近藤史恵さんの「シフォン・リボン・シフォン」。
さびれた商店街に花ひらいたランジェリーショップ、そこに出入りする人々の人生模様。レースや
リボン、小さな花柄の下着が、行き詰まった人間関係をなぜかほどいていく。地方都市に生きる人々
の屈託と希望をえがく、摩訶不思議小説集(紹介文抜粋)。
リボン、小さな花柄の下着が、行き詰まった人間関係をなぜかほどいていく。地方都市に生きる人々
の屈託と希望をえがく、摩訶不思議小説集(紹介文抜粋)。
近藤さんの最新作。タイトルから、可愛らしいふわふわしたお話を想像していたのですが、
思ったよりも重いテーマを含んだお話でした。
簡単に言うと、さびれた街の商店街に新しくオープンしたランジェリーショップを舞台に、
そこを訪れる人々の悲喜こもごもを描いた人間ドラマ連作集。出て来る人々は、ショップの
店長も含めて訳ありの人ばかり。さびれた街でくすぶる人々の鬱屈も含めて人間心理の痛い
ところをつきつつ、ほんの少し希望の持てるラストで読後感は悪くなかったです。
思ったよりも重いテーマを含んだお話でした。
簡単に言うと、さびれた街の商店街に新しくオープンしたランジェリーショップを舞台に、
そこを訪れる人々の悲喜こもごもを描いた人間ドラマ連作集。出て来る人々は、ショップの
店長も含めて訳ありの人ばかり。さびれた街でくすぶる人々の鬱屈も含めて人間心理の痛い
ところをつきつつ、ほんの少し希望の持てるラストで読後感は悪くなかったです。
一話目の主人公は、自分の人生を半身不随になった母親の介護の為に犠牲にしている32歳の
佐菜子。パート帰りに商店街の小さな本屋に立ち寄るのがささやかな唯一の幸せという、とても
つましい暮らしの女性。それなのに、その唯一の幸せである本屋が潰れて、出来たのが、
佐菜子が手にしたこともないような華やかで高価なランジェリーショップという。同じ女性
として、胸が痛くなるような境遇の女性で、彼女ばかりが貧乏くじを引かされる理不尽さに
腹が立ちました。そんな彼女が美しいレースの下着に惹かれて何が悪いのでしょう。思い切って
購入した、美しい下着にまでケチをつける彼女の両親にムカムカしました。特に母親の、彼女への
暴言には呆れました。身体が不自由になって、性格が変わってしまうのも仕方のないことなの
かもしれませんが、それにしたって、もうちょっと介護をしてくれる佐菜子に感謝をしても
いいんじゃないの?って言いたくなりました。母と子が逆ならまだわかるんですけどね。
まだ若い佐菜子が、女性としての幸せな人生を諦めているのが切なかったです。母親の介護
さえなければ、もっと違う人生が送れたかもしれないのに。でも、こういう現実に直面せざるを
得ない人たちも、実際の世の中にはたくさんいるのでしょうね・・・。介護の問題っていうのは、
この先いつでも自分の身に振りかかる問題でもありますし。でも、最後に佐菜子が少しだけ
母親に反抗して、就職のことを認めさせたので溜飲が下がりました。
佐菜子。パート帰りに商店街の小さな本屋に立ち寄るのがささやかな唯一の幸せという、とても
つましい暮らしの女性。それなのに、その唯一の幸せである本屋が潰れて、出来たのが、
佐菜子が手にしたこともないような華やかで高価なランジェリーショップという。同じ女性
として、胸が痛くなるような境遇の女性で、彼女ばかりが貧乏くじを引かされる理不尽さに
腹が立ちました。そんな彼女が美しいレースの下着に惹かれて何が悪いのでしょう。思い切って
購入した、美しい下着にまでケチをつける彼女の両親にムカムカしました。特に母親の、彼女への
暴言には呆れました。身体が不自由になって、性格が変わってしまうのも仕方のないことなの
かもしれませんが、それにしたって、もうちょっと介護をしてくれる佐菜子に感謝をしても
いいんじゃないの?って言いたくなりました。母と子が逆ならまだわかるんですけどね。
まだ若い佐菜子が、女性としての幸せな人生を諦めているのが切なかったです。母親の介護
さえなければ、もっと違う人生が送れたかもしれないのに。でも、こういう現実に直面せざるを
得ない人たちも、実際の世の中にはたくさんいるのでしょうね・・・。介護の問題っていうのは、
この先いつでも自分の身に振りかかる問題でもありますし。でも、最後に佐菜子が少しだけ
母親に反抗して、就職のことを認めさせたので溜飲が下がりました。
二話目の主人公は、オープンしたランジェリーショップ『シフォン・リボン・シフォン』と
同じ商店街にある米殻店の主人・中森。新しく出来た店に興味を持ち始めた矢先、自分の
息子がその店に出入りしている噂を聞き、不審に思って調べてみることに。
