
シリーズ第6弾。主人公の一葉が亡き祖母の代わりに連句の会『ひとつばたご』に
通い始めて早くも二年半。連句のおかげで縁がどんどん繋がって、今回一葉は、連句の
大会で知り合った大輔さんの写真の雑誌に父と共に協力することに。出来上がった
雑誌は、創作文芸サークルの大きな即売会「文芸マーケット」で売り出すのだと
いう。雑誌には、父が若い頃に撮った坂道の写真を載せることになり、写真という
共通の趣味から、父と大輔さんは気が合っているようだった。一葉のイラストも
載せることになり、大輔さんとの打ち合わせも増えて行った。雑誌作りや、文芸
マーケットへの参加を通して、一葉は自分が本当は何がしたいのか、この先のことを
少しづつ考え初めて行く――。
他人の創作活動を目の当たりにすることで、自分の今後の活動に関して考え始めて
しまう一葉。私にしてみれば、一葉も十分創作活動で実力を発揮していると思う
んですけどねぇ。ポップ作りの時からセンスあった訳だし。とはいえ、プロでやって
いる人と比べると、やっぱり中途半端な立ち位置に思えちゃうのかな。
大輔さんとお父さんの関係がとてもいいですね。新旧の坂道を集めた写真集、
ちょっと見たくなりました。お父さんが書いたエッセイも素敵だった。青春時代~
って感じで。一葉とお父さんも、普段話せない会話があったりして、親子の関係
も少し仲が深まったように感じましたね。
ひとつばたごの連句会のシーンは、今回もほっこりさせてもらえました。同じ連句
の会でも、きりん座の人間関係は問題人物がいるせいか、ぎすぎすしていて、
こんな人間関係でいい連句が作れるのかな、とちょっと疑問に感じてしまいました。
男女が集まると、やっぱりある程度の恋愛のこじれ問題が発生しちゃうものなん
ですかね。ひとつばたごがそういう場所じゃなくてよかったです。今となっては、
完全に一葉の大事な居場所のひとつになりましたからね。参加している人たちが
みんな、いい人ばかりだから、きりん座のようなトラブルは起きそうにないです
けどね。
一葉には今のところ全く恋愛方面の動きはなさそうだけど、前作から今作の流れで、
大輔さんといい雰囲気になっていったりするのかな?と思えなくもない。大輔
さんだったら、父親も安心するだろうしねぇ。今後の展開に注目ですね。
今回も素敵な連句がたくさん出てきました。別々の人物が作っているのに、ちゃんと
全部通して読むと繋がっているように思えるのがすごい。この辺りは、捌き(どの
句を採用するか選ぶ人)の力量もあるのでしょうね。短い言葉の中に、ひとつの
ストーリーが出来上がるみたいに思えるところが連句の素敵なところだなぁと
思いますね。まぁ、自分だったら、時間内に一句も出来ずに終わりそうですけど
・・・(その手の才能は相変わらず微塵もないのであった・・・)。
今回も、一葉の世界が少しづつ広がって、成長して行くところが伺えました。一歩
づつ、前進して行って欲しいな、と思います。