ミステリ読書録

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坂井希久子「星合いの空 江戸彩り見立て帖」(文春文庫)

江戸版カラーコーディネーターのお彩が活躍するシリーズ第四弾。苦手な時代物

ですが、このシリーズはほんと読みやすいし、江戸時代の色合わせが面白くて、

あっという間に読み切ってしまいますね。きっぷの良いお彩さんの性格も好き

ですし。今回は、お彩が働く塚田屋のライバル、相模屋にも才色兼備の色見立て役

が置かれることになり、お彩との直接対決が勃発することに。果たして、お彩は

彼女に色見立てで勝つことができるのか?というのが大筋。二人が戦うテーマは

七夕。タイトルの『星合いの空』とは、織姫と彦星が一年に一度会える七夕の星空

のことを指すらしい(グーグル調べ)。お彩さんのライバルは強敵でしたが、

戦いが終わった後、あっさり退いてしまったのには拍子抜け。才能あるのに、

勿体ない。本人は才能があること自体にも執着なさそうでしたけど。まぁ、この時代

なら、こういう終わり方でも仕方がないのかな。多分、お彩さんの身分の方が稀

なんでしょうし。25歳で行き遅れと言われてしまう悲しさ。

塚田屋のダメ主人・刈安のお彩さんへの言動には、今回もイライラムカムカさせ

られました。でも、お彩さんには全く効いてないところが頼もしい(笑)。しかも、

その刈安でさえ苦手で逃げ出したくなる人物が今回登場しますし。刈安がたじたじ

になっているのが面白かった(笑)。しかし、お彩さんは、そのラスボスにさえ

怯むこともなく、堂々と対応していて、大したものだと思いましたね。今だったら

職業婦人として大いにもてはやされたでしょうに、この時代だと女性っていうだけで

なかなかその技術を認めてもらえないのだから、やりきれないなぁとも思うけど。

それでも、塚田屋の奉公人たちには、少しづつ認めてもらえて来ていて、味方に

なってくれる人も増えて来ているようなのでほっとしました。右近のおかげも

あるのかな。その右近の過去も少し明らかになりました。長兄の右近に対する

態度には腹が立って仕方なかったです。いないものとして扱うなんて。まだ、刈安

のように蔑む方が人間として扱っている分ましだと思いました。でも、お彩さんの

今回の活躍のおかげで、それも今後は少しづつ変わって行くのかな。何より、

大ボスである三兄弟の父親が認めてくれたんだしね。

お彩さんとお千代さん、ライバル2人の七夕の見立て、どんなものか見てみたく

なりました。江戸版ファッション対決、面白かったです。