
飛鳥部さん最新作。『抹殺ゴスゴッズ』に続けて新作が読めて嬉しい。星海社の
このレーベル作品とは相性が悪くてどうしようとも思ったけど、やっぱり飛鳥部
さんだと思うと手が出てしまった(笑)。
しかし、飛鳥部さんにしては薄い本なんだけど(335ページ)、めっちゃ時間
かかってしまった。途中、なぜか数ページ読んでは睡魔が襲って来て、全然進まな
くって^^;とくに前半キツかったなぁ。殺人事件が起きてからの中盤以降は
少しペースアップしたのだけど。それでも、終盤の肝心な謎解き部分でまた説明が
長くてペースダウンし・・・結局、これ一冊に一週間くらいかかっていたような^^;
序盤で挫折しかけたりもしたのだけど、飛鳥部さんで挫折はしたくないから意地で
読み続けたらだんだん面白くなった感じ。
設定とかキャラ造形とか、ツッコミ所満載なのはいつもの通り(苦笑)。現代
パートは、ほんとに令和の最近の話なのに、出て来る高校生の名前が正、昌子、
佳子、八寿夫(やすお)。おいおい、昭和かよ!ってツッコミ入れましたよ(笑)。
また、登場人物の喋り方とかも前時代的ですしね。飛鳥部さん、そこは現代風に
アップデートしようよ・・・と思いましたけど、まぁ、これはこういう作風とか
世界観の作家だと納得させて読むしかないでしょうね。普通に、時代を昭和に
すればいいのになぁとも思っちゃうんですけどもね(それならすんなり受け入れ
られると思うので)。
かつて芸術家たちが住み、なぞの増改築を繰り返した結果、あかずの間だらけになり、
幽霊が出るという謎の館・封鎖館。そこでは、かつて猟奇的な殺人事件がいくつも
起きていた。そんな怪奇の館で、芸術家であり館の主の館真一が主催する二泊三日
のデッサン会が開かれることになった。
高校生の小玉正は、友人の林昌子から一緒に行かないかと誘いを受け、その
絵画教室に参加するという憧れの溝口佳子に近づきたいが為に、彼女の誘いを受ける
ことにした。しかし、そこでは恐るべき殺人事件が待ち受けていた――。
若干ネタバレ気味の感想になっております。未読の方はご注意下さい。
エログロエピソードは相変わらず満載で、そこは好き嫌い分かれるところでしょう
けど、肝心のミステリ部分はやっぱり面白かったな。ちょっと理解するのに
大変だったけど(いや、未だに全部は全然理解出来ていないが^^;)。館の
見取り図が最初の方に出て来るのだけど、ほんとに変なつくりで、開かずの部屋
ばっかりで、何だコレ?って思ってたんだけど、からくりを知って、そういうこと
だったのか、と思いました。館が這う音は多分、何らかのからくりがあるから
だとは思っていたのだけどね。しかし、実際こんなの作れるものなんですかね。
この仕掛け作ってくれって言われた建築家もびっくりだったんじゃないの。この
からくり作ったのって、昭和の時代でしょうし。技術的に作れるんかな。
令和の連続殺人の犯人も意外でしたね。『私の鏡子』に完全に騙されてたな。
しかし、一番びっくりしたのは、ある人物の突然の豹変っぷり。言葉遣いとか、
あそこまで正反対になって面食らわされたなぁ。女って怖い。昌子が無事で
良かったよ。◯されるかと・・・^^;
昌子の口の悪さにも度々幻滅させられたけど、この子は基本はいい子だし、どう
見ても正のことが好きなのがわかるから、なんか微笑ましい気持ちで見れたな。
正だけがアホで気づいてなかったけども。でも、もうちょっと好きな男子に対しては
優しくした方がいいと思うけどね。典型的な天邪鬼気質なんでしょうね。
しかし、最後に犯人の独白があるんだけど、動機にびっくり。こんな理由で
殺人を犯すとは・・・(絶句)。愛情がこじれすぎて、こうなっちゃったんだろうけど。
そもそもの諸悪の根源は、真一の◯◯なんですよね・・・(すみません、下ネタ用語
です・・・)。なんだかなぁと思いましたね^^;
でもまぁ、本格ミステリとしては面白かったです。飛鳥部さんらしさ爆発では
ありました。芸術要素もいっぱい出て来るしね。ただ、『抹殺ゴスゴッズ』に
比べると、ページ数のせいもあると思うけど、人物造形とか設定とかいろいろ、
ちょっと薄味に思えてしまったかも(他の作家に比べたら濃いのは間違いない
けど^^;)。
飛鳥部ファンなら楽しめるんじゃないかな。うん、多分・・・。