ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

三浦しをん/「悶絶スパイラル」/太田出版刊

三浦しをんさんの「悶絶スパイラル」。

直木賞作家・三浦しをんが身近な出来事や家族・友人とのやりとりについて綴った抱腹絶倒
「日常エッセイ」。作家の本音が炸裂!描きおろし・爆笑「なんでもベスト5」収録。


三浦しをんさんのエッセイは面白い』といろんな方から教えて頂いていたので、そのうち
読んでみたいなと思っていましたが、先日ようやく開架で発見(エッセイは予約してまで借りる
本だと思っていないので、よっぽど好きな作家でない場合は開架待ちなのです)。本書は発売当初に
本屋で見かけて「なんでもベスト5」のところだけ拾い読みしていたのですが、ほんとに面白かった
ので開架で見かけたら絶対借りようと決めていました。

いやー、ほんとに面白かった。エッセイでこれだけ笑わせてもらったのは久しぶりかもしれない。
しをんさんの腐女子っぷりは、もう、とにかく、あっぱれというしかない。このBL小説とマンガに
かける情熱は何だ。一体どこからくるんだーーー。『この人、ほんとに直木賞作家だよね!?』と
何度も確認したくなりました。ここまで本音をさらけだして大丈夫か、この人・・・と、こっちが
心配になる位、なんでもあけすけに語ってくれちゃってます。一人ボケツッコミが最高。
マンガに関しては私もかつては相当読んでいたので、しをんさんのマンガ談義には結構
ついていけちゃってました。ああ、腐女子万歳(でも最近は小説の方が圧倒的に多いからね!)。

この本を読んで私は『メゾン・ド・ヒミコ』を観なければいけない使命感に捉われたし、
オダジョーはやっぱりかっこいいことを再認識させられたし、『ガラスの仮面』を読み直さなきゃ
いけない義務感が芽生えました(これはまぁ、しょっ中あるけど。最近連載再開されたし)。

冒頭の『電車男』話からし共感覚えまくりだったもんなぁ。こっからもうやられちゃったぜ。
電車男』を読んだ時の自分の興奮も思い出したよ・・・。映画館に映画まで観に行っちゃった
もんね(しかも誰かを誘うのが恥ずかしくて一人で^^;)。
またしをんさんの家族が最高。なんでみんなこんなにキャラ強いんだよー。お母様も捨てがたい
けど、弟君のキャラが最高。姉への冷静なツッコミに大ウケ。ユニクロ荒木飛呂彦Tシャツに
異様な情熱を燃やす姿もギャップがあって良かったわ。姉が直木賞作家だとか全く意識してない
とこがいいですね。呼び名が「ブタ」だもんなー。それはいくらなんでもどうなのよ、とも思う
けれども^^;

友人『あんちゃん』との妄想トークにも大爆笑。おいおい、そこまでやるんかい!とついつい
ツッコミを入れてる自分がいました・・・。いやほんとに過剰に面白いな。漫才コンビ結成
できるよ。

どこもかしこも面白くて、一つ一つあげてったらキリがない。「小説よりエッセイの方が面白い」
と言う人の気持ちがよーくわかりました。近くにいた赤の他人の会話を拾ってはツッコミを入れる
ところも笑えます。こういう好奇心旺盛な所があるから小説家として大成した(?)のか。
とにかく、その溢れんばかりのバイタリティーには脱帽でした。あー面白かった。
なんか、落ち込んだ時に読んだら瑣末な悩み事なんか吹き飛ばしてくれそうだ。うむ。次に
へこんだらしをんさんのエッセイを借りよう(何の決心だ)。

ひとつ気になったのは『トイレの後手を洗う男性は二割弱』というところ。ほんとに!?世の中の
男性諸君の多くはトイレで手を洗わないで出て来てたの!?ちょっとショック。
これって事実なんでしょうか、みなさん(トイレの後は手を洗ってくださいーーー!!!)。