ミステリ読書録

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我孫子武丸/「警視庁特捜班ドットジェイピー」/光文社刊

我孫子武丸さんの「警視庁特捜班ドットジェイピー」。

相次ぐ警察の不祥事から警視庁のイメージアップを図る為結成された警視庁戦隊『警視庁特捜班
ドットジェイピー』。警視庁内の問題児ばかりを集めた五人の美男美女。早速記者会見やイベント
でその存在を世間にアピールしようと試みるが、隊員たちは失敗ばかりで世間の笑いものになって
しまう。一方でそんな彼らを逆恨みし、つけ狙う不穏な動きが――戦え!我らがドットジェイピー!


ははは。かっるーーー。なんじゃこりゃ。我孫子さんらしいのか、らしくないのか・・・。
前作の『狩人は都を駆ける』はゆるさに驚いたけれど、今回はゆるいというより軽い。ノリ
と勢いだけで書いちゃったみたいな。最近のイケメン戦隊ものにあやかってなのか、警視庁内
でイケメン戦隊を作っちゃおう!という設定が面白いです。5人のキャラもみんなひとくせ
あって個性的。いまいち好感の持てるキャラというのはいなかったけれど、個人的には
腐女子の香蓮さんのキャラと潔癖症でクールを売りにしていたのに終盤ではなぜかオタク
キャラになっちゃった一ノ瀬のキャラがツボだった(なぜか、脳内で『図書館戦争』の
手塚と柴崎をイメージしてしまった^^;)。

ストーリー展開は終盤いまひとつ盛り上がりに欠ける印象でしたが、あまり深く考えずにこの
くだらなさを楽しむ作品なんだろうなと思います。ギャクセンスはいまひとつ笑えない部分も
あったけれど、ノリの良さでテンポよく読めました。こんな気が抜けた作品もたまには
いいものです。

ただ、この表紙、職場で読んでてかなり恥ずかしかったです・・・マンガかと思うよね^^;
さすが喜国さん。そのうちほんとにマンガ化しそう(笑)。
でもこれ、映像化したら面白そうだなぁ。新たな戦隊ものとして、どっかの局でやってくれ
ないかなぁ。綾は井上和香、類は小池徹平かウェンツ(WATか)、香蓮は栗山千明(あるいは
水川あさみ)、一ノ瀬は及川ミッチー(ちょっと齢が行き過ぎか^^;)、三枝は・・・
思いつかん^^;お笑い辺りに良さそうなのがいそうだけど。なんて、いろいろ考えながら
ニヤニヤしながら読みました。

戦隊ものの宿命として(笑)、それぞれのキャラにはイメージカラーがつけられます。
ホワイト(綾)、ブラック(一ノ瀬)、ブルー(三枝)、パープル(香蓮)、イエロー(類)。
赤もピンクもいないので、なんか5人揃っても地味な印象の色合いですが^^;あえてヒーローと
ヒロインの色をはずしたのかもしれないですけどね。綾は普通だったらピンクにする所でしょうが、
彼女のホワイトには重要な意味が隠されてますからね(苦笑)。

多くを期待しなければ楽しく読める作品だと思います(けなしてないよ^^;)。
多分、書いてる我孫子さんが一番楽しかったんじゃないかな(笑)。