ミステリ読書録

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「皇室の名宝―日本美の華」

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東京・上野「皇室の名宝―日本美の華」

御物および、正倉院三の丸尚蔵館など宮内庁が所蔵する皇室ゆかりの名宝を一堂に集めた特別展。
狩野永徳の唐獅子図屏風、伊藤若冲動植綵絵三十幅を第一期、東京で久々の公開となる正倉院宝物
を第二期で公開する。



天皇陛下御即位20年を記念して、皇室ゆかりの名宝を集めた展覧会。
les-fleursさんのブログで紹介されていたのを見て、若冲が展示されるのは第一期の
11月3日までと知り、いてもたってもいられず観に行ってきました。


・・・いやぁ。もう、声が出なかったです。どれもこれもがあまりにも素晴らしい名品
だらけで。全部が全部国宝級なんですもの。まず狩野永徳「唐獅子図屏風」からし
すごかった。永徳の曾孫に当たる狩野常信の作品と対になっているのですが、
やはり永徳の圧倒される存在感のある唐獅子に比べるとちょっと迫力が足りなかった
感じがしましたね。



狩野永徳「唐獅子図屏風」
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でも、やっぱり今回の見どころはなんといっても伊藤若冲。全30幅からなる動植綵絵
のシリーズは、所蔵している皇居、三の丸尚蔵館でも展示スペースの都合上、めったに全幅
揃って観られる機会がないのだとか。それが今回一挙に一堂に会するってだけで、行く価値が
ありますね。

いや、もう、ほんとうに、まさに圧巻。としか言い様がなかったです。平日の午前中だった
にも関わらずものすごい人だかりだったのですが、中でも若冲スペースの人の多さと
熱気と言ったら、もう、何のお祭りかとおもうくらいでした。でも、私もそれに負けじ、と、
意地でも一番前で観るために必死でした。全然前に進まなくて、一枚の絵を観るのに10分
位かかったりしてましたけど・・・^^;;


どの絵も素晴らしくて、ただただ若冲の筆致の細密さ、構図の面白さ、色彩の美しさに
圧倒され、ひれ伏すのみでした。正確な筆致の中にちょこちょこ盛り込まれるユーモア
がまた若冲の稚気を感じて微笑ましくなったり。ほんとに日本画の中では希有な存在
だと思います。



伊藤若冲動植綵絵 老松白鳳図」
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これはお気入りの一作。羽のハートが可愛い^^


伊藤若冲動植綵絵 牡丹小禽図」
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伊藤若冲動植綵絵 群鶏図」
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にわとりは全部で14羽だそうです。躍動感がすごいですね~。






伊藤若冲「紅葉小禽図」
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若冲の絵はとにかくどれもが素晴らしすぎて、ため息しか出なかったです。一番最初に
展示されていた「旭日鳳凰図」もすごかったなー。細密で色鮮やかな鳳凰の図に口を
あんぐり開けて見入ってしまいました。画像紹介したかったです。
海の生物が描かれた一連のシリーズも面白かった。特に「諸魚図」に描かれていたタコ
の足に小ダコがくっついているのがもう、なんとも可愛らしくて笑ってしまった。




上村松園「雪月花」
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松園もあると聞いていたので楽しみにしていたのですが、この「雪月花」だけでした^^;
松園らしい美人画が観たかったなー。贅沢か。



壺やら置物やらの工芸品も素晴らしかったのだけど、画像が探せなくて紹介できません
でした^^;青磁の壺や七宝の壺など、目を瞠るような名品がズラリと展示されてて、
ほんとに眼福とはこのことだなぁと思いました。

そして、これまた画像が探せず残念だったのが酒井抱一「花鳥十二ヶ月図」。抱一の絵は
ほんとに風情があって、美しい。若冲の絵とはまた違った魅力があって大好きです。
あと、気に入ったのは丸山応挙「旭日猛虎図」。虎の表情と格好がなんか猫っぽくて妙に
可愛らしくて好きでした。



まぁ、なんともかんとも、贅沢な展覧会で、お腹いーっぱいって感じです。大満足。
今年観た展覧会の中でも、ダントツで見応えがありました。ほんとに、行けて
良かったです。でも、あの人の多さだけはなんとかなんないかなぁ・・・。
あの若冲コーナーを一人で観賞できたら、どれだけ幸せなことか。絶対、あり得ないんだけどさ。


東京近郊の方には是非とも観に行って頂きたい展覧会です。これだけ内容の濃い展覧会
はそうはないと思います。絶対観て損はしない筈です。
第1期は11月3日までで、2期からはまた展示内容が変わるそうなので、ご注意を!
(ちなみに、若冲は1期のみです)