ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

長岡弘樹「教場Ω 刑事・風間公親」(小学館)

教場シリーズ最新刊。風間の新人刑事時代のお話。風間の片目を失明させたあの

千枚通しの男・十崎との因縁の発端が明らかになります。なんであんなに風間に

執着してるのか、その理由が初めてわりました。っていうか、まぁ、完全に

逆恨みというか、思い込みというか・・・風間に非は何一つないのですけれど。

しかし、こんな前から因縁があったんだ、と驚かされたなぁ、風間が刑事になって

まだ間もない頃ですもん。そこから何年も何年も恨みを募らせていたとか・・・

粘着質にも程がありますね。その発端にもびっくりしたけど。単なる◯◯コン

ではないか・・・正直、気持ち悪かったな。

若かりし頃とはいえ、風間の性格はあんまり変わってなかったですね。若い頃から

冷静沈着で、何でもお見通し、みたいなところがあって。なまじビジュアルが

いいだけに、相当モテたでしょうね。刑事としても優秀だしね。そりゃ、十崎

の妹だって一目惚れするよね。それが悲劇の始まりだったのだけれど。

若い女性の連続殺人事件が物語の軸になっています。新人の風間と一緒にコンビを

組むのは、T県警富葉署の生活安全課に所属する石貫。石貫は、五年程前、自らが

講師を務めたT県警の警察学校の授業で、生徒だった風間と出会っていた。授業中、

印象に残る出来事があったため、よく覚えていた。しかし、優秀であるが故に、

石貫にとって風間は苦手な部類に入る男だった。その後、風間は異例のスピードで

県警捜査一課の刑事となっていた。T大学前の歩道で若い女性の遺体が発見され、

捜査が開始された。五年ぶりに再会した風間は、鋭い視点で過去に起きたある事件

との類似点を発見し、指摘した。相変わらず切れ者の風間に苦手意識のある石貫は、

この男とだけはコンビを組みたくないと思っていたが、願いも虚しくなぜかコンビ

を組まされることになってしまい――。

始めは風間に苦手意識があった石貫でしたが、一緒に捜査をしていくにつれて、

少しづつ風間に好意を持つようになって行きます。なんだかんだで、人として

魅力的だからなんだろうな。決して人付き合いが上手いタイプじゃないのにね。

終盤、取り調べに風間を指定した十崎との対決シーンには息を呑みましたね。

十崎は絶対何か企んでいるだろうな、とは思ってましたが。飲み物を所望した

時点で、なんとなく先が読めましたね。この取り調べの後で、多分飲み物のコップは

紙製になったんじゃないかな・・・^^;;

でも、十崎の思惑を完全に読んでた風間はさすがでしたね。まぁね、このアホな私

ですら、十崎の取り調べでのいくつかの行動は何かありそうだぞ、と思ったくらい

ですからね。風間なら最初から、すべてまるっとお見通しだったのでしょうね(苦笑)。

でも、この時は回避出来たのに、その後あんなことになるとはね・・・ううむ。

石貫と風間は結構いいコンビだな、と思いましたね。風間のようなタイプとコンビ

組むのは、誰だって劣等感とか覚えてキツそうですけどね。最終的には、そこも

超越しちゃうのが風間という男という気もしますけどもね。

十崎の妹の紗羅って、その後どうしているのかな。犯罪者の妹になってしまって、

名前(苗字)とかも変えてひっそりと暮らしているんだろうか。彼女は兄がなぜ

あんな犯罪を犯したのか、薄々理由には気づいていたのか。十崎は、大事な妹にも

一生の枷を負わせたことをどう思っているのだろう。どこまで行っても、自分勝手な

奴だな、としか思えなかったです。まだまだ謎が多いような。

しかし、このシリーズ、発表される作品の時系列がめちゃくちゃ過ぎて、なんだか

よくわからなくなって来たな。タイトルもみんな似てるしさ。どこかで、年表

にしてくれないかなぁ。