ミステリ読書録

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ジョットとその遺産展

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東京・新宿 損保ジャパン東郷青児美術館 「ジョットとその遺産展 」

13~14世紀にイタリア全土で活躍し、ルネサンスへの扉を開いた画家、ジョット・ディ・
ボンドーネ(c1267~1337)。ジョットの関連作品4点と、彼から影響を受けた同時代の作家たちの
作品など約40点で構成される、盛期ルネサンスへの礎となった時代の美術を紹介する展覧会。


引き続き芸術の秋ということで、ジョット展に行ってきました。日本ではそれほど知名度がない
かもしれませんが、ジョットはイタリア中世期の大変有名な宗教画家。『西洋絵画の父』
呼ばれる程周辺画家に影響を与え、崇められたのだそう。とにかく時代が古いので、どの絵も
色が褪せていたり、抜け落ちていたり、破損が激しい。下手に修復もできないのだろうなぁと
思いました。周辺画家の作品は綺麗に残っているものもありましたが。
肝心のジョットの実物は4枚しかなく、パネル絵が多くてちょっとがっかりしましたが、
周辺画家の絵もどれもとても美しかったのでなかなか楽しめました。穴場な美術館で(多分)
それほど混みあってもいないので、静かに絵と向き合うことができたのも良かった。こういう
宗教画はやっぱり人混みの中でささっと観るものではない気がするので。
アッシジにある聖フランチェスコ教会や、パドヴァのスクロヴェーニ礼拝堂で本物を観て
みたいなぁ。きっと壮観なんだろうな~。
全部で40数点しかなく、あっという間に観終わってしまいましたが、祭壇画なども細かく
解説してあって、なかなか興味深い展覧会でした。宗教画って、一つ一つのパーツに全て
意味があるので、聖書の基礎知識があればもっと楽しめるだろうな、といつも思いますね。
有名な場面場面のことは知っているのだけど(キリスト生誕とか、東方三博士とか、ピエタとかetc)、
全体的な流れなんかはいまいちよくわかってないので。だからといって、今更聖書を紐解こう
とかは思わないんだけど^^;読んだら面白そうではありますけどね。




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ジョット・ディ・ボンドーネ「聖母子」



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ジョット・ディ・ボンドーネ「殉教助祭聖人」



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ストラウスの聖母の画家「聖母子と二人の天使」




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チェンニ・ディ・フランチェスコ・ディ・セル・チェンニ「聖人と奏楽天使をともなう聖母子」



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ベルナルド・ダッディ「携帯用三連祭壇画」




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ロレンツォ・モナコと工房「《玉座の聖母子》ほか祭壇画」




どの絵も効果的に使われている金色がとても美しい。金箔はさすがに色褪せないですしね
(剥がれることはあるでしょうけど^^;)。
ジョットの『聖母子』のマリアの表情がちょっと不機嫌そうに見えるのが意味深なような。
しかもキリストの表情がおっさんぽく見える(笑)。
マリアの表情も描く人によって全く違うので面白いです。
画法の説明も詳しくされていて、なかなかためになりました。いろんな画法があるものです。
今ちょうど美術ミステリを読んでいるところだったので、余計に画材や画法が気になってしまい
ました(苦笑)。こういう作品の修復は大変だろうなぁ・・・(絵画修復師の話です)。
たまには宗教画も良いものですね。
来週はもう一つ展覧会に行く予定。一人芸術の秋祭でございます(笑)。



~11月9日(日)まで。