中森は、息子がランジェリーショップの女店長と付き合っているのではないかと邪推するの
ですが、真相は意外な理由でした。ただ、最近ではこういうこともそう珍しいことでは
ないのかもしれないですねぇ。○○○タレント流行りですしね。自分の息子のことをちゃんと
見て、わかってあげようという気持ちがあったら、もっと早くその事実に気づけたかもしれない
ですけどね。でも、案外、身内だからこそ、見えないことってありますよね。
同じ商店街にある米殻店の主人・中森。新しく出来た店に興味を持ち始めた矢先、自分の
息子がその店に出入りしている噂を聞き、不審に思って調べてみることに。
中森は、息子がランジェリーショップの女店長と付き合っているのではないかと邪推するの
ですが、真相は意外な理由でした。ただ、最近ではこういうこともそう珍しいことでは
ないのかもしれないですねぇ。○○○タレント流行りですしね。自分の息子のことをちゃんと
見て、わかってあげようという気持ちがあったら、もっと早くその事実に気づけたかもしれない
ですけどね。でも、案外、身内だからこそ、見えないことってありますよね。
三話目と四話目の主人公は、『シフォン・リボン・シフォン』の女店長、水橋かなえ。彼女が
都会から田舎のさびれた街で下着屋を始めた理由が明かされます。
うーん、これまた胸が締め付けられるような理由で。穏やかで飄々とした雰囲気のかなえに、
そんな痛ましい背景があったなんて。年齢的にも自分に近いので、これまた他人事とは思え
ないところがありました。
しかし、一話目の佐菜子の母親も酷かったけど、かなえの母親もそれに匹敵するくらい酷い。
かなえの身体のことを告げた時の暴言は、人間として許せないものがありました。教師って
そんなに偉いのかな。若くして自分のお店を立ちあげて、努力して成功を収めた娘が誇らしいと
思えないなんて。私は教師より、自分の夢を叶えたかなえの方がずっと素敵だし立派だと思うけど。
私は、自分の子供の成功を純粋に喜んであげられないような母親にだけはなりたくないな。
都会から田舎のさびれた街で下着屋を始めた理由が明かされます。
うーん、これまた胸が締め付けられるような理由で。穏やかで飄々とした雰囲気のかなえに、
そんな痛ましい背景があったなんて。年齢的にも自分に近いので、これまた他人事とは思え
ないところがありました。
しかし、一話目の佐菜子の母親も酷かったけど、かなえの母親もそれに匹敵するくらい酷い。
かなえの身体のことを告げた時の暴言は、人間として許せないものがありました。教師って
そんなに偉いのかな。若くして自分のお店を立ちあげて、努力して成功を収めた娘が誇らしいと
思えないなんて。私は教師より、自分の夢を叶えたかなえの方がずっと素敵だし立派だと思うけど。
私は、自分の子供の成功を純粋に喜んであげられないような母親にだけはなりたくないな。
四話目に出て来た困ったお客・市原さんも強烈なキャラでした。まぁ、でも、こういう人、
ほんとにいそうですよねぇ。やられた方はたまったものじゃないでしょうけど・・・。過去の
栄光に縋りたい可哀想な人だと思うしかないんでしょうね。他人ならまだいいけど、身内に
いたら本当に迷惑でしょうね・・・。
ほんとにいそうですよねぇ。やられた方はたまったものじゃないでしょうけど・・・。過去の
栄光に縋りたい可哀想な人だと思うしかないんでしょうね。他人ならまだいいけど、身内に
いたら本当に迷惑でしょうね・・・。
私も女性なので、綺麗な下着を身につけた時の気持ちなんかは共感出来るものがありましたね。
私はそんなに下着にお金かけてないですけど^^;
でも、下着ってほんと、きちんとしたサイズのをつけるのとそうでないのとだと、洋服の見た目も
全然変わるんですよね。以前、下着屋さんでアドバイスしてもらったサイズの下着を着けたら、
目からウロコみたいな感じでしたもの。
ここに出て来る下着屋さんで売っているような高級下着、一度でいいから身に着けてみたいな~。
私はそんなに下着にお金かけてないですけど^^;
でも、下着ってほんと、きちんとしたサイズのをつけるのとそうでないのとだと、洋服の見た目も
全然変わるんですよね。以前、下着屋さんでアドバイスしてもらったサイズの下着を着けたら、
目からウロコみたいな感じでしたもの。
ここに出て来る下着屋さんで売っているような高級下着、一度でいいから身に着けてみたいな~。
私みたいに、女性なら共感出来る部分が多いと思いますが、男性が読むにはちょっと気恥ずかしい
話かもしれないですね(苦笑)。
話かもしれないですね(苦笑)。