
タイトルが面白いので気になって予約してあった作品。予約してたことを忘れかけて
いた頃にゆきあやさんが記事に上げてらして、面白そうだったので読むのを楽しみ
にしていました。読んだのは昨年で、記事も大分前に下書きはしてあったんだけど、
上げるまでに大分時間が経ってしまった^^;
タイトル通り、太宰治の『走れメロス』をオマージュし、ミステリ仕立てにした
連作集。ユーモア満載で、何度もくすりとしながら読んでました。
なかなか面白い趣向の作品でしたね。メロスのキャラって、こんなでしたっけ?
って首を傾げることが多かったけど^^;
元ネタは高校だか中学の国語で読んでる筈ですが、細かい設定とか忘れちゃってて、
どこが原作通りで、どこが改変されているのかとかいまいちわからなかったですね。
まぁ、メロスがセリヌンティウスの命の為に走るっていう大まかなストーリー
以外はほとんど五条さんのオリジナルなんでしょうけど・・・(妹の結婚式の為に
親友を身代わりにした、とかその辺りの設定はそのままかもですが)。
面白かったのが、元ネタにも出て来る登場人物以外の脇役キャラたちの名前の
付け方。メロスの妹だったらイモートア、妹の結婚相手だったらムコス、ムコス
の父親ならギフスだったりしてて、適当だな~と思いつつ、カタカナ名でも
すごく誰だかわかりやすくて、親切だし上手いな、と思いました。あと、殺人事件が
起きた場面なら、目撃者だったらミタンデス、剣で切られて殺された被害者は
キラレテシス、犯人候補ならアヤシス、イブカシスとかね。名前だけで笑えて
しまうユーモアセンスはなかなかのものだな、と思いましたね。
連作短編形式で、一作ごとのミステリ部分もなかなか面白かったのですが、
通して読むと、前の作品がちゃんと最後に効いて来るところにも感心しました。
メロスの犯した殺人の真相とかね。おいおい、あっさり人殺しすぎだろ、と
呆れてたりもしたんですけど(それが普通の時代だったと言われたら納得は
出来ますけど)。セリヌンティウスのイマジナリー、イマジンティウスの正体
にはびっくりしたけど。てか、メロスも気づけよ・・・とツッコミたくも
なりましたけどね^^;
一応メロスが探偵役なんですけど、後ろで助言してくれるイマジンティウスの
存在が結構重要なんですよね。最後読むまでは、イマジナリーな存在なんだから、
結局はメロス自身のひらめきで推理していると思ってたんですけど・・・まさか
の真相にひっくり返されましたね。
いろいろとツッコミたくなる場面も山程ありましたけど、そういう部分はスルー
して楽しむべき作品なのかな、というか、そういうツッコミ所があるからこそ
面白い作品と言うべきなのかも。
この手のユーモアミステリは大好物なので、楽しく読めました。ちょっと他の
作品も読んでみたいかも。