ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

メフィスト編集部/「QED 鏡家の薬屋探偵 メフィスト賞トリビュート」/講談社ノベルス刊

イメージ 1

メフィスト編集部「QED 鏡家の薬屋探偵 メフィスト賞トリビュート」。

豪華執筆陣が講談社ノベルスの人気作をトリビュート!
佐藤友哉鏡家サーガ」×『匣の中の失楽』の巨匠 竹本健治
高田崇史「QED」×ロジックの名手 西澤保彦/「鬼籍通覧」の法医学者 椹野道流
高里椎奈「薬屋探偵妖綺談」×『若おかみは小学生!』の人気作家 令丈ヒロ子/人気アニメ
脚本家 時村尚(紹介文抜粋)。


メフィスト賞受賞のシリーズものを、他作家が換骨奪胎して書き下ろしたトリビュート。元ネタと
なるシリーズは一応三つとも既読ですが、佐藤さんは二作目以降止まったままだし、高里さんは
多分5~6冊くらいは読んだと思うけど、どうにも肌に合わなくて挫折。純粋に「好きだ」と
断言出来るシリーズはQEDシリーズだけだったんですが、それでも、一応キャラとか設定は
知っているのでそれなりに楽しむことが出来ました。


鏡家サーガ
竹本健治『<鏡家サーガ>漂流カーペット』
森の中、巨大なカーペットの上で記憶を失った状態で出会った三人の男女。お互いに探り合いつつ
森の中を歩いて行くと、ある村に辿り着く。村人に様々な質問をぶつける三人だったが、その村では、
よそ者に対しては一人につき一つしか質問に答えることが出来ないという掟があった。

最後を読むまで一体誰が鏡家と繋がっているのかさっぱりわかりません。村人がよそ者に
対して一人一つまでしか質問に答えられないという設定は面白かった。昔流行った多湖輝
『頭の体操』シリーズにこういう問題があったような。結局、三人の男女のうち他の二人って
一体何者だったんでしょうか・・・。あと、読み終えて今更だけど、三人の中の長身の男の
正体は鏡創士でいいのかな・・・実は、イマイチよくわかりませんでした^^;;


QED
西澤保彦『<QED>外嶋一郎主義』
ある女性のストーカーをやってるおれは、いつもの如く、彼女が通うコンビニにやってきた。
しかし、その日に限ってそこで男に裏切られ暴走した女が刃物を持って立てこもり始めた。
暴走女の間違ったダイエット知識に対して、居合わせた奇妙な男が物申し始め、その場は
意外な空気に・・・。

ダイエットに関する薀蓄はなかなかためになりました。外嶋さんの、どんなに緊迫した状況
でも動じない大物っぷりが素敵です。それにしても、最近の西澤さんの作品って健康に
関係するものが多いよねぇ。よっぽど、ご自身の健康に不安を覚えているんでしょうね・・・。

椹野道流『<QED>薬剤師とヤクザ医師の長い夜』
法医学教室の新米医師・伊月は、学会の帰りに以前先輩医師に一度だけ連れて行かれた
バーに行ってみることに。客は伊月の他に男が二人。特に言葉を交わすでもなく、店じまいの
三時まで黙々と飲み明かした三人は、店を出て同じエレベーターに乗り合わせた。しかし、
突然エレベーターが止まり三人は閉じ込められてしまう。その上、三人の内の中年男が
閉じ込められたショックで心臓が停止してしまう――。

QEDのタタルさんと鬼籍通覧シリーズの伊月のダブル崇共演が楽しかったです。いかにも
二人がしそうな会話で、にやにやしながら読んじゃいました。薬剤師とヤクザ医師、タイトルも
楽しい。でも、伊月のキャラはヤクザ医師って感じではないですけどね^^;


【薬屋探偵妖綺談】
令丈ヒロ子『<薬屋探偵妖綺談>リベザル童話「メフィストくん」』
かしこくってききわけのよいあっくんは、だれからも『しっかりしたよい子』と思われてきましたが、
それはあっくんがつくっている自分でした。本当のあっくんのことはだれもしりません。そんな
あっくんの前に、あっくんと同い年くらいの真っ赤な髪のちっちゃな悪魔があらわれました。
悪魔はメフィストとなのりました。あっくんはメフィストくんのことがだいすきになりました・・・。

初めましての作家さん。すみません、全くお名前も知りませんでした^^;
でも、作品はなかなかほのぼのしていて楽しかったです。あっくんとリベザルの心の交流に
温かい気持ちになりました・・・が、それを台なしにしてくれたあの人の意地悪さに呆れつつ
笑ってしまいました。やりそう、やりそう(笑)。
元ネタのシリーズは途中挫折したのですが(とにかく文章が合わなかった)、メインキャラは結構
好きだったので、彼らとの再会は嬉しかったです。

時村尚『<薬屋探偵妖綺談>一杯のカレーライス』
冴えないシナリオライターのオレ。最近仕事がめっきりなくなり、赤貧状態。このままだと餓死
するかもしれない・・・そんな時、一軒のレトロな薬屋の前を通りがかり、気がついたらドアを
開けて中に入っていた。そこにいたのはとんでもない美形の男と意地悪そうな美少年。
美形の男は空腹のオレに一杯のカレーライスを振舞ってくれた。その味のあまりの旨さに
オレは何倍もお代わりをしてしまうのだが――。

こちらも初めましての作家さん。これは一番つまんなかったかも。先も読めちゃうし、カレーを
食べたことで次々と体験する嘘の出来事の順番が変。思いついた話を適当に羅列しちゃった感じで
何かやっつけ仕事みたいな印象を受けてしまいました。タイトルも、一杯のカレーライスじゃなくて
何杯もおかわりしてるから、ちょっとそぐわない感じするしね。




やっぱり一番シリーズとして好きなQEDを題材にした二作が良かったです。多分、他に関しては
元ネタのシリーズにそれ程思い入れがないせいかも(作品もそれぞれ数作しか読んでない
ですし^^;)。でも、面白い趣向のアンソロジーなので、今度は他のシリーズでもやって欲しい
ですね。例えば浦賀さんの安藤シリーズとか六とんシリーズとか・・・って、書いてくれる人
いるかな・・・いなさそう・・・(弱気)。
しかし、このタイトルはどうなんだ^^;ひねりなさすぎ。ってか、QEDは?

↑すみません、記事を書いた後で『QED』が冒頭につくって気づきました^^;表紙の字が
離れ過ぎてて完全に見落としてました・・・^^;;