鳥飼否宇さんの「痙攣的 モンド氏の逆説」。
伝説のロックバンド「鉄拳」は、衝撃的なデビュー公演の後姿を消してしまった為、その存在が
神話化されていた。密室状態のライブハウスで、演奏中にメンバー全員が突然姿を消し、ステージ
上にはプロデューサーの死体だけが残されていた。その後のメンバーの行方は杳として知れず、
すべては謎に包まれていた。事件の模様も含めたロックバンド「鉄拳」についての著書を上梓した
相田彰のもとに、批評家の寒蝉主水と名乗る人物が著書の内容について納得がいかない点があると
相田を呼び出した。二人は事件について再考察し始めるが――(「廃墟と青空」)。
なんなんですか、この小説はー!!
怒るべきなのか、笑うべきなのか、呆れるべきなのか。んもう、わけわからん。
「廃墟と青空」の時点では密室状態での人間消失と殺人事件で非常に私好みで良かった
のです。でも、続く「闇の舞踏会」で、主水氏のキャラの違いにまず戸惑いました。
だいたい、「廃墟~」でのラストを考えると、普通に登場すること自体が変だよなぁ、
何か違和感があるなぁと思いつつも、モールス符号を使った暗号解読なんかは面白く
(さっぱり理解できなかったけれども)、上機嫌で読み進めて行きました・・・が、
ラストで明かされる事実に頭がパニック状態。え?え?何で、これどーいうこと!?
頭が混乱したまま続く「神の鞭」で更なる混乱へ・・・この時点で何か嫌~な予感が
漂ってはいました。ええ。何かあるとは。
で、問題の「電子美学」へ・・・く、くだらない。くだらなすぎる・・・何で○○!?
いきなりSFちっくになって戸惑いました。確かに前三作の大混乱は解消されましたけれども。
あ、あほ過ぎる・・・。文章のある部分にいちいち強調点をふるあたりもくどい。これ完全に
バカミスじゃないかー。
話には聞いていたけど、ここまでアホだとは・・・。
締めくくりの「人間解体」では更なる脱力が。一応殺人事件の謎も出てきますが、凶器
の予想は簡単についてしまいました。まぁ、そんなことはどうでもいいんでしょうけど。
アイダアキラにそんな意味が・・・ははは(脱力)。
なんだかんだで面白かったですけどね。うん。でも、これ壁に投げられてもおかしくないかも^^;
確かに「電子美学」の辺りからふるふると痙攣しながら読む本かもしれません(いろんな
意味で^^;)。
なんとも上手いタイトルをつけたものです。
いかにも、「痙攣的」。
(読んだ人だけわかってくださいw)