ミステリ読書録

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鯨統一郎/「キモメン探偵、謎を解く 限界アイドル危機一髪」/PHP研究所刊

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鯨統一郎さんの「キモメン探偵、謎を解く 限界アイドル危機一髪」。

人気絶頂のアイドルグループの所属事務所社長が、何者かによって殺害された。容疑をかけられた
のは、なんとメンバーの一人。彼女を犯人と決めつける警察に業を煮やし、我らが「キモメン」が
立ち上がる―。アイドルオタクの少年が殺人事件の謎に挑む(紹介文抜粋)。


なんともインパクトのあるタイトルで、鯨さんらしいというか、何というか。内容は、タイトル
通り、アイドルおたくのキモメンな追っかけ四人組が、殺人事件の容疑者になってしまった愛しの
アイドルの容疑を晴らす為に立ち上がる、というツッコミ所満載なユーモアミステリー。
もうね、なんというか、ほんとに、ツッコむ所しかないって感じの内容でした^^;
さくさく読めるっていう点では、YAかラノベなみ。軽さと読みやすさだけを求めている人には
いいかもしれないけど、真面目なミステリが読みたい人はやめておいた方が無難かも・・・
(っていうか、そもそも真面目なミステリ読みたい人はこのタイトルと表紙見て絶対手に取らない
と思うけど^^;;)。

主役格のキモメン四人衆のキャラをもうちょっとそれぞれに活躍させて欲しかった気はします。
主人公の颯太はまだいいんですけど。ただ、颯太も、一見キモメン、水に濡れるとイケメンって
いう設定をもう少し生かして欲しかったな。最後まであすかに正体は明かされないままだし。
アイドルグループSETのビジュアルは、やっぱりAKBをイメージしてるのかな。三人組っていうと、
個人的にはPerfumeの方が思い浮かぶんだけどね。


ミステリ的にも、もうひとひねりは欲しかったような。ある人物の正体には素直にビックリ
させられちゃったんですけど(不覚にも^^;)。

でも、一番のツッコミ所はやっぱり大御神刑事の存在かなぁ。勘だけで犯人決めるなよ、みたいな
(苦笑)。でも、そこを警察の誰もツッコまないどころか認めちゃうところが一番すごいのかも^^;

なんか、もう書くことがないな・・・。
この本で一番良かったところは、右端のページに書かれているメガネの絵が、章に合せて増えて
行くところかな・・・(そこかよ)。メガネはキモメンの象徴なんでしょうね(笑)。

ま、まぁ、鯨ファンならそこそこ苦笑しながら楽しめる作品じゃないでしょうか。でも、鯨作品
のクダラナさに触れたことがない人にとっては、壁本になる可能性も・・・ははは~。