ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

長岡弘樹「新教場2」(小学館)

教場シリーズ最新作。前作から思ってたけど、この表紙のイラストって、絶対

キムタクに寄せているよなぁ・・・映画プロジェクトありきの作品みたいだから、

仕方がないとはいえ。一作目から追いかけているファンとしては、なんだかなー

って気がしなくもない。まぁ、今となっては、作品読んでてもキムタクの顔で

読んじゃってるところもあるだけどさ。映像化のビジュアルの印象ってやっぱり

強いよなぁ。

風間の右目を千枚通しで襲った犯人・十崎を逮捕したのは、かつての風間教場の

教え子たちだった。警察学校の四方田から、風間は、逮捕に貢献した風間教場

出身の刑事たちを六人選んで、月に一人づつ道場に招いて、現在の風間の教え子

たちに特別講義を行ってもらったらどうかと提案される。了承した風間は、六人

の教え子たちを選び、講義を受け持ってもらうことになったのだが――。

 

風間のかつての教え子たちが一人づつ登場して、現在の風間門下生たちに講義を

することになるのですが、各作品で現在の教え子たちが一人づつ主役を務める

構成はいつもと変わりありません。今回も、同期同士の落とし合いに暗澹たる

気持ちになりましたねぇ・・・警察志す人間って、こんなに同期に対してライバル

バチバチなやつばっかりなの?^^;そりゃまぁ、いざ警察官になったら、

同期を蹴落としさないと昇進とか出来ないんだろうけどさ。まぁ、最後まで読むと、

風間が生徒たちに一番教えたいことは、それじゃないってことがわかりますけどね。

 

では、各作品の感想を。

第一話『会話のトンネル』

岩国と郷村の関係には驚きました。名前にヒントがあったとはね。郷村の母親が

ちょいちょい出て来るのは、何かあるんだろうなぁとは思ってましたが。しかし、

いくら何でも、警察学校で出会うのは無理がありすぎないか?^^;

 

第二話『不作為の鏡』

いくら1ヶ月間鏡を全く見なかったからって、自分の顔の変化に全く気づかない

ってあるのかな。手で触ったりしても感覚違うのわかると思うし。そもそも、

他の同期の誰かが気づいてくれなかったのかなぁ。対面で会話することもあった

だろうにね。まぁ、手遅れにならなくて良かったよ。

 

第三話『遺恨の経路』

女同士で男が絡むとやっぱり遺恨が残るよね・・・彼氏を盗られて平気でいられる

はずがない訳で。でもさ、男も男だと思うんだよね。男の方にも天誅が下らないと。

しかし、陰湿な復讐のやり方だなーと思いました。もし、相手の思惑通りになって

いたらと思うと・・・ゾッとしますね。何でもお見通しの風間がいて良かったです。

 

第四話『黒白の極性』

警察官を志す人間がパチンコ依存症はまずいよね・・・ましてや、◯◯(犯罪の

種類)なんて絶対ダメでしょう。とはいえ、昨今のニュースでも同じような

犯罪で警察官が捕まってるのはちょいちょい耳にしますからね。警察学校で

そういう犯罪予備軍は振り落としてもらわないと困りますね。

 

第五話『犯意の影法師』

食べる訳じゃなくても、こんなことだけで食中毒にかかることがあるんですね。

◯◯◯って怖い・・・素人が手出したらダメとは言われる食材ですけども。

ライバルを蹴落とす為にこんなことまでするなんて。直接の原因になってしまった

◯◯◯好きの小泉が気の毒でした。自分が意図したことではないとはいえ、

自分の行為で食中毒を引き起こしてしまったことになる訳ですからね。

 

第六話『金盞花の迷い』

冬和子の本心を見抜いた風間はさすが生徒のことをよく見ていますね。優秀な

冬和子を失うのは、風間自身も苦しかったんじゃないのかな。でも、警察官の

適性をきちんと見定めていたんでしょうね。風間のおかげで、冬和子の呪縛も

解けたのではないでしょうか。きっと、花好き同士通じるものもあったんでしょうね。

結局総代争いでトップになったのは意外な人物でしたね。人間、ちょっとした

きっかけで意識が変わって、グンと伸びることがあるって典型じゃないでしょうかね。