ミステリ読書録

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神永学/「確率捜査官 御子柴岳人 密室のゲーム」/角川書店刊

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神永学さんの「確率捜査官 御子柴岳人 密室のゲーム」。

アンニュイでミステリアス、そして、少年と大人が同居するエキセントリックな数学者、その名は
御子柴岳人。警視庁に新設された「捜査一課特殊取調対策班」を舞台に、御子柴岳人の鋭い推理が
冴え渡る!(紹介文抜粋)


神永さんの新シリーズ(?)。変わり者の数学者と新米女刑事がコンビになって、事件の容疑者
の取り調べをするという、あらすじだけ見ると、どう考えても某大人気作家の某ガリレオシリーズ
とカブってる気がしちゃうんですけども^^;しかも、当の数学者が得意の確率を使って推理する
時、取調室のマジックミラーに字を書きなぐりながら説明するんですよ。その姿はまさに、テレビ
で福山○治がその場にあるモノに数式を書きなぐって推理を働かせるあの名場面のパロディかと
・・・^^;コンビを組む新米刑事のキャラ造形がこれまた、柴咲○ウのキャラに似てましたし。
ストーリー的にもキャラ的にも、ドラマ化狙ってるのかな~って感じの作品でありました(まぁ、
神永さんの作品って、大抵そんな感じなんですけど^^;)。

エキセントリックな御子柴のキャラは面白かったです。ただ、御子柴と女刑事の友紀とのかけあい
が、どうも、八雲と晴香のそれとダブってしまう印象がありましたけど。その八雲シリーズとの
リンクにはニヤリとしましたけどね。御子柴と八雲って、似たタイプな気がするから、二人に
交友関係があるっていうのは妙に納得できますね。ちょっと、二人がどんな会話してるのか
聞いてみたいなぁ(笑)。なんか、どっちかっていうと、年上の御子柴の方が冷静な八雲に
言い負かされることが多そう^^;御子柴って理系の頭はあるけど、国語能力は最低だからな^^;
チェスはさすがに御子柴の方が勝率高そうですけどね~。

ばらばらの事件に見えていたものが最後に一つに繋がる連作構成は良かったと思うのですが、
いかんせん、犯人がわかりやすすぎた(苦笑)。終盤、御子柴が犯人をじわじわと追い詰めて
行く過程は面白かったのですが、彼の意図が見え見えすぎて、ちょっと興ざめなところも
ありました。これで、真犯人を当てられない人がいるのかってくらい、先が読めちゃう展開
だったので・・・^^;あと、犯人の動機もちょっと納得いきかねるところがあって、もうちょっと
犯人の内面心理に切り込んだ説明が欲しかったな。

友紀の父親の事件のことも御子柴自身の過去も意味深に出て来るだけなので、確実にシリーズ化
を想定して書かれてますね。二作目では、二人の仲ももうちょっと進展するでしょうか。

確率の問題って大嫌いなので、その辺の御子柴の説明はさらっと流しちゃいました^^;でも、
文章自体は相変わらず読みやすいので、さくさく読めるところは良かったですね。ドラマ化
するなら、御子柴は誰かなぁ・・・。やっぱり、土曜9時の日テレで、ジャニーズ器用かな(笑)。