ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

早見和真「さらば!店長がバカすぎて」(角川春樹事務所)

シリーズ第三弾にして完結編・・・なのかな?山本店長をネタにした二冊の本が

大ヒットし、京子が勤める<武蔵野書店>吉祥寺店本店は、店長目当てに働きたい

とやってきたスタッフばかりになった。唯ひとり京子と共に本の話と店長の愚痴を

言い合えた、戦友とも言える同僚の磯田さんは、あっさり結婚して辞めてしまった。

古株の京子は、店長派の新しいスタッフと折り合いが悪く、孤立しがちだった。

特に、猫娘のような風貌の花岡苺からは、なぜかいつも敵対視されていた。苺は、

勤務初日から、京子に、自分を文芸担当に変えて欲しいと訴えてきた。彼女の言動を

見ていると、相当山本店長に影響を受けているようなのだが――。

 

うーん・・・。今回もイライラムカムカシーンがいっぱいありましたね。なんで、

本のモデルになったくらいで、山本店長の信奉者があんなに次から次へとスタッフ

希望して来るのか意味不明。作中作に出て来る山本店長がよっぽどいい店長として

描かれているのかわからないけど、もし、あの人物像そのまま投影したような

性格だったら、そんなにファンになる要素ないと思うんだけど。てか、私だったら

どう考えても京子に肩入れすると思うけど。今回も、ズレた言動ばっかりで

辟易させられたし。まぁ、書店の未来のことを思っていることは伝わって来る

んだけどさ。でも、幼稚園児の遠足先を書店にするって、しかも雨の日で外遠足が

出来ない代わりにって、あり得ない発想ですよね。雨でびちょびちょになった

子供たちが書店内を駆け回るとか・・・本にとって一番ダメじゃないか。子供たち

に本の面白さを伝えることは大事だと思うけど、やり方間違ってるだろ、と

ツッコミたくなりましたね。

しかし、今回の作品、ツッコミところはそれだけではありません。一番私が

理解出来なかったのは、京子の恋愛感情です。一作目で、何となく芽生えていた

店長への恋心が、二作目では全く消えたようになっていて、もう店長に対する

感情は戦友みたいなものになってるんだろうな、と思って納得していたところに、

本書の4話の終わりで、あまりにもベタなシーンから再び恋心が再燃。え、そんな

ことで?今まで、あんなにバカにしてた人間に対して?って呆れつつ、やっぱり

京子の中には店長への想いがあったんだなぁ、乙女だなぁと少し微笑ましく思って

いたのに・・・のに!!!何、次の話。何アレ。何あの展開!?ってか、お前

ダレだよ!何なんだよぉぉぉーーーーーっ!!!と叫びたくなる展開に。しかし、

あまりにも意味深な見た目だし、名前だし、で、きっと何らかの仕掛けがあるんだろう

と信じてました。今まで、いろんな仕掛けを施して来た早見さんだし。デンマーク

という共通点だって伏線としか思えなかったしね。

 

 

 

以下、ネタバレありです。結構怒ってます(笑)。

未読の方はご注意ください!

 

 

 

 

 

 

 

 

いや、てっきり、桃田は京子のイマジナリー恋人か、山本店長の違う顔か、

どっちかだと思ってたんですよ。だって、共通点多すぎじゃない?あと、

アナグラムも。いくら何でも、こんな偶然あるわけないじゃんか。それに、

京子は、あんなに店長のこと意識しまくってたじゃん。まさか、まさか、

ほんとにあのタイミングで新しい恋人ができるなんて思わないじゃんか!

ラスト一話で、桃田と店長はやっぱり全く別の人物だとわかった時の絶望感よ。

私は、一体何を読まされてたんだ?ってがっかりでしたよ。何の伏線もなかったよ!

一冊の本の背表紙を同じタイミングで手にしたからって(そんな大昔の少女

漫画みたいな出会いしたからって)、あっさり山本店長への恋心も吹っ飛んで、

新しい男に走るとは・・・(絶句)。

まぁ、確かに、山本店長よりかは遥かに幸せになれるとは思いますよ。桃田、

めっちゃ優しくていい人そうだし。それは間違いないけどさ。今まで読んで

来た読者置いてけぼりで、こんな終わり方はないよ。あんまりだよ。

もう、ほんと、なんだよ、この終わり方って思いました。

あと、山本店長主役の三作目の作家の正体も、マンネリとしか思えなかった。

さすがに、三回目はやり過ぎでしょう。毎回作家変えて続編出るってのも

意味わからないしね。

これで完結とは。個人的には、今年のワーストにしてもいいくらい、最悪

の読後感でした。万が一続きがあっても、もう読む気になれんわ。

ほんとに、バカすぎた終わり方でした。あれ、もしかして、これを狙ってた?

読者がそのままタイトル叫んで終わるっていう?

まんまと乗っかってるじゃん、私!

だとしたら、めちゃくちゃすごい作家かも。