ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

大崎梢/「かがみのもり」/光文社刊

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大崎梢さんの「かがみのもり」。

お騒がせコンビの中学生男子が持ち込んだのは、金色に輝くお宮の写真。トラブルが始まったのは、
それがきっかけだった…。片野厚介は新任の中学教授。教え子の笹井と勝又が、立ち入りが禁止
されている神社の裏山で、美しい奥宮をみつけたと言ってきた。その在処をめぐって接触してくる、
怪しい組織と、謎の美少女中学生。降りかかるピンチの連続に、三人は、幻のお宝を守れるのか
(あらすじ抜粋)。


大崎さんのジュヴナイル。といっても、主人公は中学の教師だから、厳密にはジュブナイルとは
言わないのかな。割と展開もシリアスだし。それに、ジュヴナイル体裁にしては、なんだか
読みにくかったんですよね。題材のせいかな。主人公の教え子二人が入っちゃいけないと言われて
いる裏山に探検に行って、ある物を発見し、それをブログに載せてしまったことから起きる騒動
を描いたミステリー(サスペンス?)。どうも、ストーリーにイマイチ魅力を感じないし、出て
来る登場人物たちにも感情移入出来なくて、かなり苦戦しました。特に前半はだらだらした感じ
で、なかなかページが進まず、薄い本なのにちょっと時間かかってしまいました。実は、感想
自体も書くことがあんまりない・・・^^;記事も書こうか迷ったのですが、一応備忘録として
残しておこうと思って書くことにしました。・・・が、やっぱり、あんまり書くことがない^^;
なんか、一つ一つの要素が料理しきれてなくて、薄っぺらいストーリーになっちゃってる感じが
しました。『ねずみ石』もそうでしたが、大崎さんのこの手の作品とは相性がよろしくない
ようです・・・。『片耳うさぎ』までは、まだ好みだったんだけどな。
終盤の与木の行動も、多分そうなるだろうなぁ、という予想通りの展開でしたし。隠された
お宮の背景にある人物関係も、ちょっと複雑で分かりづらかった。

各登場人物のキャラ造形もいまひとつはっきりしてなくて、ぼやけた印象でした。特に、メイン
で登場する男子中学生の二人組は、どっちがどっちだか最後までよくわからないで読んでました^^;
裏山探検したことを安易にブログに載せて、騒動が起きたら担任に頼る、という無責任さにも
イライラしたし。ジュブナイル体裁で、少年キャラに好感が持てないのは致命的だと思うんです
けどね・・・。主人公の厚介の実家の設定も必要だったのかな。いまひとつストーリーに生かされて
いなかったような。

うーん。なんだか、読み終えて爽快感もないし、読後に残るものがあんまりないなぁ。
表紙だけ見てると、ジブリ辺りでアニメ映画化されそうな雰囲気なんだけどね。
大崎さんは、やっぱり本関係の作品の方が読んでてしっくり来るんだよなぁ。それでも、ついつい
新作が出ると予約してしまうのだけど。これの後に出たやつも予約中。そっちに期待しよう。


なんか、書いてみたら、結構黒べる子よりになってるな^^;読んだ時はなんか進まないとは
思ったけど、そこまで悪いとも思ってなかった筈なのに^^;大崎ファンの方、すみません・・・。