ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

西尾維新/「花物語」/講談社刊

イメージ 1

西尾維新さんの「花物語」。

悪マーセント趣味で書かれた小説です。――西尾維新

“薬になれなきゃ毒になれ。でなきゃあんたはただの水だ”
阿良々木暦(あららぎこよみ)の卒業後、高校三年生に進級した神原駿河(かんばるするが)。
直江津(なおえつ)高校にひとり残された彼女の耳に届いたのは、“願いを必ず叶えてくれる
『悪魔様』”の噂だった……。
<物語>は、少しずつ深みへと堕ちていく――これぞ現代の怪異! 怪異! 怪異!
君を知り、解きはなつための物語(紹介文抜粋)。



えっと・・・すみません、結構黒べる記事です・・・。ファンの方、未読の方はご遠慮
頂いた方が良さそうです・・・^^;;








『物語』シリーズ第七弾、になるのかな。今回は、神原駿河視点。なのだけれど・・・
うーん、うーん・・・なんか、一作ごとに面白味がなくなって行くのは気のせいだろうか・・・。
というか、これは主人公のせいとも言うのだと思うけれど。駿河の内面心理って、なんだか
全く面白味がないんですよねぇ。彼女の左腕がああなってしまった理由とか、一作飛ばした
せいなのか、はたまた私が忘れているせいなのか、全然わからないし、出て来る登場人物も
なんだかピンとこない人ばかり。阿良々木暦戦場ヶ原ひたぎの名前はやたらに良く出て来る
けれど、本人登場は暦だけ最後にちらっと出て来るだけだし。やっぱり、もっと暦が活躍して
くれないと、面白くないのかも。駿河だけだと、どうしてもストーリー的に地味だし、結局
何が書きたかったのかよくわからなかった。最後も盛り上がりなく終わっちゃったし。無理矢理
暦を登場させて、なんとなく駿河が納得出来る方向性を見出して終わりって感じで、なんだか
物語的に発展性がないし、何でこんな話わざわざ書いたのかなぁって感じはする。駿河の左腕に
決着をつけてあげたかったってことなのかもしれないですけどね。でも、追いかけるファンとして、
完全にこの中継ぎ状態の物語とも付き合わなきゃいけないって、結構苦痛だった。って、なんだか
かなりの黒べる子出現記事になっているではないか。まさかのこのシリーズで。やっぱり、いつも
会話だけは楽しく読めたところが、駿河視点だった為にそこもなかったのが致命的だったかも。
ストーリーがどうでも、不毛な会話が面白ければそれでオッケー!てなシリーズなんで。暦との
会話も結構真面目な内容だったから、特別面白いとも思わなかったしね。
沼地蠟花のキャラ自体も、なんだかぼんやりしていて、キャラが立つってタイプじゃなかったのも
痛かったかも。駿河って、一作目の化物語の時は面白いキャラだなぁと思ったし、かなり好き
だったんだけど、彼女一人になると、こんなに真面目で面白味のないキャラクターになっちゃうん
ですね。
しかし、彼女の暦とひたぎに対する尊敬っぷりにはちょっとビックリしました。特に、暦に対する
憧れの気持ちの大きさには、ちょっと引くぐらい。あの、変態妄想人間になぜそこまで!?
そもそも、暦がなぜそこまでこの街全体で名前を知られているのかがよく理解出来ないんですが。
いつの間に、そんなに有名人になっちゃったんだ?駿河が、暦の携帯番号を知っているだけで、
周りにどよめかれるのが不思議でした。一体、どんな伝説作ったんだ、暦^^;;

このシリーズ、細切れに読んでるせいか、前に出て来た登場人物をすぐに忘れちゃうんですよ。
だから、人物相関とかがイマイチわからず、いつも戸惑ってしまいます。そこを自分の中で
もう少し整理して読めば違うのかなぁ。
なんか、今回はいつもより更に、作者のひとりよがりが強かった気がする。読者置いてけぼり
っていうか。もともと、作者が趣味100%で書き始めたシリーズだから、作者が楽しければ
それで満足なんでしょうけどね。
なんか、もうちょっと読者のことも考えて書いて欲しいなぁ、とか思ってしまいました。


ありゃりゃ。ほんとに、今回は完全に黒べる子大出現になっちゃったなぁ・・・すみません^^;;
ちょっと、がっかりな内容でした。まぁ、そんなに期待して読んでる訳でもないんですけどね(酷?)。
とりあえず、ラストのひたぎエンドに期待しようっと。