有栖川有栖さんの「火村英生に捧げる犯罪」。
作家・有栖川有栖の元に、突然「有栖川先生の最新作は自分の作品の盗作だと言っている人がいる」
との奇妙な電話がかかってくる。身に覚えのない電話に腹立つアリスだったが、大阪府警の元には
プロフェッサーRなる人物から、京都のマンションで扼殺された三十歳のエステティシャンの殺害
に関して、「これは火村英生に捧げる犯罪だ」との怪文書がファックスで送られていた。アリスと
火村、二人に起きた出来事は繋がっているのか――?表題作「火村英生に捧げる犯罪」他、
臨床犯罪学者・火村英生と作家・有栖川有栖が活躍する傑作ミステリ8作を収録。
との奇妙な電話がかかってくる。身に覚えのない電話に腹立つアリスだったが、大阪府警の元には
プロフェッサーRなる人物から、京都のマンションで扼殺された三十歳のエステティシャンの殺害
に関して、「これは火村英生に捧げる犯罪だ」との怪文書がファックスで送られていた。アリスと
火村、二人に起きた出来事は繋がっているのか――?表題作「火村英生に捧げる犯罪」他、
臨床犯罪学者・火村英生と作家・有栖川有栖が活躍する傑作ミステリ8作を収録。
「妃は船を沈める」に続き、今年二作目の火村シリーズ。こんなに早く新刊が読めるとは、ファン
としては嬉しい限りです。あとがき曰く、タイトルに探偵の名前が入った作品は初めてだとか。
かねてから火村英生っていい名前だなぁとずっと思っていたので、こうしてタイトルに使われると
有栖川さんご自身もおっしゃってるけれど、華々しい感じがしていいですね。いかにも探偵小説
っぽい。内容も、火村先生の元に謎の挑戦状が届き、アリスの元には怪電話がかけられ、ほぼ
同時に起きるこの二つの出来事が最後に繋がって行くというなかなか凝った作品。お馴染みの
刑事たちから受けるアリスの評価があまりにも可哀想だったので(笑ったのは「有栖川さんが
暗号を解いたこと、あったか?」「記憶にありません」のやりとり。ひ、酷い・・・でも笑えた^^;)、
ことの真相に辿り着くきっかけがアリスの思いつきからというのはちょっと嬉しかった。いつも
とほほ~な推理を開帳する割に、刑事たちから重宝がられてる存在なのも不思議ではあるん
ですけどね・・・火村効果がそれだけ大きいってことかな^^;
とても短い掌編も入っているし、中編と呼べそうな作品もそれほど瞠目すべき推理というのは
なかったので全体的にはやや食い足りない印象ではありますが、ファンとしては火村&アリスコンビ
が活躍するってだけでも十分楽しめちゃうんだな、これが(だから盲目的ファンなんだってば)。
このシリーズのファンならば読んでも損はない作品だと思います。
としては嬉しい限りです。あとがき曰く、タイトルに探偵の名前が入った作品は初めてだとか。
かねてから火村英生っていい名前だなぁとずっと思っていたので、こうしてタイトルに使われると
有栖川さんご自身もおっしゃってるけれど、華々しい感じがしていいですね。いかにも探偵小説
っぽい。内容も、火村先生の元に謎の挑戦状が届き、アリスの元には怪電話がかけられ、ほぼ
同時に起きるこの二つの出来事が最後に繋がって行くというなかなか凝った作品。お馴染みの
刑事たちから受けるアリスの評価があまりにも可哀想だったので(笑ったのは「有栖川さんが
暗号を解いたこと、あったか?」「記憶にありません」のやりとり。ひ、酷い・・・でも笑えた^^;)、
ことの真相に辿り着くきっかけがアリスの思いつきからというのはちょっと嬉しかった。いつも
とほほ~な推理を開帳する割に、刑事たちから重宝がられてる存在なのも不思議ではあるん
ですけどね・・・火村効果がそれだけ大きいってことかな^^;
とても短い掌編も入っているし、中編と呼べそうな作品もそれほど瞠目すべき推理というのは
なかったので全体的にはやや食い足りない印象ではありますが、ファンとしては火村&アリスコンビ
が活躍するってだけでも十分楽しめちゃうんだな、これが(だから盲目的ファンなんだってば)。
このシリーズのファンならば読んでも損はない作品だと思います。
以下、表題作以外の短評。
「長い影」
これはなんとなく先が読めてしまった。多分あの人物のあの証言が怪しいんだろうなぁと
