ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

蘇部健一/「木乃伊男」/講談社文庫刊

蘇部健一さんの「木乃伊男」。

子供の頃から心臓の悪かったぼくは、大学が夏休みに入るとすぐに信州長野の山奥の病院に療養
しに来ていた。ある朝目が覚めたら、隣のベッドに顔中に包帯をした『ミイラ男』が寝ていた。
患者の枕元にあるネームプレートを見ると、その名も『木乃伊男』・・・。ぼくは恐怖に
陥った。なぜなら、ぼくの家には代々伝わるミイラ男に関する恐ろしい伝説があるからだ。
伝説のミイラ男は、ぼくの家に恨みを持っていて、ぼくの家の人間を密室の中で殺すという。
そして、ぼくの兄は5年前不可解な密室状況の中で死体となって発見された――ぼくの前に
現れた『ミイラ男』の正体とは、伝説のミイラ男なのか?里中満智子氏による豪華イラスト
によって犯人が明かされる新感覚ミステリー。


蘇部クラブのみなさん、月野さんは蘇部クラブを抜けるそうです。と伝えてくれと言われた
ので冒頭でお伝えしてみました。そもそも蘇部クラブってなんだ?なんて疑問はさておき、
ついに本書とめぐり合うことができました。地元の図書館でも隣街の図書館でも蔵書がなく、
古本屋でいつか巡り会えることを信じて探してきましたが、先日ついに地元に新しく出来た
古本屋で見事遭遇。しかし、実は一度は購入をやめようかと悩みました。なぜなら・・・

袋とじ部分の切り方があまりにも汚い!!からです。おい、こら、この本売った人!
なんでもうちょっと丁寧に切らないのよ!読む時に切り口がでこぼこだからページがめくり
づらいわ、端が当たって痛いわ、読み辛いったらないじゃないの!

まぁ、結局誘惑に負けて買っちゃいましたけど。ほんとに、読みづらかったです。せめて
ハサミを使えよ・・・とツッコミたくなったことは言うまでもありません。明らかに横着して
手でちぎってますからね・・・。読んだ人のこの本に対する愛情がうかがい知れます。
挙句の果てには古本屋に売り飛ばしてるし・・・哀れ(T_T)。

しかし、私は出版社にも物申したい。あのー、これって里中満智子さんのイラストで犯人が
わかる形式ですよね?ページめくって『おおっ!』って驚けるのが楽しい作品なんですよね?

・・・紙が薄すぎて次ページのイラストが丸見えでページめくる前に誰が描いてあるのか
わかっちゃったんですけど!予測できちゃってページをめくる楽しみが味わえなかったよ・・・。
確か『動かぬ証拠』はそれを考慮して紙を分厚くしてあったんじゃなかったけ。もしかして
これで苦情が来たのかなぁ。いや、私も苦情言いたいもん・・・。

あれ、本の感想書いてない(またか)。うんうん。面白かった。ミイラ男の二転三転する
正体には素直に驚かされたもんね。でもページめくる前に気付けちゃったけどね(しつこい)。
でも、実はラスト1ページの絵の意味が全くわからなかったんです(アホ)。で、恒例の
ネット書評サーフィンで、ネタバレ記事を発見して初めて気付けたという。完全にある一文を
読み逃してました^^;でも、それを知ってますます疑問が深まったんですけど・・・。
うーん、うーん。どういうことだ?もしかして、ものすごい黒い結末ってこと?


今回もご自身のあとがき&解説は最高です。蘇部さんの低姿勢なあとがきは相変わらずだし、
解説担当の黒田研二さんも今までの解説者同様、蘇部擁護に必死なのが笑えますし。
しかし、すでに『木乃伊男Ⅱ』が書かれているんですって!?今もってそのⅡが出版
された形跡がないんですが・・・ということは・・・(推して知るべし?^^;)。
古本屋で買った私が言うのもなんだけど、今からでも本が売れて出版社の意向が変わって
くれないかなぁと切に願う今日この頃であります。

それにしても、里中さん、よくイラスト引き受けたよね・・・。
私はこれからも蘇部クラブの一員として(例え一人になっても!)
ソブケンを応援して行きますよ~^^v