ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

蒼井上鷹/「バツリスト」/祥伝社刊

イメージ 1

蒼井上鷹さんの「バツリスト」。

「次の“バツ”は、こいつに決定していいと思うのですが」自殺した息子が遺した一冊のノート。
そこには息子を死に追いやった人物たちの名が記されていた。嶋津は復讐に乗り出すが、老体に
むち打つ彼に協力者が現れて…。連中を罰したい(あらすじ抜粋)。


ひさっびさに蒼井さん。割合コンスタントに作品は出ているのですが、途中からなんとなく
追いかけるのが面倒になってスルーしちゃってました。本書は装幀が好みだったのと、冴さんが
記事にしてらして面白そうなんで、借りてみました。

・・・が、うーむ。今回もやっぱり微妙だった・・・。設定自体にまずもって無理があると
いうか・・・。10年前に自殺した息子が書き遺したノートを元に、息子の死に関わった人物
たちに対する復讐を始めた父親と、その復讐を手伝う友人たちによる復讐劇ってのが作品の概要
なんですが。なんだか、わざわざ犯罪者となる危険を冒してまで、協力者たちが父親に協力
しようとするって辺りに、どうも説得力が欠けているように感じてしまって、ちょっと入って
いけないというか、斜に構えて読んでしまったところがありました。あるモノの証拠を隠滅する
為にカレーと一緒に煮込むって所も、なんか、想像したら気持ち悪かったです。柿カレーって
実際美味しいんですかねぇ。でも、これを読んで、柿カレー食べたい!とは、思わなかったなぁ^^;
むしろ、最初に証拠隠滅した後で、何度も登場人物たちが柿カレーを食べる神経がちょっと信じられ
なかったです・・・私だったら、食べたいとは思わないぞ、絶対^^;

あと、何人かいる島津の協力者たちの書き分けが甘いせいか、誰が誰だかよくわからないで
読んじゃってました^^;全員苗字で呼び合っているので、誰が男性で誰が女性かっていうのも、
読んでるうちに混乱して来ちゃったところもありましたし。岸見は役割がはっきりしていたので
わかりやすかったのですが・・・。

全体的にごちゃごちゃしていて、終盤の真相がわかるくだりも、いまいち驚けなかったというか、
なんだかよくわからないまま読了しちゃった感じです。協力者たちが<×>で作戦会議をする
くだりなんかはテンポ良く面白かったし、冒頭や終盤の手紙のやり取りが重要なポイントに
なってる構成も良かったとは思うのですが。
なんか、もう一味パンチが欲しいというか・・・この人の作品って、いつもそんな感想なんです
よね^^;面白い一歩手前というか・・・なーんか、微妙な感想になっちゃう。面白くない訳
でもないんだけど、すごく面白いとか感心したってものもないような・・・あれ、微妙に黒べる
入ってるかな^^;;;
でも、多分懲りずにまた読んじゃうんだろうな。新刊出したら、気になる作家なのは間違いないので。
感想も上手くまとまってなくてスミマセン・・・。