畠中恵さんの「こいわすれ」。
江戸町名主の跡取り息子・麻之助が、幼なじみの色男・清十郎と堅物・吉五郎とともにさまざまな
謎ともめ事の解決に挑む、好評連作短篇シリーズの第3弾。前作『こいしり』でお寿ずと夫婦に
なった麻之助は、本作ではなんと懐妊を知らされます。「私は父親になるのかい?」――驚きつつ
大喜びする麻之助には、思いもよらぬ運命が待ち受けていて――(紹介文抜粋)。
謎ともめ事の解決に挑む、好評連作短篇シリーズの第3弾。前作『こいしり』でお寿ずと夫婦に
なった麻之助は、本作ではなんと懐妊を知らされます。「私は父親になるのかい?」――驚きつつ
大喜びする麻之助には、思いもよらぬ運命が待ち受けていて――(紹介文抜粋)。
まんまことシリーズ第三弾です。前作でお由有さんへの想いを封印し、お寿ずちゃんと夫婦に
なった麻之助でしたが、本書ではお寿ずちゃんの妊娠が判明。大喜びの麻之助、お寿ずの身体
を労る良い夫に変貌。よっぽど子供が出来ることが嬉しかったんでしょうね。そんな浮かれて
浮き足立った麻之助の元には、またしても次々と厄介事が持ち込まれます。身重のお寿ずを
気にかけつつも、町名主名代として仕事をこなす麻之助。その意識下には、父親として立派に
ならねばという思いが芽生えていました。一作目ではお気楽で軽いキャラだった麻之助も、
父親になるということで、随分しっかりして来たものだな~と、微笑ましい気持ちで読んで
いたのですが・・・。
なった麻之助でしたが、本書ではお寿ずちゃんの妊娠が判明。大喜びの麻之助、お寿ずの身体
を労る良い夫に変貌。よっぽど子供が出来ることが嬉しかったんでしょうね。そんな浮かれて
浮き足立った麻之助の元には、またしても次々と厄介事が持ち込まれます。身重のお寿ずを
気にかけつつも、町名主名代として仕事をこなす麻之助。その意識下には、父親として立派に
ならねばという思いが芽生えていました。一作目ではお気楽で軽いキャラだった麻之助も、
父親になるということで、随分しっかりして来たものだな~と、微笑ましい気持ちで読んで
いたのですが・・・。
この先、結末に関する若干のネタバレがあります。未読の方はご注意ください。
うーーーん。まさかの展開にショックが大きかったです。確かに、この時代、○○っていうのは
こういうことが起きる確率が高かったのだろうとは思うのですが・・・でも、いくらなんでも、
このシリーズでそんな展開にしなくても・・・とは思いました。ただ、作品的にはこういう展開に
したことで深みは出たかな、とも思うのですけれども・・・。このシリーズのファンとしては、
やっぱりショックが大きいんじゃないのかなぁ。しかも、やっと麻之助がお由有さんへの想い
を完全に吹っ切ったと思えた矢先でしたからね・・・。お寿ずさんとはほんとにいい夫婦だな、と
思えるようになって来ていただけに、辛い結末でした。せめてどちらかでも・・・と思わずには
いられなかったです。これでは、一人張り切って頑張っていた麻之助があまりにも可哀想すぎます・・・。
やっと一人前の男として成長出来たかな、と思えていたのにね・・・。
こういうことが起きる確率が高かったのだろうとは思うのですが・・・でも、いくらなんでも、
このシリーズでそんな展開にしなくても・・・とは思いました。ただ、作品的にはこういう展開に
したことで深みは出たかな、とも思うのですけれども・・・。このシリーズのファンとしては、
やっぱりショックが大きいんじゃないのかなぁ。しかも、やっと麻之助がお由有さんへの想い
を完全に吹っ切ったと思えた矢先でしたからね・・・。お寿ずさんとはほんとにいい夫婦だな、と
思えるようになって来ていただけに、辛い結末でした。せめてどちらかでも・・・と思わずには
いられなかったです。これでは、一人張り切って頑張っていた麻之助があまりにも可哀想すぎます・・・。
やっと一人前の男として成長出来たかな、と思えていたのにね・・・。
シリーズファンとしては、かなりショッキングな作品であることは間違いないです。町名主として
の調停部分はさほど変わりはないのですけれど。ただ、今回の揉め事は、結構背景にあるものは
根が深いというか、人間の黒い部分が見える作品が多かったように思います。特に、『御身の名は』
の、麻之助に文を出した人物の思惑には腹が立ちましたね。理由も完全に逆恨みですし。でも、
その人物が、その後の出来事を知った時にどう思ったんでしょう。いい気味だとほくそ笑んだり
したのかな・・・。そうだとしたら、本当に人間が歪んでるとしか言い様がないですけどね。
ほんと、その人物の言い分全部に腹が立って仕方なかったですもん。
の調停部分はさほど変わりはないのですけれど。ただ、今回の揉め事は、結構背景にあるものは
根が深いというか、人間の黒い部分が見える作品が多かったように思います。特に、『御身の名は』
の、麻之助に文を出した人物の思惑には腹が立ちましたね。理由も完全に逆恨みですし。でも、
その人物が、その後の出来事を知った時にどう思ったんでしょう。いい気味だとほくそ笑んだり
したのかな・・・。そうだとしたら、本当に人間が歪んでるとしか言い様がないですけどね。
ほんと、その人物の言い分全部に腹が立って仕方なかったですもん。
これから麻之助はどうなっちゃうんでしょうね・・・。ラスト1ページ読んで、麻之助の心情
が胸に突き刺さって来て、悲しくなりました。本書を最初に手にとった時は、タイトルの意味は、
お由有さんに対する恋の気持ちのことだと思ってたんですよね・・・。麻之助にとって、その
想いはもうとっくに違う人の方に向かっていたのですね・・・。
が胸に突き刺さって来て、悲しくなりました。本書を最初に手にとった時は、タイトルの意味は、
お由有さんに対する恋の気持ちのことだと思ってたんですよね・・・。麻之助にとって、その
想いはもうとっくに違う人の方に向かっていたのですね・・・。
はぁ。切なかった・・・。やりきれない思いで本を閉じました。