ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

竹本健治/「キララ、またも探偵す。」/文藝春秋刊

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竹本健治さんの「キララ、またも探偵す。」。

研究者の従弟・益子博士から美少女アンドロイドのモニターを頼まれた20歳の大学生・乙島
侑平。人間と変わらない美少女のメイドロボットに奉仕されてドキドキしっぱなしの毎日。
愛らしいキララは、すぐさまファンクラブが出来るほどの人気っぷりで、今年の夏休みは
ファンクラブの連中が企画したS県の押木佐市の海岸に海水浴に行くことに。キララとの
海水浴を楽しむ侑平だったが、浜辺で見つけたボートの上で一人昼寝をむさぼった所、気付くと
オールがなくなり海流に乗って流されてしまっていた。青くなる侑平だったが、ボートは
いつしか孤島に流れ着き一安心。すると、そこには何故かキララが立っていた。しかし、なぜか
様子がおかしい。その上、その島には怪しげな連中がいて――どじっ子メイドのキララが
帰って来た!萌え系美少女メイドミステリ、第二弾。


ご主人さまぁ~、キララが帰って参りましたぁ~。


・・・アノ、萌え系メイドミステリの第二弾が出ました。今回の表紙も前作同様、いやそれ
を上回る程(?)恥ずかしいです^^;しかし、前作は開架で見かけてこっそりカウンターに
持って行った私ですが、今回は予約して借りたので、司書の人にはおそらく「この人、予約して
までこういう本が読みたかったのね」とおもわれたに違いなく・・・あう。いや、いいんです
けどね。所蔵が普段行かない図書館にしかなかったら予約しないと借りれなかったしっ。
まぁ、幸いなことに、予約本は他にも三冊回って来ていたので、単独で借りたんでなくて
良かったです。しかし、他三冊よりも優先してコレを読んでしまった私って一体・・・。

と、まぁ、前置きはともかく。内容は、前作よりも更にミステリ度が低くなったように思い
ました。だいたい、「キララ、またも探偵す。」とのタイトルのようには、キララは探偵して
いない。三作の中編プラス掌編一作が入っていますが、どれもキララの活躍はかなり控えめ。
冒頭の「キララ、失踪す。」では途中から行方不明になっちゃって全然出て来ないし、続く
「光瑠、探偵す。」ではタイトル通り光瑠が探偵する話だし、最後の中編「キララ、赤面す。」
では、メインはミス・キャンベルだし。キララの夜モード・クララも今回は出て来なかったので、
キララ(&クララ)ファンにはちょっと物足りないかもしれません。いや、私は別にね・・・
(ほんとか?)。

という訳で、前作ではキララの「~ですう」「ですかあ」とかの間延びしたしゃべり方が
どうにもこそばゆく、行動にもイライラした部分があったのですが、キララ自体の活躍が
少ない分、前作よりも読みやすかったのは確か。でも、ミステリとしてのゆるさも前作以上
だったので、ほとんどミステリとしては読んでいなかった気が・・・。iizukaさんが
おっしゃっていた『謎の放置プレイ』の意味もよくわかりました^^;確かに謎が謎ですら
なかったような・・・。
ただ、「光瑠、探偵す。」の最後の仕掛けには私もまんまと騙されました。ありがちでは
ありますが、こういう所は巧いですね。で、二作目まで読んで、官能シーンが全くなかった
ので、「なんだ、大丈夫じゃん。余裕、余裕♪」と読み進めていましたらば・・・次の「~、キララ
赤面す。」で来ました。どーーーん、と。今回クララが出て来ない代わりに、ミス・キャンベル
がすごいことに・・・ひ、ひえぇ。彼女って真性のド○(アルファベット一文字が入ります)!?
一体どんな趣味嗜好してるんじゃーー^^;やりすぎだよ~っ。でも、男性読者はこれを望んで
いるんだろうなぁ^^;
これは確かに女性読者は離れて行く気が・・・。いや、最近はこういうのがすきな女の子も
いるのか?萌え系作品にはきっと必要不可欠な要素なんだと無理矢理納得させました(苦笑)。
ただ、謎の男の正体にはずっこけましたが。ミス・キャンベルの趣味って理解不能です・・・。
それにしても、ミス・キャンベルのカタカナ言葉の読み辛いこと読み辛いこと。キララの
『~ですう』の方がまだましです。日本語ぺらぺらな設定なんだから、ひらがなでもいい
じゃんかーー^^;ロボットの人権問題のくだりなんかは結構考えさせる内容だったのに、
とにかくキャンベル女史の台詞の読みづらさに字面を追うのが精一杯で、ほとんど意味が
頭から通り過ぎてしまったのが残念でした^^;


萌え~~な美少女が大好きな男性諸君には是非お試し頂きたいシリーズです☆
え、えーっと、女性の方も、興味があれば是非どうぞ~~~(キララ口調)。
次回はもっとキララを活躍させて欲しいですね(←次も読む気らしい)。