ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

恩田陸「酒亭 DARKNESS」(文藝春秋)

前作は喫茶店にまつわるホラーだったけど、今回は居酒屋にまつわるホラー話

を集めた短編集。居酒屋とホラーって、組み合わせ的に全然マッチしてそうに

ないけど、恩田さんにかかると、ちゃんとホラーめいたお話になっちゃうんだな、

コレが。お酒を飲みながら、ほろ酔い気分でホラー話。気のおけない仲間とだから

いいのかもしれないですね。

前作同様、ほぼ出て来るお店にはモデルがあるそうです。わかる人にはわかるの

かも?出て来る地域も様々なので、地元が出て来る人もいるかもです。

13編も収録されているので、すでにどれがどれだかわからなくなりつつあります

が・・・(トリ頭^^;)。

簡単に各作品の短いあらすじを(個人的な備忘録のため)。

・毎日一定の時間に席のひとつを開けておかなければいけない居酒屋の謎とは?

・M橋商店街のハモニカ横丁で聞いた『近寄るな』のお告げの意味とは?

・昭和94年と書かれた日めくりカレンダーが貼られた居酒屋は実在するのか?

・「鈴が鳴ったら、風を除けろ」と沖縄の親戚のおばさんから忠告されていた男。

 ある日、鈴が鳴り、やってきたモノとは?

天守閣でなぜかご飯の炊ける匂い嗅いだ。その後、高校時代の友人のことを

 思い出した――。

フェーン現象を怖がる店の主人。フェーン現象が起きる時は、戸を開けては

 いけないと祖母から言われたというが。

・芸鼓さんのいる店で三味線の音を聞き、思い出したのは母と話した「二口女」の

 話だった――。

・長崎の小料理屋で後ろから強烈な視線を感じた。振り返って見えたものは――。

・長崎には、スイーツのフルコースを出すお店がある。しかし、その正体は――。

日光東照宮の家光の墓の真実とは。

・よく行く夫婦二人で営む近所のレストランが閉店するという。白いワンピース

 のマダムのいる、その店の閉店の真の理由とは。

通天閣ビリケン像には他の目的がある?日本には八百万の神がいる――。

・昔、表札を盗んだ男は、数十年が経ち、またかつての過ちを繰り返しているのか?

・亡くなった俺たち兄弟の叔母・キミコ姉ちゃんが遺した、豪華寝台列車ななつ星

 に纏わる暗号の意味とは?

 

舞台が居酒屋じゃないものも結構あります。スイーツのフルコースのお店とか。

ラストなんて豪華寝台車の中だし(笑)。まぁ、居酒屋というより、お酒を出す

お店ってくくりなのかな?スイーツのやつはお酒出てたか忘れちゃったけど^^;

最後のななつ星のやつだけ、横書きで最後のページから遡る形で収録されて

いるのだけど(横書きだからこの形で収録したんだと思うけど)、読めばなぜ

横書きなのかはわかると思います。後ろ側から収録しなくても成立はすると思う

けど・・・。暗号解読ものなので、一番これが面白かったかも。病の中、おば

さんがこれに気づいて微笑んでいる姿が浮かんで、胸が締めつけられる気持ちに

なりました。あと、M橋商店街の『近寄るな』のお告げの意味も面白かった。

声が聞こえたのがなぜなのかはわからないままでしたけど(自分の心の声だった

のかな~)。

短いので、さらっと読めて良かったですね。その分記憶に残りにくいと思うけど^^;

イマジネーション豊かな恩田さんらしい作品集だと思いました。