ミステリ読書録

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「フランク・ブラングィン展」

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東京・上野 国立西洋美術館開館50年記念事業フランク・ブラングィン展」

英国を代表する作家フランク・ブラングィン(1867-1956)は、画家、版画家、壁面装飾家、
工芸デザイナー、建築・空間デザイナー、コレクターなど多彩な顔を持ち、国立西洋美術館設立
の礎となった松方コレクションの指南役としても活躍。本展は、ブラングィンと松方幸次郎との
関わりを軸にブラングィン芸術を回顧する日本では初の展覧会。


母が読売新聞からチケットをもらったので行ってきました。実は恥ずかしながらブラングィン
さんのお名前を知ったのは今回が初めて。作品自体はいろんな展覧会で目にしていたかも
しれませんが、お名前は全然覚えておりませんでした^^;でも、チケットに描かれている絵
を見た限りはかなり私の好みの絵っぽいので、きっと楽しめるだろうな、と思っていました。
で、実際観に行ってみて、予想通り、なかなか私好みの絵で予想以上に楽しく観ることが
出来ました。印象に残った絵もたくさんありました。このブラングィン氏、絵だけではなく、
非常に多彩なジャンルの方面で才能を発揮された方で、油絵だけではなく、版画や工芸・
建築・家具デザインなども手掛けていて、そのどれもが素晴らしい作品ばかりで感心しました。
アール・ヌーヴォー期の画家なので、装飾芸術の方面の作品はやっぱりミュシャの雰囲気に
似てるな、と思いました。油絵の描き方もどことなく似てる感じもしましたし。ただ、繊細
そうに見えて実は大胆なタッチと、鮮やかな色彩感覚は独特のものがあるな、と思いました。
遠くから観た印象と、近づいて観た時の絵の印象がかなり変わるので面白いなぁと思いました。
遠くから全体を見ると実に繊細な絵に感じるのですが、近づいて良く見ると、意外に線が太かったり、
絵の具の載せ方が大胆だったりする。当然計算されて描かれているのはわかるのですけれど。
全体的に労働者を描いた絵が多く、生命力に溢れた力強い男性的な絵が多かったように思い
ました。どの絵もなかなかに魅了されて圧倒されてしまいました。
GWの中日で平日だったせいなのか、マイナーな画家だからなのか、非常に空いていてじっくり
一枚づつ鑑賞出来たので良かったです。やっぱり美術館はこうでなくちゃね。

ちなみに、このブラングィン氏は国立西洋美術館設立の立役者・松方幸次郎氏と非常に懇意で、
松方氏は彼の作品をたくさん集めてパトロンになっていたのだそう。そして、ブラングィン氏
デザインによる壮麗な美術館を東京の麻布に建てる計画があったのに、結局頓挫してしまった
のだとか。その美術館の完成予想風景が館内のビデオで上映されていたのですが、海外の美術館
なみに大きくて美しくて立派なものでした。実現しなかったのが本当に残念。もし、計画が
実現してその美術館が建っていたら、間違いなく東京を代表する美術館になっていたのでは
ないでしょうか。なんで頓挫しちゃったのかなぁ。お金の問題かなぁ、やっぱり。


「松下幸次郎の肖像」 一時間くらいでちゃっちゃと描いたものらしいです。すごいー。
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「海賊バカニーア」 海賊の旗の赤が非常に効いていますね。
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「海の葬送」 静寂を感じる作品。死者を送るのだから当たり前なのだけれど。
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「りんご搾り」 りんご嫌いなんだけど(^^;)、可愛らしい絵で好き。
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「白鳥」 白鳥メインなのに、とっても華やかでカラフルな印象の絵。これは一番印象に残った絵で
魅了されました。
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「背後に別館を配した美術館の俯瞰図」 実現したら素晴らしい美術館だったのに。残念。
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ブリュージュヤン・ファン・エイク広場の恋人たち」 漆原由次郎の彫り・摺りで制作された木版画
夜の深い青と街灯の光に浮かび上がる前景の対比が美しい作品。les-fleursさんのコメントで
思い出して画像を追加しました。これは気に入ったのでポストカードも買ってしまいました。
浮世絵っぽいですよね。
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とても面白く観れました。でも、実はもっと見ごたえがあったのは常設展。実は、今まで西洋
美術館に行って常設展をまともに観たことがなかったのです。企画展だけ観て外に出て来て
しまっていたのですね。今回、なんとなく、せっかくだから常設展の方も観て行こうってことに
なって、そちらにも足を運んだのですが、いやはや。常設展があそこまで充実していたとは。
今まで、本当に勿体無いことをしていたと反省しました。とにかく、展示数も多いし、その
一つ一つが素晴らしいものばかり。西洋美術史に名を残す錚々たる芸術家たちの作品が一堂に
揃っていて、まぁ、見ごたえのあることあること。びっくりしました。
大好きなモローやラ・トゥール印象派の画家たちの作品が観れたのも嬉しかったし、この間
読んだ深水黎一郎さんのエコールドパリを扱った作品に出て来たスーチンの作品も生で観れて
感動。ああ、これがあのスーチンの赤か!と思いました。
今度から西洋美術館に行ったら絶対常設展も観てこよう、と認識を改めさせられました。
ちなみに、一緒に行った母はブラングィンの絵がいまひとつ気に入らなかったようで、常設展の
方がずっと良かったと言ってました^^;

美術館を出た後は新宿に出て、「ビビンバが食べたい!」という母のリクエストに従い、
マイシティの上の韓国料理屋で昼食。
ついでに母の日が近いのでプレゼントも買ってあげました(たいしたものじゃないけど^^;)。
少し前にフラワーアレンジメントのお教室で母の日用のアレンジメントを作ってあげて
いたので、それと併せて母の日のお祝いにしました。喜んでくれたので良かったです^^


石焼ユッケビビンバ コチュジャンいっぱい入れてまぜまぜして頂きました♪美味しかったぁ^^
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母の日用アレンジメント。紫とかうす緑のカーネーションは珍しいので、生けていて新鮮でした。
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なかなか充実したGWの一日でした。
5月いっぱい開催するようなので、東京近郊の方は足を運んでみてはいかがでしょうか。
(絶対に、常設展も併せて観ることをオススメします!)
~5/30(日)まで。