ミステリ読書録

ミステリ・エンタメ中心の読書録です。

辻村深月/「ネオカル日和」/毎日新聞社刊

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辻村深月さんの「ネオカル日和」。

国民的マンガからパワースポットまで、“ネオカル”の現場にミステリ作家が潜入。マニアックな
こだわりとキュートでトホホな日常を綴るルポ&エッセイ集。ショートショート&短編小説も収録。
毎日新聞』掲載を中心に書籍化(紹介文抜粋)。


辻村さんの初エッセイ集。エッセイ部分は新聞に掲載されたせいなのか、エッセイにしてはちょっと
文章が固めな印象。エッセイなんだから、もうちょっと砕けた感じのものも読みたかったなーって
感じはしました。ただ、辻村さんが興味の赴くままに、直接サブカルの現場に立ち入って専門家に
お話を伺いつつ、自分の感じたことを綴っているので、その時感じた興奮や感動はダイレクトに
伝わって来たのは良かったですけどね。
ちなみに、タイトルの『ネオカル』とは『ネオカルチャー』の略。新しい文化の一端に触れるって
意味ですかね。
でも、個人的にはやっぱり本についてのエッセイの部分が面白かったかな。最後の、3万円で
好きな本を買う章は、私だったら何を買うかな~とか、いろいろシュミレーションしてみたく
なりました(笑)。3万円分の本を好きに買っていいなんて!!これほど楽しい買い物はないんじゃ
ないかしら。でも、買った後、家に帰って収納に困りそうですけどね(今の部屋には大きい本棚が
ないし、収納場所自体が全然ないので・・・^^;)。

でも、多分本書を読んだ多くのファンが一番感じるであろうことは、『辻村さんって、ほんとに
ドラえもん藤子・F・不二雄先生が大好きなんだな』ってことでしょう。大山のぶ代さんに
会った時のはしゃぎっぷりったら!読んでてこっちまでワクワクして来ちゃいました。私も、
ドラえもんの声は絶対絶対大山のぶ代さん!って感じがするので、目の前であの声を出されたら
も~、『ドラえもーーーーーん!!!』って抱きつきたくなっちゃうかもしれないです(笑)。
声優交代しちゃってから、どうにも観る気がしなくなってしまって、ここ数年は全くアニメも
観てないのですが、久しぶりにドラえもんをちゃんと観てみたくなっちゃいました。映画も、
テレビでやってるのを何回かしか観たことがないから、辻村さんが最高に泣けるとか感動したって
映画は観てみたいなぁ。のび太結婚前夜にタイムスリップするやつは観た覚えがあるんだけど、
最後がどんな終わり方だったのかは全然覚えてないし。大人になったのび太って、そんなに
いいヤツに成長するんだね。やっぱり、それはドラえもんの影響なんだろうな。あと、『パーマン
の終わり方も全然覚えてない。っていうか、最後は観てないかも^^;スミレちゃんとの恋愛の
結末がどうなるのか、めっちゃ気になる。後日談って何なんだーーー。

同時収録の小説の方は、『さくら日和』だけは既読。これ一作だけ読んで悪くはないけれど、
やっぱり、リレーアンソロジー『9の扉』のラストとして読んだ方が、より面白さが際立って
ましたね。あの中では、冒頭の北村さんの一作ともつながってる円環形式になってましたから。
他の小説は可もなく不可もなくって感じかなぁ。猫のミャウダさんのは設定は面白かったけど、
なんだか肝心のミャウダさんのキャラクターが今ひとつぼやけてる感じがしたし、ストーリーも
もうちょっと起伏が欲しかったかな。

表紙がすごく可愛らしいですね。この二頭身の辻村さんの似顔絵がすごい雰囲気出てて似てる(笑)。
エッセイに出て来た辻村さんのお気に入りのものがたくさん描かれているので、中身を照らし
合せて見ると楽しい^^

しかし、一番ビックリしたのは、それまでのエッセイに結婚のことも旦那さんのことも全く
触れられていないのに、最後で妊娠が明かされたこと。い、いつの間に・・・。旦那さんは
どんな方なのかなぁ。
今思うと、本日は大安なりは、少なからずご自身の体験が反映されていたのかな~と
思ったりして。それまで書かれていた作品と雰囲気が違ってたからどうしたのかなーとは
思ってたんですけどねー。今度は、ご出産関係のお話を書かれたりして(笑)。
エッセイ当時はご妊娠中でしたが、現在は無事ご出産され、産休も明けて新作に取り組んで
おられるとか。新作の発売が待ち遠しいです。