ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

はやみねかおる/「踊る夜光怪人」/講談社青い鳥文庫刊

はやみねかおるさんの「踊る夜光怪人」。

旅と料理の雑誌『セ・シーマ』の編集者・伊藤さんが奇妙な噂話を持ち込んで来た。桜林公園に
『踊る夜光怪人』が出没するというのだ。しかも、全身が黄金色に輝き、首の取り外しが出来る
という。伊藤さんは、教授に次回の寄稿記事にこの噂をことを取り上げることを提案するが、
教授は全く興味を示さない。一方、亜衣とレーチの文芸部の後輩・千秋の依頼で、虹斎寺のお坊さん
である彼女の父が近頃悩んでいるという謎の暗号解読に乗り出した。関係なさそうな二つの出来事
に何か繋がりはあるのか?名探偵夢水清志郎事件ノート第5作。


久々夢水シリーズです。このシリーズは安定してて、安心して読めますね。今回は楽しみにしてた
レーチの活躍が読めて満足です。その分教授がちょっとかすんでる感じもしますが、ラストの
謎解きは相変わらず痺れる解決法で、胸がすく思いがしました。おいおい、そこまで大げさに
やっちゃうの!?警察も巻き込んで!?と思わなくもないですが、ジュヴナイルですし、あまり
細かいところをツッコむのは野暮というもの。まぁ、『コウダヨシサルが知っている』の謎は
ちょっとこじつけっぽく感じましたし、学校の地下に○○があるというのにもかなり無理がある
ような気もしましたが^^;いや、ものすごく私好みの展開だったんですけどね。どんだけ田舎の
学校なの?と思っちゃいましたよ・・・。

やっぱり、今回の目玉はレーチでしょう。いろんな人から『レーチ』って呼ばれる度に、『俺の
名前は麗一です』っていちいち訂正してるのが可笑しい。カマキリ部長とのやりとりが結構好き
です。お互いに『麗一です』『片桐だ』って、もういいじゃん、あだ名でってツッコミたくなった
けど(笑)。
今回はレーチの意外な面がいろいろ出て来ました。結構女の子にモテるとか、身体は小さいのに
力持ちだとか。何より、亜衣をお祭に誘うのに電話の前であそこまで躊躇するとは!普段は結構
クールっぽく見せてるけど、中身は純朴少年なんだなぁ~とにやにや。奇しくも、昨日読んだ
『純情期』の優作と同じ齢なんですよねぇ。どっちも純情なのは間違いないけど、この差は
なんだろう・・・って、ジュヴナイルとアレを比べるなって話ですけど^^;エンディングの
様子からすると、亜衣ちゃんとの距離はちょっとづつ縮まって行きそうな気配。続きを読むのが
楽しみだ~。

ちなみに、さすがの私も第Ⅰ部の「いすの上」の暗号はわかりましたよ。え、誰でもわかる?^^;
もちろん、第Ⅱ部の暗号はお手上げでした(文句をつけたコウダヨシサルも^^;)。

それにしても、このシリーズ全部で一体何冊あるんだろ。番外編みたいなのも出てるみたいだし、
順番間違えないようにしないと^^;