
ちょっと前に読んだ『名探偵再び』は個人的には微妙な評価だったんですが、
こちらは世間的にもブロ友さんからの評価も高かったので、結構期待しながら
読みました。
舞台設定がフランス革命後の中欧からスカンジナビア半島に突き出ている
半島(継水半島)の小国ということで、人名・地名等のカタカナ乱立の文章に
若干慣れるまで時間かかりました・・・(海外もの苦手人間なもので^^;)。
ただ、人物関係等はそれほど複雑ではないので、思った程には苦戦しなかった
かな。登場人物はそれなりに多いのですけども。
殺人事件の容疑者も少ないので、謎自体がシンプルですし。それだけに、どう
ミステリーとして成立させるかが難しかったとは思うのですが・・・なるほど、
評価が高いのも頷ける出来でしたね~。容疑者が特定されたにも関わらず、まだ
まだページが残っていたので何かあるとは思ってましたが・・・そこからの
ドンデン返しはお見事でしたね。
ただ、事件の真相のほとんどが当事者の書簡によって明らかにされるというところは、
個人的にはあまり好みではなかったのですが。一部がそれとわかるくらいなら
いいのですけどもね。最後は書簡のやり取りしか出て来ないので・・・(それも、
最後の書簡は不発だったし。せめて相手に届いてほしかった)。
世界観は皆川博子さんのエドワード・ターナーシリーズみたいな感じかな。
主人公とD伯爵の関係が良かったな。D伯爵のキャラは一番好きでしたね~。
こういう主なら従いたくなりますよね。主人公の窮地に二回も駆けつけて
くれて、なんて素敵な主なんだ!と胸が熱くなりましたね。好奇心旺盛で
茶目っ気のあるところも好感度高かったですしね。
キーパーソンとなる三つ子のキャラは、主人公が最初に出会ったナガテ以外の
二人のキャラがちょっと薄くて、どっちがどっちかあまり区別出来なかった
ところが勿体なかったかな。
最後の最後で明らかになる手紙の主の正体に関しては、途中で明らかに怪しい
伏線があったので、ああ、やっぱりあの部分が伏線だったか、と思いました。
とはいえ、普通に騙されてたのですけどね・・・(おい)。
細かく伏線が張られていて、とても良く出来たミステリーだと思いましたね。
彼らの父親である吟遊詩人を殺したのは、三つ子のうちの誰なのか。それとも、
四人目の誰かなのか。容疑者の少ないシンプルな作品ですが、その真相には
いくつもの驚きと仕掛けがありましたし、動機の面でも納得が行くものでした。
ミステリー以外の部分でもちょこちょこ見せ場が出て来るのも良かったです。
三つ子と主人公の友情とか、主人公とD伯爵の友情に近い主従関係とか。
ちょっとしたキーパーソンとして出て来るリコイ子爵夫人のキャラも何気に
面白い人で良かったですしね。
これ、昨年中に読んでたら、確かに年末ランキングに反映されたかも。
お薦めされてなかったら読んでなかったかもしれないので、読めて良かったです。