ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

「マネとモダンパリ 三菱一号館美術館記念展<Ⅰ>」

イメージ 1

「マネとモダンパリ 三菱一号館美術館記念展<Ⅰ>」。

マネの芸術の全貌を、当時のパリが都市として変貌していく様子と結びつけながら紹介していく
展覧会。マネの油彩、素描、版画約80点が出品され、同時代の作家たちの油彩、建築素描、彫刻、
写真など約60点もあわせて展示する。2010年4月に東京・丸の内に開館した三菱一号館美術館
開館記念展。




8連休の最終日、行ってきました。丸の内にオープンしたという三菱一号美術館。オープン記念展
が大好きなマネだと知って、絶対に行きたいと思っていた展覧会。
行って一番驚いたのは、美術館のつくり。丸の内のオフィス街のど真ん中とは思えない程
緑溢れる美しい中庭を抜けると、煉瓦造りのレトロな洋館が出現。ヨーロッパ風の洋館を現代風に
アレンジした館内は、クラシックとモダンが融和した不思議な空間で、展示室と展示室の間には
必ずガラスの自動ドアがついている。音や光が漏れないようになのかなぁ、これ。静かに鑑賞出来る
ように?私は平日に観たからまだ空いてたけど、これ、混んでる時は大変かも。自動ドアから先に
行けない~!とか^^;展示は一階からエレベーターに乗って三階に上がり、三階→二階の順で
鑑賞するようになってます。一階まで展示があるのかと思ったら二階まででした^^;マネ以外
の絵もたくさん展示してありましたが、まとまってたくさんのマネの絵が観れて嬉しかったです。
有名な絵もたくさん来ていたし。もう少し油絵の比率が高かったら良かったけど(素描や写真
なんかも多かったので^^;)。でも、展示室を埋める為に無理矢理持って来たっぽい(苦笑)、
パリの劇場や教会などの設計図なんかも非常に精密で美しくて、結構観ていて面白かったです。
パリに無性に行きたくなってしまった。フランスももう長いこと行ってないからなぁ・・・。


スペインを題材にしたものはやっぱりマネらしさが出ている絵が多かったですね。


「ローラ・ド・ヴァランス」 カラフルなドレスの模様が印象的。でも、この絵を発表した時の
周りの反応は「色彩がめちゃくちゃ」とぼろくそだったらしい。スペインぽくていいじゃない、ねぇ?
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/belarbre820/20010101/20010101002640.jpg



「街の歌い手」 モデルはマネが画壇に一台センセーショナルを巻き起こした『オランピア
や『草上の昼食』の裸婦モデルとなったヴィクトリーヌ・ムーランだそうです。服を着ていると
妖艶な感じがなくなりますね(当たり前か)。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/belarbre820/20010101/20010101002540.jpg



「死せる闘牛士(死せる男)」 もとはこの上部に三人の闘牛士と牛が描かれていたそうですが、
遠近感がおかしいとの批評を受け上部を切断してしまったらしい。かなり大きい絵だったもよう。
それにしても、絵を描く度にいちいちお決まりのように非難されますね(苦笑)。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/belarbre820/20010101/20010101002600.jpg


エミール・ゾラ これはやはり一番見ごたえがありました。右上部にあるマネの
オランピアの習作が非常に意味深。浮世絵や屏風絵が表すジャポニスムも印象的。画壇から
一心に批判を受けるマネを擁護し、友好を結んでいたゾラへの友情が感じられる傑作ですね。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/belarbre820/20010101/20010101002610.jpg



「すみれの花束をつけたベルト・モリゾ これも今回の展覧会の目玉作品の一つでしょう。
ベルト・モリゾの絵は何枚もあったけれど、やはりこの絵が一番彼女の美しさや魅力を引き出して
いるのではないでしょうか。黒ずくめの服装と、彼女の白い顔の対比が鮮やかです。ちなみに
モリゾはマネの実弟の奥さん。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/belarbre820/20010101/20010101002620.jpg


「ラテュイユ親父の店」 女性を口説く好色そうな男性を見て、給仕が呆れているという
風刺の効いた、ちょっぴりコミカルさを感じる絵。暗い色彩の絵が多いマネには珍しいくらい画面
が明るさで溢れていますね。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/belarbre820/20010101/20010101002630.jpg


「フォリー=ベルジェールのバーの習作」 有名な完成作(下の絵を参照)と比較すると面白い。
細部も大分違うけれど、女性の髪型や顔の雰囲気も全然違いますね。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/belarbre820/20010101/20010101002650.jpg


「フォリー=ベルジェールのバー」 完成作。今回は来てませんでした。残念。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/belarbre820/20010101/20010101002700.jpg



とにかく、美術館前(裏?)の中庭が美しくて、まさに都会のオアシス!って感じ。あんなところで
お昼休みにくつろげたら最高だよな~と思いました。丸の内の会社員やOLさんが羨ましくなりました。


美術館に行く前に、神保町のティーヌンで昼食。ティーヌンは大好きなタイ料理のチェーン店。
ここのトムヤムラーメンがとにかく大好物なのです。毎日食べたいくらいです。ほんとに、
地元に出店して欲しいと切望しているのだけれど・・・(無理だろうなぁ・・・)。


ティーヌンのトムヤムラーメン  絶品。麺は4種類から選べるのですが、私はいつも中華麺。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/belarbre820/20010101/20010101002710.jpg



マネ展の後には新丸ビルでお茶。一階にあるチョコレート専門店(PALET D'OR)で
飲み物とスフレのセットを頂きました。スフレ大好きなのですが、都内で食べられるところって
ほとんどないので久しぶりに食べられて嬉しかった。新宿で良く行っていた喫茶店で出していたの
だけど、この間行ってみたらそのお店が閉店していてすごくショックでした・・・。
好きなお店が久しぶりに行ってみたら閉店してたって、すごく切ない気持ちになりますよね(涙)。


スフレのセット 普通、スフレって中にソースが入っていて、周りのふわふわ部分とソースを
絡めて食べるものなのだけど、ここのはちょっと変わっていて、脇に添えてあるソルベやバニラ
アイスと一緒に食べる。熱いスフレとアイスの冷たさの温度差ハーモニーが広がって絶品♪
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/belarbre820/20010101/20010101002540.jpg0




私がマネを好きな理由は(もちろん絵自体が好きなのが一番なのだけれど)、彼はどんなに周りの
批判を受けても、絶対に自分の信念を曲げずに、いつも挑戦的な絵を描き続けていたから。画壇に
新風を巻き起こし、良くも悪くも注目を浴びたマネの絵は、どの作品も個性的でセンセーショナル。
古典絵画の殻を破ろうと足掻くマネの飽くなき挑戦は、時代を超えて人々を感動させるのです。
やっぱり、マネの絵が大好きだなぁ。
連休最後、いい締めくくりの休日でした(その分今日の仕事は死にそうだったけど・・・^^;;)。


~7月25日(日)まで。