思っていたら、そのまんまだったという^^;トリック自体は結構面白く読みましたが。
なんとなく、雰囲気が東野さんのガリレオシリーズっぽいな、と思いました。
これはなんとなく先が読めてしまった。多分あの人物のあの証言が怪しいんだろうなぁと
思っていたら、そのまんまだったという^^;トリック自体は結構面白く読みましたが。
なんとなく、雰囲気が東野さんのガリレオシリーズっぽいな、と思いました。
「鸚鵡返し」
これ、オチを読んで「六とん?」って思いました・・・^^;;短いけど、こういう
ちょっとBミスっぽい作品は結構好き。
これ、オチを読んで「六とん?」って思いました・・・^^;;短いけど、こういう
ちょっとBミスっぽい作品は結構好き。
「あるいは四風荘事件」
火村先生同様、私もアリスと編集者・片桐のミスディレクションには気付いてしまいました。
って、ほとんどの人がこれは気付けるよね。四風荘事件の謎の方はかなりの大掛かりな
バカミス・・・のような(苦笑)。こういうの好きですけど。実際いくら金持ちだって、
こんな大掛かりな仕掛けを自宅に作る人がいるのかは疑問ですが^^;
火村先生同様、私もアリスと編集者・片桐のミスディレクションには気付いてしまいました。
って、ほとんどの人がこれは気付けるよね。四風荘事件の謎の方はかなりの大掛かりな
バカミス・・・のような(苦笑)。こういうの好きですけど。実際いくら金持ちだって、
こんな大掛かりな仕掛けを自宅に作る人がいるのかは疑問ですが^^;
「殺意と善意の顛末」
掌編。わかりやすくてこういうのは好き。何より、被害者の善意が犯人に一矢報いたという
のがいい。
掌編。わかりやすくてこういうのは好き。何より、被害者の善意が犯人に一矢報いたという
のがいい。
「偽りのペア」
火村先生の下宿の婆ちゃんが篠宮時絵さんという素敵な名前であることが判明(前に
出て来たことがあったかもしれないけど、全く記憶に残ってなかった^^;)。
かねてから婆ちゃんと火村先生の会話にほのぼのしてきましたが、このラストのオチには
またしてもほんわかさせられました。婆ちゃんかあいい^^
火村先生の下宿の婆ちゃんが篠宮時絵さんという素敵な名前であることが判明(前に
出て来たことがあったかもしれないけど、全く記憶に残ってなかった^^;)。
かねてから婆ちゃんと火村先生の会話にほのぼのしてきましたが、このラストのオチには
またしてもほんわかさせられました。婆ちゃんかあいい^^
「殺風景な部屋」
このダイイングメッセージの謎はいまいち説得力を感じなかったなぁ。死に瀕してる人が
とっさに思いつくかな、こんなこと。って、ダイイングメッセージものではいつも思う
ことなんですけどね^^;だいたい、受け取る側が読み取れないと意味ないしね。そのもの
がズバリ写っていたとしても難しいような・・・。
このダイイングメッセージの謎はいまいち説得力を感じなかったなぁ。死に瀕してる人が
とっさに思いつくかな、こんなこと。って、ダイイングメッセージものではいつも思う
ことなんですけどね^^;だいたい、受け取る側が読み取れないと意味ないしね。そのもの
がズバリ写っていたとしても難しいような・・・。
「雷雨の庭で」
これはなかなか面白かった。犯人は明らかだけど、どうやって犯行を行ったのか?という
推理過程は全然予測がつかなかった。テレビ電話が出て来るところが現代って感じですね。
このシリーズ、登場人物たちはそんなに齢をとってないのに、時間はリアルタイムで流れて
るんですよねぇ。まさにサザエさん現象・・・。真相はどこかで読んだようなトリックの
複合技って感じで新鮮味はあまりなかったけど、こういう島荘ばりの派手なトリック(って
いうのかな、これ^^;)は結構好きですね。
これはなかなか面白かった。犯人は明らかだけど、どうやって犯行を行ったのか?という
推理過程は全然予測がつかなかった。テレビ電話が出て来るところが現代って感じですね。
このシリーズ、登場人物たちはそんなに齢をとってないのに、時間はリアルタイムで流れて
るんですよねぇ。まさにサザエさん現象・・・。真相はどこかで読んだようなトリックの
複合技って感じで新鮮味はあまりなかったけど、こういう島荘ばりの派手なトリック(って
いうのかな、これ^^;)は結構好きですね。