ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

「このミステリーがすごい!2009年度版」/宝島社刊

このミステリーがすごい!2009年度版」。

ご存知ブックランキングの決定版。2008年の面白かったミステリー&エンターテイメントを
ランキング形式で発表。海堂尊による書き下ろし短編つき。


ワンコイン(500円)につられてつい買ってしまいました。このミスは毎年チェックして
いますが、実は買ったのは初めて。大抵書店で上位ランキングと作家による隠し玉の好きな作家
部分だけ立ち読みして、そっと台に戻していたので・・・。毎年この時期になると、自分がどれ位
読んだ本がランクインしてるかなーと興味津々なのですが、大抵半分読んでればいい方。でも今年は
上位10作品中8作が既読作でびっくりでした。好きな作家の新刊がのきなみランク入りしたと
いうことでしょうね。

ランキングに関しては、いろんなところですでに紹介されたりしているのであえてここでは
書きませんが、1位に関しては読んだ人なら文句はないところでしょう。刊行が昨年末で、
去年のランキングの対象外だった為に長い期間をかけて多くの人に読まれ、票が集まったという
感じでしょうか。その間に本屋大賞を獲った影響もあって、手に取った人も多そうです。ちなみに
私は去年のランキングにすでに入れてしまったので、今年は対象外。
個人的に驚いたのは2位ですね。私も最近読んだばかりですが、ここまでランキングに食い込んで
来るとは思いませんでした。ただ、ミステリとしてもエンターテイメントとしても大変完成度が
高く気に入った作品なので個人的には文句なし。4位は今年一番のルーキーでしょうね。
デビュー作でここまで水準の高い作品を書いてくるとは脱帽でした。来年早川から発売予定(らしい)
新作も面白そうで、これからの活躍に期待できそう。
5位は今年のエンタメ作品としてはダントツの一位でしょう(『テンペスト』は読んでいない
から評価対象外なのでね^^;)。分厚い上下巻を飽きることなく読ませる手腕が素晴らしかった。
2作がランクインした道尾さん、どちらも本格ミステリとしてはさすがの出来でした。私も一作選ぶなら
6位に入った方ですね。技巧的に凝ってるのは10位の方だとは思いますが。
8位はこのミスならばこの辺りの位置に落ち着くでしょうね。本ミスでは目出度く1位に輝いて
いますので、そちらで面目躍如というところでしょうか。驚いたのは9位。まさかこの怪作が
ランクインするとは。この作家のファンであるお仲間ブロガーさんがこぞってリタイアした問題作。
まぁ、意地で読み通した分、評価されたことは素直に嬉しいです。でも、中に収録されている
書評家4人による『このミス座談会』で、杉江松恋さんが「上巻の密室の多重解決をする場面が
実に素晴らしい。でも下巻は正直よくわからなかった」という言葉に激しく頷いてしまいましたが
(苦笑)。
3位と7位は未読なので、来年中に読めたらいいなぁと思ってます。

※ランキングが気になる方には、傍線で引かれた順位をクリックすると過去記事に飛んで何の作品
かがわかるようになっています。3位と7位は本屋さんで確認して下さい(笑)。


個人的にこのミスで楽しみなのは作家による来年の『隠し玉』ページ。まぁ、大抵の作家は
嘘つきだということが年の終わりには判明しますけど(苦笑)、大好きなシリーズの続刊が出る
という可能性を示唆されるだけでもワクワクします。以下、来年私が気になる来年の隠し玉情報を
ちらりとご紹介(敬称略で失礼します)。



有栖川有栖 2月、鉄道にまつわる奇談集。有栖川さんのノンミステリは微妙なんだけど^^;
ミステリYA!でも出すらしい。そして火村シリーズの長編の構想も!


大倉崇裕  3月、山岳ものの短編集(釜谷シリーズではない??)。後半、オチケン!2。
福家警部補シリーズ確定、白戸シリーズもそろそろ出せそうな気配?


笠井潔  矢吹シリーズ、これからは一年に一作のペースで出していきたいそうです。
・・・ほんとかな・・・。ほんとなら小躍りするよ、わたし。


霞流一  別に特別好きな作家じゃないんですけど、ミステリYA!から出る予定の
『ロング・ドッグ・バイ』・・・題名だけでも面白そうじゃない?(笑)


桜庭一樹 『赤朽葉家の伝説』第二部スピンオフ作品あいあん天使!』・・・面白そう!


鳥飼否宇 構想中の長編のタイトルが『ねえなんでニンジン食べへんの?(仮)』
ほんとにこのタイトルで出たらすごいです。楽しみです(タイトルが)。


西澤保彦  タックシリーズの新作『仮面のランデヴー(仮題)』を完成させるのが
今年の目標だそうです。出たら9年ぶりだって。お願いしますよ、ほんとに。


三津田信三 死相学探偵の2巻が出るそうです。多分買いません。それより、5月発売
予定という刀城シリーズ最新作『密室の如き籠るもの』が楽しみです。


米澤穂信 秋期限定栗きんとん事件(仮)』出るそうです・・・って、去年も
書いてあった気が・・・。来年こそは出るかな?この期に及んでタイトル仮定なのね^^;
栗きんとんとはねぇ。絶対モンブランだと思ったのに。




上記に書かれた作品がほんとに来年刊行するのか、それは神のみぞ知る・・・。タックシリーズ
はほんとにいい加減続きが読みたいです。そして矢吹シリーズ・・・駆が出る正編が早く
読みたいです。ナディアの方はゆっくりでいいから、そっちをお願い・・・。



ちなみに、収録されてる海堂さんの短編はまだ読んでません^^;そのうち暇があったら
読むと思うけど、いつになるやら。
あと、海外部門もすべて読み飛ばしました・・・すみません^^;
ワンコインなら、まぁ、楽しめたかな。投票した人のベスト5も人によって全然違って
面白い。個人的には21位に入った飛鳥部勝則さんの『堕天使拷問刑』ワセダミステリクラブ
全会一致で1位に挙げたというのが嬉しかったな。あんなキワモノミステリをそこまで評価
する人間が私以外にもいたと思うと妙に嬉しい(苦笑)。

自分の年末ランキングもそろそろ考えなければいけないなぁとは思うのですが・・・今年は
非常に悩みそうです^^;うだうだ考えてて結局発表できなかった・・・とかになりそうだ^^;