ミステリ読書録

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西尾維新/「囮物語」/講談社刊

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西尾維新さんの「囮物語」。

【100パーセント首尾よく書かれた小説です。――西尾維新】 “――嘘つき。神様の癖に” かつて
蛇に巻き憑かれた少女・千石撫子(せんごくなでこ)。阿良々木暦(あららぎこよみ)に想いを
寄せつづける彼女の前に現れた、真っ白な“使者”の正体とは……?<物語>は最終章へと、
うねり、絡まり、進化する―― これぞ現代の怪異! 怪異! 怪異!かみついて、君を感じる
罠の中(紹介文抜粋)。


相変わらず惰性で読んでいるこのシリーズ。当然の如くに次の鬼物語も予約中。しかし、
このシリーズは人気の割に蔵書が一冊しか入らないので(おそらく、講談社BOXという出版形態
に問題があると思われる)、回ってくるまでに絶対次の巻が出ちゃうんですよねぇ。毎月一冊
ペースで出てますからね、このシリーズ^^;

も、なんか感想らしきものも大してないんですけれども。今回もスピンオフ的な作品であって、
主要登場人物の出番は極力少ないです。相変わらず、暦だけは出場場面の少なさの割にかっこいい
登場の仕方をして、ヒーロー色を強めていたりするんですけれど。でも、どうも、最近の彼の
扱いには納得がいきかねるところもあるんですよね。だって、化物語の時はこんなかっこいい
キャラじゃなかったんですもん。妹萌えのヘンタイ妄想兄貴ってキャラで、ヒーロー要素なんて
ほとんどゼロに近かった気がするんですが。一体いつから、こんなオイシイキャラになっちゃった
んでしょうか、彼は。忍(幼女版キスショット)と一心同体になってからなのかなぁ。まさか、
上下巻の一作が抜けてるから(偽物語)その二冊分の間にそうなっちゃったって訳じゃない
ですよね^^;

そして、なんで暦はこんなに可愛い女の子からこぞってモテモテなんだ!わからない。全くもって、
彼がモテる理由がわからない。一作読むごとに、この謎は深まってゆくばかりだ・・・。
本書の主人公千石撫子嬢も、今までの女性キャラの御多分にもれず、暦に恋しちゃってます。
しかも、小学生の頃から6年間も片想い!!その熱い恋心から、今回の事件が引き起こされた
訳で。どこまで行っても、罪作りな男、阿良々木暦。単なるヘンタイ○ロ少年なのに・・・。
撫子のキャラは、いかにも西尾さんらしいキャラクターって感じ。周りから浮いていて友達
もいない孤独な人間の割に、孤独に屈することなく淡々と日々を生きていて、自分に自信が
ないのかと思いきや、自分が可愛いことはしっかり認識していて。そして、やたらに思い込み
が激しい。まぁ、あんまり好きなキャラとは言えなかったですね。

クチナワさんの正体や事件の真相は、意外に地味で平凡な着地点でちょっと拍子抜け。まぁ、
そこまで思いつめちゃってたってことなんでしょうけども。
ラスト、ひたぎのお願いをあっさり聞いちゃう撫子にも拍子抜けでしたが。そんなに簡単に
お願い聞いちゃうの?とツッコミたくなりました^^;さすが、ご都合主義小説。まぁ、
そのゆるさがこのシリーズの特徴のひとつでもあるんでしょうけどね。
卒業式の直接対決がどうなるのか、最終巻の刊行を待ちたいと思います。次巻はまた番外編
っぽい作品のようなので、その間に内容忘れちゃいそうだけど^^;;
しかも、作者の中ではサードシーズンの構想もあるとか・・・まだ書くんかい!と内心ツッコミ
を入れたことは言うまでもありません(苦笑)。