ミステリ読書録

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ウィーン美術アカデミー名品展

東京・新宿 損保ジャパン東郷清児美術館 < ウィーン美術アカデミー名品展 >

芸術の秋・その2です(実はこの間にもう一つ展覧会に行っていますが、理由あって
記事にはしてません)。またまた美術展に行って参りました。今回は読売新聞経由で
チケットが当たったもの。最近行く美術展はこの流れのものが多く、あまり自分でお金
出して行ってなかったりします^^;読売さんありがとう。
日曜だったのに、まぁ、空いてること、空いてること!久しぶりにほんとにゆっくり
絵を観れた気がします。やっぱり絵画鑑賞はこうでなくちゃ!某○○展は最悪でした
からね・・・(記事にしなかった展覧会)。

さて、今回は有名どころがちょこちょこづつという展覧会なので、目玉をあえて挙げると
すればクラナハでしょうか。私としてはレンブラントを楽しみに行ったのですが、たった
一枚しかなかったという(苦笑)。

クラナハは「不釣合いなカップル」「ルクレティア」共に非常に印象的な作品でした。
「不釣合い~」は右側の女性が年老いた恋人の財布らしきものに手を忍ばせているのが
何とも意味深。これってやっぱり「お金目当て」を表してるってことなんでしょうね。
しかし、見れば見るほど、ほんとに不釣合いなカップルです・・・。女性の表情が独特
ですよねぇ。内心で「早く逝け!」とか思ってるのかなぁ・・・ひえぇぇ^^;;


ルーカス・クラナハ「不釣合いなカップル」
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「ルクレティア」は女性が持っているナイフが象徴的。画像でおわかりにならないと思い
ますが、歯先が微妙に胸に当たっていて、薄く出血してるんですよ~。こ、こわっ!!
これって、自殺の寸前?でも表情はそういう感じじゃないし、とても不思議な絵です。
羽織っているのが、天女の羽衣みたいでなんだか綺麗だと思いました。


ルーカス・クラナハ「ルクレティア」
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/belarbre820/20010101/20010101000130.jpg


レンブラントはやはり肖像画。「若い女性の肖像」。細部まで本当に細かく
描き込まれていて、装飾がない分派手な絵ではないけど、やはり生で観るとさすが
だなぁという感じです。背景の黒が人物を際立たせていますね。


レンブラント若い女性の肖像」
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/belarbre820/20010101/20010101000140.jpg


他にもルーベンスやファン・ダイク、ムリーリョ、クールベ錚々たるメンバーの作品が
ずらり。写実主義的な静物画や風景画も多く、非常に面白かったですね。
画像がなくて残念なのですが、ローベルト・ルスの「ペンツィンクの湿地の早春」という
風景画は素晴らしかった。木々の描写の細かさと、湿地に映る景色のリアリティに釘付け
になってしまった。名が知られていなくても(私が知らなかっただけ?)、素晴らしい画家
がたくさんいるんですね。
他にも見ごたえのある絵がたくさんありました。ゆっくり観れたし、いい展覧会でした。

ちなみに、この美術館といえば常設展示のゴッホの「ひまわり」。実は前回ここに来た時
は理由はわかりませんが展示されておらず、非常に残念な思いをしました。でも今回は
ちゃんと展示されてました。ウン十億という高値で落札されたこの絵。ついつい「本当に
真筆?」と訝ってしまう天邪鬼な自分がいるのでした・・・(笑)。

開催期間は迫ってますが、時間のある方は是非行かれてみてはいかがでしょうか。
(~11月12日まで)