ミステリ読書録

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神永学/「心霊探偵八雲 < 8 > 失われた魂」/文芸社刊

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神永学さんの「心霊探偵八雲 < 8 > 失われた魂」。

鍾乳洞の奥の岩屋のような場所で目が覚めた八雲。そのそばには血まみれの死体が――!?自らの
両手にもべったりと血の後がついてた。しかし、気を失う前後の記憶がなく、首の後ろに鈍痛が
あった。何があったのか――思いだそうとすると首の後ろの鈍痛は酷くなる。すると、暗い響き
を持った女の声が聞こえてきた。八雲にはそれが恨みを持った死者の魂であることがわかった。
少女を追って出入り口の扉の前に立つと、そこに一枚の紙が貼ってあった。その紙に書かれた
文言を読んだ八雲は、駆け付けた警察を振り切って逃亡するしかなかった――緊迫の逃亡劇の
裏にはある陰謀の影が――シリーズ第8弾。


巷では新刊が出る度に売上ランキング上位になって人気があるらしいのに、なぜかヤフーブログの
お仲間さん内ではいまいち読んでる人がいないこのシリーズ。まぁ、私も惰性で追いかけてる
ところがなきにもあらずだったりもしますが。著者あとがきによると、一年半ぶりの新作
だそうです。そんなに出てなかったんだっけ~とちょっとびっくり。今回はのっけから八雲が
大ピンチに陥ります。主人公が○○の○○○になって追いかけられるって展開、金田一少年とか
にもあったような・・・。この手のシリーズにはありがちな設定ではありますが、八雲の逃亡劇に
はらはらさせられながら読みました。ただまぁ、このシリーズでこの内容で500ページは引っ張り
すぎじゃないかなぁ。シナリオみたいな文章であっという間に読めちゃう読みやすさがあるので、
さほど冗長には感じなかったけれど。

今回は一心さんに変わって、新たな坊主キャラ登場。一心さんの師匠の英心さん、かなり素敵
キャラで気に入りました。でも、言動とか見てるとどうも年齢不詳な感じがしちゃうんです
よね~^^;年齢的には結構な高齢な筈なんですが、とても若々しくてお茶目な言動して
くれちゃったりするんで。後藤刑事をおちょくって遊んでるいたずらっこっぽいところが
笑えました。後藤刑事は八雲といい、英心さんといい、どうも人からからかわれ、使われ
やすい人のようです(苦笑)。今回の後藤さんは、八雲の逃亡を助ける為に、かなり大胆な
行動に出て、警察官としての地位を危うくしてしまいます。そこまで八雲のことを大事に
思ってたのだとわかって、ちょっと嬉しくなりました。それにも増して、八雲と供に逃亡を
続ける後藤さんを心配する石井刑事の、後藤刑事への想いの強さにも驚かされましたが。
かねがね、なんで石井さんがそこまで後藤さんに憧れるのかは疑問に感じていたのですけどね・・・。
いつもは情けないキャラの石井さん、今回はなかなかの活躍っぷりで、刑事としてちゃんと
成長しているなって感じがしました。今回警部補に昇進しますし。ただ、終盤、ある失態を
犯してしまい、動揺して泣いちゃうところなんかは相変わらずでしたが^^;いつものこける
シーンもちゃんと出てきましたしね。基本的な性格はこの先も変わらないんだろうなぁ。
このままいけば、下手すると石井さんが後藤さんの上司になる可能性もあるかもしれない
な~と思って読んでいたのですが・・・幸いなことに、それはなさそうです(理由は、ラスト
まで読んでいただければわかります)。

今回はほとんど離れ離れの八雲と晴香。それでも、二人の心の距離が確実に近づいていることが
伺えて嬉しい。特に、普段感情を表に出さない八雲が、晴香を大切に想っていることがかなり
ストレートに伝わってきたので、ちょっと驚きました。物語がクライマックスに近づいていくに
つれて、二人の距離ももっと急接近するのかもしれません。お互いに大切に想っているのに、
ほんとにじれったい二人です。その辺のじれったさが面白いところでもあるんですけどね。

そして、今回も七瀬美雪は凄まじい。思いっきり、やってくれちゃってます。完全に、八雲の
父を凌駕する悪役に成長しております。怖いです。こんなすごいキャラにするなら、やっぱり
この名前はやめておけばよかったのに・・・。金田一少年ファンから苦情きてないのかしらねぇ。

クライマックスではやっぱり八雲父と八雲の直接対決になるんでしょうね。ここまで来たら
最後まで追いかけ続けますよ~。晴香ちゃんと幸せになる姿を見届けないとね(母心?笑)。