ミステリ読書録

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蘇部健一/「六とん4 一枚のとんかつ」/講談社ノベルス刊

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蘇部健一さんの「六とん4 一枚のとんかつ」。

ある日曜日、六人が殺された。死体は岐阜・明智鉄道の六つの各停車駅の近所で発見され、
犯人は電車を利用して犯行に及んだとみられる。最有力の容疑者には犯行時刻に鉄板のアリバイ
があり、事件は迷宮入りする―(「一枚のとんかつ」)。他、全11編を収録(あらすじ抜粋)。


蘇部クラブのみなさま、ごきげんよう!ついにクラブ員待望の六とんシリーズ最新刊が出ましたよ!
前作六とん3から早3年、発売情報を入手した際には、ようやくこの日が来たか・・・!と
感激もひとしお。当然、発売日の6日に入手しましたけれど、クラブのみなさんも、もちろん当然、
もうお手元に入手済みよね?でも、なぜ誰も記事にしていないのかしら・・・とりあえず先陣切って
記事が書けたことを喜ぶべきなのかしら。まさか、みんなソブケンへの熱意が薄れている訳ではない
わよね?いえいえ、まさか、ソブケンファンに限って、ソブケンを見捨てるなんてことがある訳が・・・
いや、うん、ないよね。うん、多分ね・・・。

ところでこの本、本屋で平積みになっていたのは当然だと思うけれど、なぜか同時発売の講談社
ノベルス新刊の中で、この本だけ一際高く積み上げてあったのは、きっと、売れちゃって店員さん
がすぐに補充した直後だったからに違いないわよね。まさか、この本だけ人気がなくて売れのこ・・・
いやいや、まさか、そんな。ある訳ないわッ。大人気六とんシリーズに限って、ねぇ。
もちろん、何の躊躇もなく手にした訳ですけれど、正直、うら若き乙女(どこに?っていう
ツッコミはスルー)にとっては、ちょっとレジに持って行くのが恥ずかしかったわ。すかさず
裏表紙の方を上にして店員さんに手渡してしまったじゃないの。ソブケンファンとして失格かしら。

え、前置きが長いって?内容を説明しろ?それはもう、読んで下さいとしか。ええもちろん、
とっても楽しめましたわ。帯の『KING OF BAKA』の文字が燦然と輝いている通り、内容も
素晴らしくバカミスでした。でも、前作で提示された『トホミス』はどこに行っちゃったのでしょう。
どちらかといえば、トホミスの方がこのシリーズのジャンルを上手く言い表している気はするけれど。
今回も全編超弩級のくだらなさ。この独特の脱力感は、このシリーズでしか味わえないと思うよ。
いつものようにラストのイラスト1ページがオチになっている作品が多いのだけれど、今回も一度
読んだだけではピンと来ない作品がちらほら。しかも、オチになっていなようなのさえあった
ような・・・^^;
くだらなさNO.1は『犯行の印』のオチかなぁ。まぬけ過ぎるだろ・・・。『聖職』のオチは実は
最初なんだか良くわからなかったんですよ。でも、主人公が絵で持っているものと『○です・・・』
の言葉を踏まえると、なるほど、と腑に落ちました。だから辞表出したのか。最低なヤツだな。
『ひとりジェンカ』のオチは、あまりにも悲惨。でも、哀れな主人公が最後に叫ぶ言葉が
アホで好き(笑)。
『追われる男』のオチもいまいちわからなかったんですよね。この絵はどう捉えればいいんでしょう?
読んだ方、教えてください・・・。主人公のモデルはもちろんアノ女芸人さんですね。
ラスト二編、『恋愛小説はお好き?』琥珀の中のコートダジュールは、脱バカミス作品。
まぁ、どうということもなく(酷)。ちょっぴり温かい気持ちになれる白ソブケン作品(白乙一
目指しているのか?)。


そして、今回もあとがきは面白かったです。いや、笑っちゃいけないんだろうけど、フィクション
なんだろうけど!ソブケンならほんとにこういう体験してそうだから笑えます(苦笑)。
なんだか、カバー折り返しの素敵な著者近影を見てると、ほんとにメトロン星人に連れてかれ
ちゃいそうな気がするよ・・・。

でも、あとがき以上に面白いのが講談社のHPに載っているスペシャルインタビューと、ソブケン
自身によるあとがきのあとがき。自作解説は抱腹絶倒ものです。是非読みに行って
みて下さい。こんな愛すべきアホな作者に一生ついて行こうと思いました(←変?)。
記事のテンションが変ですみません・・・。



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