ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

似鳥鶏「新学期にだけ見える星座」(創元推理文庫)

市立高校シリーズ最新作。なんか、めっちゃ久しぶりな感じがするんですが。

っていうか、もう続編出ないのかと思ってた^^;あとがきで似鳥さんご自身も、

新刊が出る度に『これでシリーズ完結ですか?』と聞かれるとか。確かに、毎回

終わりっぽい雰囲気あるかも(笑)。前々作っでは伊神さんが卒業し、前作では

柳瀬さんまでが卒業しちゃいましたからね。本作では、一人残った葉山君が先輩

となり、新キャラの一年生コンビと謎解きに挑戦します。後輩キャラってイメージ

が強いけど、さすがに三年生ともなると、後輩を引っ張って頼もしい先輩キャラ

って感じです。とはいえ、葉山君が一年の時の伊神さんのようかと言われると・・・

キャラの違いがあるとはいえ、大分心もとない感じでもありますが^^;

前作で柳瀬さんといい感じになっていたことを、すっかり忘れていて、本書の

二人の関係に大分戸惑いを覚えてしまった。柳瀬さんの態度は想像通りなんだけど、

葉山君も全然それに照れたりしないのがちょっと意外だったな。まぁ、仲良しで

何よりです。

本書で初登場の中内君と岩境さん、なかなか個性的なキャラクターですね。中内君は、

かなりの上流階級の家の子にしては、それを鼻にかけたりせず、対人面では割と普通の

感覚を持った感じの子(でも、ちょいちょいお金持ちの子っぽい言動は

滲み出たりしてるけど)。岩境さんに関しては、コミュ障だけどある特殊能力を

持つが故に、言動がかなり不思議な子。中内君という幼馴染がいるおかげで、

学園生活を穏当に過ごせているようなところがある。中内君は岩境さんが過去に

その特殊能力のせいで辛い思いをしているのを知っているから、かなり彼女の

ことを気にかけてあげていて、良い子だなぁと思いますね。中内君がいなかったら、

孤立しちゃって居場所がなかったかもしれないなぁ。

でも、そんな岩境さんを懐かせてしまった葉山君はやはり人好きのするタイプ

なんでしょうね。伊神さんや柳瀬さんに可愛がられるくらいですからね。

二人がいない学校は寂しさもあるけれど、ちゃんとどちらも学校外で活躍します

のでご安心を。

今回は、一話目に出て来た、誰もいない部屋の中で壺が割れた『さまようツボ』

事件を最後まで引っ張ることになるのですが・・・うーむ。最後まで引っ張った

割に、この結末?ってかなり拍子抜け。似鳥さんのことだから、何らかのどんでん

返しが仕込まれているのでは、と期待していただけに、肩透かしな印象は否めま

せんでしたね。葉山君の推理も、一話ごとに二転三転するしね。やっぱり、探偵役は

伊神さんじゃないとダメってことなのかなぁ。そこはもうちょっと、成長させて

あげて欲しい気もするけどね。後輩も出来たことだしね。ま、後輩からは

慕われているから良いのだけどさ。

相変わらずあとがきの文章、改行なくてすごーく読みにくいけど、面白い(笑)。

今回の方向音痴ネタに関しては、正直、めちゃくちゃ身に覚えがあることばかりで、

穴があったら入りたくなった・・・。似鳥さんも方向音痴なのかな。親近感

湧きまくりだった(笑)。

今後は、葉山君、中内君、岩境さんの三人をメインにしてシリーズが進んで

行くことになるのかな。そこに、今回みたいに大学生の伊神さんや俳優として

活躍する柳瀬さんが絡んで来るって感じで。葉山君が市立高校に在学している

一年限定になるでしょうけど。その後は、中内君たちが引き継ぐのかな?

葉山君も卒業しちゃったらそれはもう、市立高校シリーズじゃなくなっちゃう

もんね。このシリーズの今後が気になる今日この頃なのでした(笑)。