ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

舞城王太郎「短歌探偵 タツヤキノシタ」(ナナロク社)

舞城王太郎さん最新作。ほんとに久しぶりに舞城さんを読みましたね。beckさんの

ところで紹介されていて、面白そうだと思ったので借りてみました。

久しぶりの舞城ワールド。もう、ツッコミ所満載って感じのストーリーなのだけど、

そうだ、これが舞城さんなんだよな~って、なぜか受け入れられちゃう不思議。

今回、小学生が主人公なので、いつもより大分読みやすい感じがしましたね。読点

の少ない長めの文章は健在でしたが。

テーマが短歌なので、なかなか不思議な世界観でしたが、面白かったですね。

短歌とか俳句とか、そいう才能が全くないもので、出て来る短歌がどうとかの

評価はできないのですが、実在する短歌作家さんが短歌を提供されているという

せいなのか、 舞城さんの作品に寄り添ったせいなのか、何か独特の世界観を

持った歌ばかりでしたね。

突然、あるきっかけから、何かに導かれるように短歌探偵となってしまった小学

三年生の木下龍也少年のもとに、何らかの形で天啓のように短歌が降って来ると、

そこには必ず何らかの事件が起きている。タツヤ少年は、持ち前の推理力を

生かして、短歌の中に潜む謎を解き明かして、事件を解決する――というのが

大まかなあらすじ。なぜ、小学三年生のタツヤが、突然短歌探偵になったのか、

そこの辺りはよくわからないままでしたが・・・まぁ、そういうものだと思って

読むしかありません。それが舞城ワールドなので(笑)。

何かよくわからないままにタツヤ少年が短歌を読み解き、よくわからないままに

事件が解決してるって感じでしたが、妙に納得させられちゃうんですよね。

タツヤの周りの脇役キャラがみんな良かったですね。弟大好きな兄ちゃん姉ちゃん、

タツヤが世話になる旗木田家の枕子さん、その娘の千早、枕子さんの夫。

転校先の同級生・町屋君との友情にはぐっと来ましたしね。しかし、町屋君に憑いてる

幽霊って一体何者なの^^;不穏な空気を纏った町屋君を同級生たちはみんな

遠巻きに見るけれど、タツヤ少年だけは何の蟠りも感じさせずに、普通の友達

として接するところが良かったです。小学生らしからぬ達観したタツヤの

キャラクターは結構気に入りましたね。いろいろな形で突然降ってくる短歌を

読み解く過程も面白かったですね。最初字面を見ただけでは、何のこっちゃって

感じの歌ばかりなのだけど、タツヤ少年の気付きによって、それが違う意味を

持って行くところに、なるほどそういうことか、と思わされました。

こんな小さいうちから短歌探偵という宿命を負わされてしまって、今後彼は

どういう成長を遂げて行くのでしょうね。中学生編、高校生編、大学生編等で、

成長を追って行けたら嬉しいかも。

木下龍也さんの他の短歌もちょっと読んでみたくなりましたね。普段はどんな

歌を詠まれているのかなぁ。

beckさん、ご紹介ありがとうございました^^