ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

「借りぐらしのアリエッティ」

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<あらすじ>
古い家の台所の下に住み、暮らしに必要なものはすべて床の上の人間から借りてくる借りぐらしの
小人たち。そんな小人一家の14歳、アリエッティは、好奇心と伸びやかな感性を持つ少女。だが、
人間に見られないよう、目立たないよう、つつましさと用心深さを求められる毎日を送っていた
(あらすじ抜粋)。


今日は姪っ子(小4)の誕生日だったので、前売り券を買って誕生日祝いに連れて行ってあげました。
夏休みなのでファミリー向け映画は混むかもしれないと思い、二日前に座席を引き換えておいた
のですが、私の希望は『スクリーン後方の真ん中』だった筈なのに、渡された半券の席に着いて
みたら、『前列二番目』のド真ん前。なんで、どうして、私の希望は後ろ側だったはずなのにー!
と完全パニック。引き換えのチケット渡された時、まさかそんなミスをされているとは思わないから、
ちゃんと確認しなかった私も悪かったけど、それにしてもあまりにも観にくいのでどうしたものかと
しばし途方にくれてしまった。そのまま観るしかないかと一度は諦めかけたのだけど、やっぱり
500席くらいある大きなスクリーンの前から二番目ってのはあまりにも観にくすぎる。姪っ子も
「前過ぎて首が痛くなりそう・・・」と言うので、とにかく劇場自体は空いているのだからダメもとで
座席を変えてもらえるのか交渉しに行ってみると、あっさり非を認めてもらえて交換してもらえ
ました。当初向こうから言われた座席は当然のことながらうまっていて無理でしたが、それに
近い席だったので溜飲が下がりました。こんな簡単に変更してもらえるなら悩まなきゃ良かった
と思いました^^;まぁ、向こうのミスなのは確かなんだから当然なのかもしれないですが、
これが満席だったら変更は無理だった訳で。空いてる地元の映画館で良かったよ・・・。
それにしても、なんで後ろの方の席を希望してるのにあんな真ん前になってしまったのか。
あり得ないミスだよなぁ。初めてだよ、こんなの。もー(怒)。

というわけで、のっけからハプニングに見舞われ、少々テンション下がり気味だったのですが、
映画自体はなかなか楽しかったです。90分ちょっとしかないので全体的に物足りなさを
感じるのは前作のポニョ同様だったのですが、人間の住む家の床下で密かに暮らす小人の世界
が可愛らしくて、ミニチュアの世界を観ているだけでも楽しかったです。ストーリーとしては
人間側の登場人物から見ると大した事件が起きる訳ではないのですが、アリエッティ家族から
見ると、一家存続の危機という大ピンチに見舞われることになります。その落差が両者の住む
世界の違い、あるいは弱者と強者の違いをありありとと感じさせていたように思います。
アリエッティたちは、人間たちからほんの少しいろんなものを『借り』て、それを生活居住空間に
生かして生活しています。借りるものは様々。人間にとっては小さな道具一つが、アリエッティ
たちにとっては手に余るくらい大きくて実用性のあるものに変わっているところが面白い。
例えばまち針一本がアリエッティの武器であったり、アリエッティの髪をまとめている大きな
クリップは、人間にとっては小さな小さなミニサイズのクリップ。安全ピンが物をかけるフック
になっていたりとかね。そのひとつひとつがいちいち可愛い。作中で重要な役目を担う本格的な
ドールハウスの小道具も、アリエッティたちにとってはぴったりサイズ。キッチンのオーブン
が、火を入れると本当に使えるというのに驚きました。本物のドールハウスもそこまで精巧
なんでしょうか。実物を見てみたいものです。

ただ、ストーリーに大した起伏がある訳でもなく、ラストも「え、ここで終わっちゃうの?」
ってところでエンディングを迎えるので、小人の世界に興味がないひとにとっては、かなり
物足りなさを感じてしまうかも。映像はジブリらしくてとっても良かったですが。

個人的には、アリエッティと翔の関係をもう少し深めて劇的にして欲しかったかなーって
思いました。翔は、声を担当した神木くん自身がモデルとなっているだけあって、病弱で
薄倖の美少年然とした感じがなかなか良かったです。花畑が実にお似合いで(笑)。ただ、
声優としてはなんとなく違和感を覚えたところもあったような。実写でやった方がはまるのでは。

今回も声優を担当するのはやたらに豪華なメンバーたち。毎回思うけど、普通に本職の声優で
やった方がよっぽどいい映画になる気はするんだけどねぇ。ただ、今回突出して良かったのは
お手伝いのハルさん役の樹木希林さん。このハルさん自身がなかなかに強烈なキャラなのですが、
それに希琳さんのキャラがぴたりとはまっていて、笑えました。やることは全く笑えないんだけどね、
なんか彼女の登場シーンは笑いが起きるんですよね(苦笑)。腹黒な感じが、なんとも言えず
面白いキャラでした。
あと気に入ったのは猫のニーヤのキャラ。すんごい目付き悪くて、最初怖い猫かと思ったけど、
実はかなりいいヤツ(笑)。ジブリの猫キャラはいつもキャラが立ってて好きだなー。




以下、作品のラストに触れています。これから観に行かれる方はご注意下さい。















やっぱり、一番気になるのは、アリエッティと別れた後の翔の運命ですかね。えー、ここで
終わっちゃうのーーー!とかなり不満が。その後は各自で想像して下さい、ってやつなんだろう
けど。翔にとっては、明るい未来が待っていると信じたいですが。翔がアリエッティ『君は僕
の心臓だ』と告げるシーンには切なさでいっぱいになりました。あのまま、翔が譲り受けるで
あろうドールハウスアリエッティ家族が暮らせるような未来だったらいいのに。そんな甘い
未来があり得ないことも、翔とアリエッティが二度と再会しないだろうこともわかっては
いるのだけれど。せめて、翔の手術が成功する未来であって欲しいな。













関連グッズもなかなか可愛くて、大して文庫も読まないくせに、ついついブックカバーを買って
しまった(笑)。ブックマークのお花が可愛いんだもん。行かなかった本好きの甥っ子にあげよう
かとも思ったけど、さすがに中2の男子がアリエッティの顔が入ったラブリーなブックカバー
なんか恥ずかしいだろうと思ったからやめておきました(苦笑)。姪っ子には四つの絵柄の入った
スタンプセットが欲しいというので買ってあげました。映画自体もそれなりに楽しんでたみたい
なので良かったです(笑)。ただ、最後までなぜか映画のタイトルを『一人暮らしのエリエッティ』
と間違って覚えてましたが・・・(全部微妙にズレている(笑))。ちょっととぼけたところもあるけど(^^;)、
私にとっては可愛い姪っ子です(笑)。10歳の誕生日、おめでとう。


ブックカバー。スピンのオレンジのお花が可愛らしい♪
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