ミステリ読書録

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蘇部健一/「恋時雨」/講談社 YA!ENTERTAINMENT刊

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蘇部健一さんの「恋時雨」。

二〇〇五年、森谷香織は父親が勝手に決めた婚約者・速水と政略結婚をさせられそうになっていた。
二月のある日、香織ははっきり自分の気持ちを打ち明けようと速水を呼び出した。しかし、速水
は無理矢理香織にキスをしようと迫って来た。そんな時青年が通りかかり、香織の窮地を救う。
香織はこの青年に運命めいたものを感じる。一方、一九五五年、辻村琴美も同じように親が
決めた婚約者・西条との縁談に悩んでいた。そして強引にキスを迫る西条と嫌がる琴美の前に
一人の青年が現れた――時代を超えて二つの恋が交錯するタイムスリップ・ラブストーリー。


はははは。すいません、また蘇部さん読んじゃいました。いい加減にしろって声が聞こえて
来そうだなー^^;それにしても、いろんな所から出てるんですね、蘇部さんの本。本書は
講談社のYA(ヤングアダルト)シリーズからの刊行作品。またしてもタイムスリップもの
です。六とん2の後半部分に収録された作品の流れを汲んでいるのか、この辺りからよっぽど
タイムスリップという題材が気に入ったか、この間に刊行された作品もタイムスリップものの
ようですね。しかし、一体何冊あるんだ、蘇部さんの本^^;
で、本書の感想ですが。相変わらず要所要所で出てくる蘇部節とでも申しますか、微妙なギャグ
センスは健在です。真面目なラブストーリーを書きたいのか、ふざけたいのか、いまいち
はっきりしません。笑えないんだけど、笑ってあげないと蘇部さんが可哀想だな~という
同情の気持ちが湧き起こるから不思議だ。
タイムトラベルものとしては実にオーソドックスな展開です。でもそこそこ楽しく読みました。
(何せ、蘇部さんというだけで基準点が限りなく低く甘くなる人間ですから)

ヤングアダルト、というジャンルがいまひとつよくわかっていない私ですが、このジャンルの
ターゲット年齢っていくつ位なんでしょう?中高生くらい?ジュブナイルよりは大人向けって
位なのかなぁ。確かに、ジュブナイルにするにはややそぐわない表現がちらほら。まぁ、「ふつう
の学校」と比べてどっちがどうなんだっていえないレベルですけど(あれもまずいだろ・・・)。

でもこれ、普通に蘇部さん読んだことない人が読んだらどうなんだろう。「なんだ、この子供
だましみたいなストーリーは!!SFをバカにしてる!」と憤るのかもしれない・・・。
(なんせ、タイムマシンに関してはツッコミ所が満載)
寛大な心で物語を楽しめる方にはお薦めです・・・ってどんな薦め方なんだー^^;
いやだから面白かったですってば。それなりにそこそこ辛うじて・・・なんだ書けば書く程
薦めてないみたいだな^^;

あとがきは相変わらず卑屈で面白いです。そして、この小説の一番すごい所は、イラストがあの
羽住都さんってことです(「ふつうの学校」もそうですが)。
可愛らしい女の子のイラストで騙されて(!?)手に取る人が一人でも多ければいいなーと
願わずにいられません。
という訳で、画像も一緒にのっけておきますので参考にして下さい(!?)。