこは勉強になりました(すぐ忘れると思うけどw)。
シュールな表紙とか、各話の扉に人物相関図のイラストが入ったりする装丁は
美しくて良かったですけどね。気に入ったのはそこくらいだったな^^;