ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

竹本健治/「キララ、探偵す。」/文藝春秋刊

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竹本健治さんの「キララ、探偵す。」。

アイドルオタクの平凡な大学生・乙島侑平は、探偵事務所をしている叔母・妙子の持ちビル
の3階に間借している。ある日、研究所に勤める従兄の益子博士から、新製品のモニターを
頼まれた。しかし、届いた新製品はなんと人間と見紛う程精巧に造られたアンドロイドの
美少女メイド‘キララ’だった。侑平を「ご主人様」と慕い、あれこれと奉仕してくれる
キララだが、スイッチが入ると頭脳明晰でエッチな人格に豹変して侑平はドギマギしっぱなし。
天然系美少女ロボットのキララが家事に探偵に大忙しの萌え系ミステリー。


iizukaさんのブログで紹介されていたので知っていたとはいえ、図書館で手に取って
表紙を眺めて私も思わず、


マジ?


と思いましたですよ・・・。カウンターに持って行くのに弱冠の躊躇が・・・。
でもその上に違う本を置いたりせず、堂々と単独で借りてしまったのですが(強者?)。


内容ですか。えーと、えーと、萌え~~~~なミステリです。いや、ミステリ部分は
はっきり云ってたいしたことないような気が・・・。
読み始めて何度もくじけそうになりました。だってキララの言動が・・・。


以下本文抜粋。

「ああ、初めて名前を呼んでいただいて、キララ、嬉しいですう」
両腕のひじから拳までをくっつけあわせ、その拳を顎の下にあてがう例の典型的なブリッコ
ポーズを取ってみせた途端、出していた鍋やフライパンに肘があたり、床に落ちてガンガラ
ガッシャンと派手に散乱した。
「いっけなーい。キララの慌てんぼさん!」
言いながら、自分の頭をコツンと叩く。



まぁ、要するにこんなのが延々と続くわけです。そして、この言動を天使のごとく可愛いと
ひたすら萌える侑平の変態っぷりにもどんどん磨きがかかって行き・・・。
というアキバ系オタクの為のミステリです。女性向きではないだろうなぁ。多分ドン引きです。
キララの言動はさとう玉緒嬢辺りを思い浮かべてもらえればわかりやすいかな。

読みやすいは読みやすいです。キララの「~ですう」「~ですかあ」のような間延びした
台詞に我慢すれば。天然なので、可愛いと云えば可愛いのかも。玉緒嬢のような計算は
入ってないので。
始めに述べましたが、ミステリとしての展開は正直ご都合主義的で首をかしげるところも
結構ありました。
ただまぁ、娯楽小説として楽しむ分にはこれでいいのかな、と思わなくもないです。
途中、キララの夜モードの描写には引きましたが・・・。
男性は結構楽しめるのではないかな。特に萌え系アニメとか好きな方にはオススメです。
女性は・・・興味があったら読んでみて下さい(笑)。
取りあえず写真載せるので参考にしてくださいませ~。読んでくれたら感激ですう(キララ風)。


それにしても最近メイドとか執事とか、使用人設定の作品を読む機会が多いのは
やっぱり・・・(!?)。


※ 一言メッセージの‘萌え系メイドミステリ’はこれのことでした。
  abeさん、どうやったらアレと間違うんですか!(笑)
  ちなみに、今読んでるのも同じ系統の女性が出てくるんだよなぁ・・・。